かっさマッサージのやり方・ポイント・注意点

顔や体がむくんで仕方ない、ぱんぱんで毎日がつらいという方は、かっさを使ったマッサージで楽になりましょう!ここではかっさの種類や効果、メリット、選び方とともに、マッサージの具体的な方法を部位ごとに説明しています。週に1回のスペシャルケアとして、かっさマッサージを行ってください。

いつもより顔が大きく見える、足が膨らんでパンパンになり立つのもつらい…。そんな症状の多くは、むくみが原因です。

多くの女性を悩ませるそんなむくみの解消には、かっさマッサージがおすすめ!女優さんやモデルさんなどが使っていることなどから人気が出て、1度は試したことがあるという方も多いでしょう。

しかし、かっさは持っていても使い方がわからなかったり痛みが出たりして、使用を中止してしまったということはありませんか?ここでは、かっさマッサージの具体的な方法やかっさについての基礎知識など、役立つ情報を紹介していきます。

1. かっさマッサージとは?

「かっさ」とは漢字で書くと「刮痧」です。「刮」はこするとか削り取るといった意味があり、「痧」は悪い血液といった意味があります。つまり、老廃物や汚血などをこすり取るという意味です。

歴史は古く、2500年前の中国が発祥と言われています。プレートを使って皮膚に刺激を与え、毛細血管に圧を加えることで血液の毒素を肌表面に押し出すのです。

1980年代に中国のかっさ第一人者が西洋医学も視野にいれた療法を発案して、現在のような使い方、治療方法へと変わっていきました。

かっさを使ったマッサージでは経路の流れを良くする効果があり、東洋医学のデトックスと言われています。エステサロンなどでもデトックスコースに取り入れられており、人気です。

1-1. かっさの基本的な使い方

かっさプレートにはさまざまな形があります。しかしどのプレートを使っても、使い方はそう変わりません。

  1. 突起がなくゆるやかな谷型カーブの面突起がない緩やかな谷になっているところは、お腹や太ももなど広い面を流したり圧をかけたりするときに使います。
  2. 波型になっている先端部分2つや3つのギザギザがある、波型部分。ここは目の周辺の骨や輪郭にそって流すとき、頭皮のマッサージなどで使います。
  3. 突起がなくゆるやかな山型カーブの面柔らかくて広い面、たとえば頬や太ももなどを流すときに使います。同じようなゆるやかな曲線でも、1よりは強めにアプローチ可能。プレートを回してマッサージするときなどにも使用します。
  4. 突起している先端部分

2と対極にある突起部分です。ここは細かい場所を刺激したり、ツボ押しをしたりするときに使用します。

1-2. かっさは大きく分けて5種類

かっさにはいろんな種類の商品が販売されていますが、大きく分けると以下の5つの型です。

  • 羽型
  • 魚型
  • くし型
  • 長方形型
  • ツボ押し棒型

人気であり、よく見られる形は「羽」と「魚」です。100円ショップでも手に入りますし、雑誌の付録になっていることもあります。

プレートについている波型部分は顔や頭皮に、カーブの部分はお腹・腕や肩・脚やお尻などに、先端の突起部分はツボ押すために使用します。

1-3. かっさを使うメリット

かっさマッサージは効果がすぐに出ると有名ですが、やはりメリットは確認しておきましょう。その方が、マッサージをするモチベーションも上がります。

かっさマッサージのメリットは、以下の3つです。

  • 簡単で手軽
  • 広範囲を同じ圧力で刺激可能
  • 疲れない

方法は簡単で、プレートで肌を撫でたり押したりするだけ。難しいことは一切ないので、初心者でも悩むことなく手軽に実行できます。

また、プレートの形によって力を入れなくても広い面積を同じ圧力で刺激可能です。つまり少しの力で刺激して老廃物を流せますので、ハンドマッサージなどに比べて手が疲れません。

プレートさえ用意しておけば、テレビを観ながらでもマッサージが可能なことも人気の理由の1つです。

1-4. 得られる効果

かっさマッサージで血液の滞りが解消され、体の中を栄養素や酸素が巡ります。その結果代謝がアップし肌のターンオーバーが正常になるため、顔色がよくなりシミやシワも改善されます。

むくみが解消されることによる小顔効果の他にも、冷え性を改善したり疲労回復が早まったりと、いいことはたくさんです。

2. かっさマッサージをするうえでのポイント3つ

では、どんなポイントがあるでしょうか?マッサージは基本的にはいつ行っても良いのですが、以下を参考に、より効果的な頻度や時間で行ってください。

  • 入浴中・後に行うのがおすすめ
  • 最適な頻度は週1~2回
  • 水分補給を忘れない
  • マッサージは左側から始める

2-1. 入浴中・後に行うのがおすすめ

入浴中、もしくは入浴後の体が温まっているときのマッサージがおすすめです。体が温まればリンパの流れも良くなりますし、入浴中はお湯があるため肌への摩擦が軽減されます。

石鹸やボディソープをつけて行えば、マッサージと洗浄を同時にできて便利です。ただし、顔のマッサージをするときにはやはりオイルをつけ、滑りを良くしてから行いましょう。

2-2. 最適な頻度は週1~2回

かっさマッサージは手で行うマッサージよりも圧が強いため、マッサージ頻度が高いと肌に負担がかかります。その結果、色素沈着やたるみが現れることも。そのためかっさの使用は、スペシャルケアとして週に1度、もしくは2度程度が最適です。

前述した「かっさ痕」は、一般的な肌荒れとは違います。そのため、かっさ痕が出ている肌にかっさマッサージを行うことは問題ありません。

2-3. 水分補給を忘れない

かっさマッサージに限りませんが、行う前にコップ一杯の水(目安200ml程度)を飲んでおくと老廃物を流しやすくなります。

入浴中にマッサージを行う場合にも、お風呂に入る前に水分補給をしておきましょう。体が温まると利尿作用が促進されるうえに汗もかきますので、体は水分が不足してしまいます。

2-4. マッサージは左側から始める

基本的に、かっさマッサージは左側からスタートし、左右両方を行います。人間の心臓は左側にありますので、左からはじめると血液の循環が効率よくめぐるためです。

顔は中心から外側、腕や脚の内側なら下から上、外側なら上から下にプレートを動かしましょう。

3. 顔マッサージの手順

一般的によく使われているのが、かっさの種類のところで紹介した「羽」や「魚」の形のかっさプレートです。ここでは、羽や魚型かっさプレートを使った小顔マッサージの手順を紹介していきましょう。

顔と同じく頭皮や首元、鎖骨もあわせてマッサージし、むくみのないすっきりとした小顔を目指してください。

先に紹介したかっさのパート部分をABCDにわけ、マッサージ手順を説明していきます。

  • 突起がなくゆるやかな谷型カーブの面・・・A
  • ギザギザの波型になっている先端部分・・・B
  • 突起がなくゆるやかな山型カーブの面・・・C
  • 突起している先端部分・・・D
  1. Bを使って、髪の生え際から左右にずらしながら動かして頭皮を刺激する
  2. 首筋にクリームかオイルを塗り、Cを使って左右の耳の後ろの首筋を10回さする
  3. 続いてAを使って耳の下を左右それぞれ10回ずつ流す
  4. 顔全体にクリームやオイルを塗り、Aを使って目の下を10回往復して撫でる
  5. Dを眉間にあて、10回往復して撫でる
  6. Aを使って目の外側を10回往復して撫でる
  7. 同じくAを使って眉間から上へおでこを5回撫で上げる
  8. Bのギザギザ部分で輪郭を挟み、アゴからエラへ向かって10回さすり上げる
  9. 続いてDを使ってアゴの下からエラの下までを10回押し上げていく
  10. 最後に鎖骨部分をBの部分で挟むようにし、10回肩へ向かってさすり流す

クリームやオイルがのぞましいですが、とろみがある液体であれば化粧水でも可能です。顔は基本的に、中央から外側へプレートを動かしてマッサージしてください。

「少し痛いけれど、気持ち良い」と感じる程度の力で行います。ゴリゴリとするところがあれば、そこは血液が滞っている場所です。力をいれず、優しく流しましょう。

4. 体のマッサージの手順

かっさは顔だけでなく、全身のマッサージにも使えます。特に女性が悩むことが多い部分、お腹・脚・二の腕の老廃物をしっかりと流すマッサージ方法を順番に紹介していきましょう。

  • お腹
  • 脚全体
  • 二の腕

初心者でもわかりやすいシンプルなマッサージですので、トライしてみてください。

かっさの部分は先程と同じです。

  • 突起がなくゆるやかな谷型カーブの面・・・A
  • ギザギザの波型になっている先端部分・・・B
  • 突起がなくゆるやかな山型カーブの面・・・C
  • 突起している先端部分・・・D

4-1. お腹

お腹は特に脂肪がたまりやすい箇所ですが、若い方でもストレスや生活習慣によって腸の機能が低下し、消化不良を起こすことがあります。

すると老廃物がリンパに溜まり、冷えや便秘などを引き起こしてしまいますので、かっさマッサージでしっかりと老廃物を流しましょう。

  1. クリームやオイルをお腹にぬり、Cを使って時計まわりに2回ほど円を描くように撫でる。
  2. 1を3セット繰り返す
  3. Bを使って左右の脚の付け根にあるそけいリンパ節を5回優しく撫でる
  4. Cを使いおへその真上から下へ向かって3㎝程度押し下げていく
  5. 4の3㎝程度下げるを3回繰り返し、おへその下までかっさをずらしていく
  6. おへそがあるところを真ん中として、その左右も4)~5)と同様に行う
  7. Bを使って腸を意識しながらおへその右斜め下からおへそにむかって小刻みに流していく
  8. おへその右上までかっさを流したら、そのまま下へ滑らせ次は左斜め下からおへそに向かって7)と同じように流す
  9. 7~8を3セット行う
  10. 息を吐きながら、おへその下5㎝程度のところを5秒間押す
  11. 最後にAを使ってお腹のお肉を持ち上げるように中央に集め、脚の付け根にあるそけいリンパ節へ向かって優しく流す

かっさを使い、円を描いたり上から下へ流したりして、お腹全体のマッサージをします。慣れればスムーズに行えますが、それまではメモをお風呂に持ち込むなどして動きを確認しながらやってみてください。

4-2. 脚全体

脚全体のむくみが気になる方におすすめです。立ち仕事などをしている方は、仕事から帰ったらやってみてください。

  1. Bを使って足の甲を指から足首にむかって5回撫でる(ギザギザの部分を足の指から伸びる骨に沿わせる)
  2. Bを使って足の裏も1と同じように指先からかかとに向かって5回撫でる
  3. Dをつかってくるぶし周辺を5周時計回りで押していく
  4. Aを使ってふくらはぎを足首から膝に向かってやや強めに5回撫で上げる
  5. Bを使って膝裏をぐりぐりと10秒程度押してほぐす
  6. Aを使って太ももをお腹へむけてやや強めに撫で上げる
  7. 太ももの付け根をD部分で押しながら流す

4-3. 二の腕

脂肪がつきやすく、また1度ついた脂肪が落ちにくい二の腕。血流を促進してむくみを改善していきましょう。

  1. 二の腕全体にクリームなどを塗ったら、Bを斜めに押し当てるようにしながら肘から肩へ向かって流す
  2. 1流しを3㎝から5㎝程度にし、小刻みに動かして流す
  3. 腕の内側も外側も同様に、肘から肩までBを使って流す

腕はリンパの流れに沿って、肘から肩までかっさを斜めに優しく押し当てるようにして流していきましょう。

4-4. 肩

肩こりが酷い方は、ぜひトライしてください。

  1. 肩にクリームやオイルを塗る
  2. Cを使って耳の後ろ側から肩にむけて押し流す
  3. Dを使って肩を強めに数か所押す

流して押す、という一連の動作です。押すときには1カ所につき10秒程度維持してください。

5. かっさの素材と選び方とは?

新しくかっさを買う方がどのようにプレートを選べば良いのか、素材や選び方を紹介します。参考にしてください。

5-1. 素材は主に5種類

かっさは固いものでできています。素材としては、陶器や水牛の角、天然石などさまざまなものがありますが、それぞれにメリットやデメリットが違います。

自分にぴったりのプレートを素材から見つけていきましょう。

天然石でできたかっさはなめらかな使い心地で見た目に高級感があります。しかし、衝撃があれば割れやすいです。パワーストーンの効果を感じたい方に人気があります。

プラスチックでできたかっさは何と言っても軽くて値段が安めであることが特徴。しかしこれも耐久性という点がマイナスポイントです。100円ショップなどでも販売していますので、手に入れやすいタイプです。

陶器でできたかっさは、肌馴染みがよくひんやりと滑らかに滑ります。割れやすいというデメリットはありますが、敏感肌の方が安心して使えます。

水牛の角でできたかっさは、高級ですが天然素材でぬくもりがあり、肌辺りが良いです。ただし、高温多湿や乾燥に弱くケアが必要です。これも敏感肌の方が安心して使えるプレートです。

ステンレスでできたかっさは、耐久性が抜群。湿気や熱、錆、そして衝撃に強くて頑丈です。しかし表面が傷つきやすいため、見た目の劣化は一番早くなります。

5-2. 3つの選び方のポイント

前述した素材のメリットデメリット、おすすめの方を見てどんな素材が良いか決めたら、次は選び方として以下3つのポイントを見ていきましょう。

  • 手に馴染むかどうか
  • 滑らかかどうか
  • 大きさ

まず重要なポイントでは、選んだかっさプレートが自分の手に馴染むかどうかです。持ちやすい形なのか、重すぎないか、または軽すぎないか、実際に使う気持ちになって手に取って比べてみるのが一番です。手は人によってサイズが違いますので、通販で購入することは便利ですが、できるだけ商品を手に取って確認してください。

また、プレートの滑らかさも素材によって大きく違ってきます。肌滑りが良いかどうかも、実際に試してみてからの購入が失敗しないコツです。

さらに、かっさが1つあれば全身のマッサージに使うことはできますが、サイズによってマッサージに最適な部位は違ってきます。

たとえば顔周辺であれば凹凸があるため小さ目のかっさプレートが使いやすいですし、お腹や太もも、お尻などは広範囲を刺激できる大き目のかっさプレートが良いでしょう。

6. 注意すべき5つの点

簡単でシンプルなデトックス方法ですが、やはり注意すべき点もいくつかあります。次は、かっさを使うときに注意すべき5つの点について紹介していきます。

  • 優しい力加減で行う
  • クリームやオイルを必ず塗る
  • 肌の不調が一時的に出る場合がある
  • 体調不良・食後しばらくは行わない
  • 異常がある肌には禁止

6-1. 優しい力加減で行う

マッサージと聞けば、エステなどで行われる力を込めたハンドマッサージを想像する方が多いでしょう。しかし、かっさマッサージは、どの部位でもさっと撫でる程度の優しい力加減で行います。

軽く撫でる程度でも老廃物や体内の不要な水分は流せます。力をこめるとプレートによって肌組織が傷ついたり、肌がたるんだりしてしまう可能性もあります。ちょっと物足りないかなと思うくらいに優しい力加減で行ってください。

6-2. クリームやオイルを必ず塗る

頭皮以外をマッサージするときには、摩擦で肌が痛むのを避けるため、クリームやオイルなどを使用しましょう。

かっさプレートは動物の角や天然石など固いものでできています。摩擦を避けるものがない状態でマッサージをすると肌への負担が大きくなってしまい、酷い場合には内出血の可能性もあります。

なお、お風呂の中でマッサージを行うときにはお湯が摩擦を防ぎますので、クリームやオイルは不要です。

6-3. 肌の不調が一時的に出る場合がある

「かっさ痕」と呼ばれる赤や紫の斑点が現れる人がいます。これは不要な毒素を含んだ血液が、マッサージによって肌の表面に現れるもの。これが出てきたときは、体に老廃物がたまっている、そして血のめぐりが悪くなっているという証拠です。

マッサージの刺激で毒素が血液に流れこみ、排出時に一時的に体調不良となることを「好転反応」と言います。かっさマッサージにもこの好転反応がありますので、赤や紫の斑点がでたりニキビが出現したりしても慌てないようにしましょう。

好転反応であれば、通常3日程度で消えます。

6-4. 体調不良・妊娠中・食後しばらくは行わない

体調が良くないときや妊娠中、そして食後すぐには、かっさマッサージはしないでください。マッサージはリラクゼーションではありますが、体に刺激を与える行為です。調子の悪いときにマッサージを行うと、体に大きな負担がかかってしまって悪化する可能性があります。

また、食後は血液が消化器官に集中し、消化を行っています。マッサージで血流促進をしてしまうと、消化器官が十分に血液を得られません。結果、消化不良を起こしてしまうこともあります。

食後は休憩を取り、かっさマッサージをするのは2時間程度おいてからにしましょう。

6-5. 異常がある肌には禁止

かっさマッサージを行えるのは、健康な肌です。傷があったり肌荒れを起こしていたり、日焼け直後であったりするときにはかっさを使わないでください。

異常がある肌に使えば悪化してしまいます。かっさは健康な素肌にクリームなどを塗り、使用するようにしましょう。

まとめ:かっさマッサージでむくみ撃退!すっきりした体になろう

むくみがないすっきりした顔や体になるために、試していただきたいのがかっさマッサージです。

かっさは古代中国が編み出した老廃物を流す方法ですが、手軽で簡単。最初は肌へ圧をかける具合や流す方向にちょっと手惑うかもしれませんが、1度覚えれば何も考えずにマッサージ可能です。

週に2、3回のマッサージがベスト。お風呂の中や、お風呂から上がった後のリラックスタイムにやってみてください。