1. 上腕二頭筋の凝りや硬さの原因
まずは、上腕二頭筋にこりが生じたり硬くなったりする原因について解説していきます。代表的な原因として以下の3つが考えられます。
- 腕を曲げた姿勢でいることが多い
- 使いすぎによって腕が疲労してしまっている
- 腕の筋力が弱い
1-1. 肘を曲げた姿勢でいることが多い
肘を曲げた姿勢で長時間いることは、疲労物質の乳酸を筋肉に溜めてしまい、凝りや硬さの原因になります。筋肉は、縮んだ状態でいるとき血管を圧迫しています。長時間の圧迫で血液の通り道が塞がれることで、血液の流れは悪くなります。そして、本来は血液中に排出される乳酸が筋肉に溜まってしまい、凝りや硬さを生じます。
上腕二頭筋は肘を曲げると縮む筋肉です。パソコンやスマートフォンを使用しているとき、本を読むとき、車や自転車を運転しているとき、電車のつり革を使用しているときなど、日常生活で想像以上に肘を曲げた姿勢でいます。
1-2. 筋肉を使い過ぎてしまっているため
疲労物質の乳酸は筋肉を使うことでより多く生じます。筋肉から生じた乳酸は本来、血管へ移動し血液に流されて排出されます。しかし、筋肉の疲労により大量に生じた乳酸は、血管を圧迫し血液の流れを悪くします。血液の流れが悪くなると、乳酸は筋肉の中にどんどん溜まり、凝りや硬さの原因となります。
上腕二頭筋は、肘を曲げるとき、腕をひねるときなどに使われます。
日常では肘を直角に曲げて荷物を持つとき、物を拾うとき、物を運ぶときなど、私たちは想像以上に多くの場面で上腕二頭筋を使っています。
1-3. 上腕二頭筋の筋肉量が少ない
筋肉量が少ないと、筋力が低下し疲労しやすいです。その結果、乳酸が筋肉に溜まりやすくなり、凝りや硬さの原因になります。
また、筋肉にはポンプのように作用し血液の流れを良くする働きもあるため、筋肉量が少ないと血液の流れは悪くなります。その結果、乳酸が筋肉に溜まり、こりや硬さの原因になります。
2. 上腕二頭筋をストレッチすることで得られる効果
続いて、上腕二頭筋をストレッチすることで得られる効果について解説していきます。代表的なメリットは、以下の3つがあります。
- 腕の疲労回復
- 腰痛予防・改善
- 肩こり予防・改善
2-1. 腕の疲労回復
ストレッチは、筋肉に溜まった乳酸を排出する効果があります。
凝り固まり血管を圧迫している筋肉をストレッチで伸ばすことで、ほぐすことができます。そして、筋肉が血管を圧迫してしまうことを防ぎ、血液の流れを改善し乳酸を排出することができます。
2-2. 腰痛予防・改善
ストレッチは、筋肉の動きを改善する効果があります。筋肉が凝り固まると動きが悪くなります。荷物を運ぶとき、物を拾うときは、腕のみではく腰も使っています。腕が凝り固まり、機能が低下すると、腰ばかり使うことになり腰痛につながります。
上腕二頭筋をストレッチでほぐし腕の機能を改善することは、腰痛の予防・改善の効果があります。
2-3. 肩こり予防・改善
上腕二頭筋のストレッチは、肩甲骨のゆがみを改善する効果があります。上腕二頭筋は肩甲骨の上部から肘にかけて付着している筋肉です。上腕二頭筋が凝り固まると、肩甲骨が前に引っ張られます。そして肩が前に出て、猫背の状態になります。猫背は肩に負担がかかるため、肩こりの原因になります。
上腕二頭筋のストレッチで肩甲骨のゆがみを改善することは、肩こりの予防・改善効果があります。
3. 上腕二頭筋のストレッチのやり方
それでは、凝り固まった上腕二頭筋をストレッチでほぐしましょう。
すべてのストレッチに共通のポイントは以下の2点です。
- 伸ばしているときは、呼吸を止めずリラックスしてください。
- 痛みのない気持ちの良いところまで伸ばしてください。
今回は、立って行うストレッチの方法と、机や椅子を使用しデスクワークの合間にできるストレッチの方法を紹介します。
3-1. 立って行うストレッチ
パターン1
- 両手を後ろに組んだ状態で立ちます。
- 両手を返します。
- 伸ばした状態を維持しながら、腕の内側が伸びている感覚が得られる所まで腕を上げます。
- 20秒〜30秒ほど状態をキープします。
ポイント
・肩甲骨を寄せるように胸を張ると、より伸ばすことができます。
パターン2
- 足を肩幅に開き両腕を軽く広げて立ちます。
- 腕を伸ばした状態で、手のひらが背中側に向くように、腕をひねります。
- この姿勢を20〜30秒キープします。
ポイント
・腕を内側にひねる時に、姿勢はまっすぐの状態を維持してください。上体が前に倒れないように注意しましょう。
3-2. 椅子や机を使用しデスクワークの合間にできるストレッチのやり方
- 机に背中が向くように椅子にすわります。*背もたれがある椅子を用いる場合は、お腹を背もたれにつけるように座ってください。
- 腕を肩幅に開き、手のひらを机にのせます。
- 胸を張った状態を20秒〜30秒キープします。
ポイント
・肩甲骨を寄せるように胸を張ると、より伸ばすことができます。
・手のひらを身体から遠い位置に置くと、より伸ばすことができます。
4. ストレッチを行う効果的な時間帯
ストレッチを行う効果的な時間帯は以下の3つです。
・入浴後
・デスクワークの合間
・運動の前と後
4-1. 入浴後
入浴は身体を温めて、血液の流れを良くします。
乳酸が血液中に流れることで筋肉が緩み、伸びやすくなるため、ストレッチを効果的に行うことができます。
4-2. デスクワークの合間
デスクワークなどで長い時間、上腕二頭筋を縮めた姿勢でいると筋肉は凝り固まってしまいます。合間にストレッチをして筋肉をほぐし伸ばすことで、凝りを防ぐことができます。
4-3. 運動の前と後
運動の前にストレッチを行うことは、怪我の予防やパフォーマンスを上げる効果があります。筋肉は凝り固まると、可動域が小さくなります。可動域が小さい状態で、無理に筋肉を動かすと、筋肉は傷つき痛みの原因になります。怪我を予防するために、運動前にストレッチをして筋肉をほぐし伸ばし、可動域を広げておくことが大切です。また、運動前にストレッチをして可動域を広げておくことは、身体を動かしやすくして運動中のパフォーマンスを上げる効果もあります。
運動後は入浴後と同じように身体が温まっています。血液の流れがよくなり筋肉を伸ばしやすくなっているためストレッチを効果的に行うことができます。
また、運動後は筋肉に疲労物質の乳酸がたまりやすいです。運動後にストレッチをすることで運動中に生じた乳酸を血液中に排出し、翌日の疲労を和らげることができます。
5. 上腕二頭筋のストレッチに関するよくある質問と解決策
最後に、上腕二頭筋のストレッチに関してよくある質問と解決策を2つ解説していきます。
Q1. 痛いときにストレッチを行っても良いのでしょうか。
A. 痛みがある場合、ストレッチは控えましょう。入浴や、摩するようなマッサージで血液の流れを良くしてあげてください。強くもむマッサージも痛みの悪化につながる可能性があるため控えましょう。
Q2. 肩を動かしにくく上腕二頭筋を伸ばせないのですが解決策はありますか?
A.ストレッチを行う前に、肩を軽く回してみてください。肩を動かしやすい状態にしてからストレッチを行うと上腕二頭筋は伸びやすくなります。
6. まとめ
いかがでしたでしょうか。
私たちは想像以上に、上腕二頭筋を縮めた姿勢でいる時間や上腕二頭筋を使う場面が多いです。上腕二頭筋が凝り固まることによって生じる不調を防ぐために、日々ストレッチでほぐしていきましょう。
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