前腕筋を鍛える最強トレーニングメニューを徹底解説

太い血管が浮き上がった男らしい腕は、セクシーに見えます。力強く、何でも守れそうな腕に憧れを持つ方は、前腕筋を鍛えましょう。

前腕筋は手首から肘までの部分を指しますが、ではどんな筋トレのメニューや便利な筋トレグッズがあるでしょうか?

ここでは前腕筋でおすすめのトレーニング方法や注意点、おすすめの筋トレグッズなどを紹介していきます。それぞれのやり方や注意点を参考に、正しくトレーニングをしていきましょう。

1. 前腕筋(ぜんわんきん)とは?

前腕筋とは人間の腕の下の方の筋肉で、1つの筋肉の名前ではなく大きく分けて3つの筋肉群の総称です。

「前腕伸筋群」・「前腕屈筋群」・「腕橈骨筋」の3つですが、それぞれの動きは手首を手の甲側に返す動き・手首を手のひら側に曲げる動き・肘を曲げる動きです。

各筋群がさらに複数の筋肉で構成されていますので、前腕を作っているのはかなり多数の筋肉ということになります。まとまっていますので同時に鍛えられますが、役割は筋肉ごとに少しずつ違っています。

1-1. 前腕筋はどんな動き?

腕の筋肉ですので日常生活での影響が大きく、前腕筋を使った動きは以下のようになっています。

  • ものを握ったり投げたりする
  • 指を動かす
  • 壁などを押す
  • 手首を曲げる

つまり、人間が普段から常に動かしている筋肉です。そのため、強めの刺激を与えないと筋肉肥大の効果がなかなか感じられません。

1-2. 前腕筋を鍛えるメリットは?

厳しくつらい思いをすることが多い筋トレでは、トレーニング中のモチベーションが下がらないように、得られるメリットを知っておくことをおすすめします。

前腕筋のトレーニングで最もメリットが大きいのは、握力が向上することです。普通に生活していれば握力の強さを見せつける機会はあまりありませんが、ここぞというときに力を見せれば人から一目置かれるでしょう。

握力が今より向上するということは、重いウェイトを扱えるということです。リストラップなどを使えば握力の補助は可能ですが、持ち前の握力が強い方が何かと便利です。

さらに前腕筋は男らしさが簡単にアピールできる上に、年中露出可能な筋肉です。冬でも仕事中に袖をまくることはよくありますし、春から秋にかけても前腕を最初に露出し、最後に袖の中に隠すでしょう。

太くたくましく血管が浮き上がった男らしい腕は、セクシーに見えます。高い腕時計やアクセサリーが不要で、素のままで十分な存在感を醸し出すことができる腕になります。

2. 前腕筋に効果的なストレッチ4つ

腕はどの部分であってもよく使われます。日頃からストレッチをして筋肉を伸ばすことが大切ですが、筋トレ前には必ずストレッチをしてください。

ここで、1分以内でできる前腕筋のためのストレッチを4つ紹介します。

1、指を反らす

手のひらを上にして前に出し、反対の手を使って指を1本ずつ下へと反らしていきます。気持ち良いと思う角度で10秒ほどじっくりと反らしてください。

2、手首を反らす

伸ばしたい方の肘を伸ばし、腕を前へ出します。もう片方の手で伸ばした方の手の甲を抑え、ゆっくりと手首を下へまげていきます。痛みを感じるときは無理に伸ばさないようにしましょう。

3、両手を組んで腕を伸ばす

両手を組み、手のひらを見せるように腕をぐーっと前へ伸ばします。同時に肩の筋肉も伸ばせますので、気持ち良いと感じるまで伸ばしてください。

4、合掌する

立っていても座っていても良いので、胸の前で両手を合わせて合掌します。そのままでゆっくりと合わせた両手をお腹の方へ下げていきましょう。肘が90度より開けば、元に戻します。

3. 器具なし前腕筋トレーニング3選

ストレッチを済ませたら、トレーニングに入りましょう。最初は器具が一切必要ないトレーニングを3つ、やり方や注意点を説明します。

すべて自宅で思い立ったときにトレーニングできるメニューですので、気軽に始めてください。

  • 指立て伏せトレーニング
  • ぶら下がりトレーニング
  • タオルアップトレーニング

3-1. 指立て伏せトレーニング

腕立て伏せを、指だけでするのが指立て伏せです。肘を曲げ伸ばしする動作がつらい方は、まずは指立て伏せの体勢をキープすることからやっていきましょう。

  1. 腕立て伏せと同じ体勢をとる
  2. 手の指10本すべてに力をいれ、体を支える。指は第一関節のみを床につける
  3. 肘を曲げて上体を下げ、肘が90度に曲がったところまで下げたら、腕を伸ばして元の体勢に戻る
  4. 2と3を5回繰り返す
  5. インターバルで1分休憩する
  6. 残り2セットを行う

指腕立て伏せは、やりすぎると前腕筋を痛める恐れがあります。そのため、目安としては1日3セットです。もう少しできると思っても、過度にやらないようにしましょう。

トレーニングの注意点は、腰を曲げずにすることと顔は下ではなく前を向くことです。負荷が強すぎると感じる方は、膝をついて負担を減らしましょう。

3-2. ぶら下がりトレーニング

自宅でぶら下がれるものを発見して、トレーニングをしてみましょう。

たんすの縁や鴨居など、指をひっかけて自分の体をぶら下げることができるところはあるはずです。どうしても見つからなければ、寝ころんで机の下に入り、机の縁をつかんでぶら下がることもできます。

  1. 鴨居などのぶら下がれるところを探し、見つけたら指をひっかけて自分の体重をかける
  2. 指が滑って外れてしまうかもと思えるギリギリのところで、筋肉の限界までそのままキープする
  3. 限界がきたら指を外す
  4. インターバルで30秒休憩する
  5. 残り2セットを行う

物に自分の限界までぶら下がるということを、1日3回してみましょう。コツは、第一関節で指をしっかりと引っかけること、背筋は曲げずに伸ばすこと、頭は下げないことです。

3-3. タオルアップトレーニング

こちらもぶら下がる必要がありますので、鴨居などを利用して行ってください。強度が高いので、筋トレ初心者には厳しいかもしれません。

  1. 長めのタオルを用意し、鴨居などにひっかける
  2. 両端を手でしっかりにぎる
  3. 息を吐きながら、胸に引き寄せるようにタオルを引いて体を持ち上げる
  4. 限界まであげたらゆっくりと下ろしていく
  5. 3と4を6回繰り返す
  6. インターバルで30秒休憩する
  7. 残り2セットを行う

体重が重い方は、頑丈なタオルを用意してください。このトレーニングは強い握力がないと難しいでしょう。そのため回数は目安にし、無理しない程度から始めてください。

4. ダンベルを使った前腕筋トレーニング4選

器具なしであれば気軽にいつでもできますが、やはりしっかりと筋肉に刺激を与えたければ、ダンベルを使うことがおすすめです。

次はダンベルを使った前腕筋のトレーニングメニューを以下に4つ紹介しましょう。

  • リストカール
  • リバースリストカール
  • スピネーション
  • ラジアルフレクション

ダンベルを持っていない人は、この機会に購入を考えてみても良いかもしれません。ダンベルがあれば自宅でできる筋トレのメニューが増えますので、1セットは購入することをすすめます。

4-1. リストカール

前腕筋を鍛えるベーシックな筋トレメニュー、「リストカール」です。正しいやり方を覚え、継続してトレーニングしていきましょう。

  1. イスかベンチに鍛える方の前腕筋を乗せ、手のひらを上にする
  2. もう片方の手で、ベンチに載せた手を押さえて動かないようにする
  3. ダンベルを持ち、ゆっくりと手首を開いてダンベルを下ろしていく
  4. 下ろしたら次は巻き上げるように手首を上へあげる
  5. 3と4の動作を15回繰り返す
  6. インターバルで1分休憩する
  7. 残り2セットを行う
  8. 反対側の手も同様にする

トレーニングのコツは、ダンベルを持ち上げるときに腕の力を借りないことです。腰は丸めず、呼吸を意識しながらトレーニングをしましょう。

4-2. リバースリストカール

リバースリストカールはリストカールの逆バージョンのトレーニングで、手の甲側の筋肉に負荷をかけます。リストカールをしたなら、リバースリストカールも必ずセットで行っておきましょう。

  1. イスかベンチに鍛える方の前腕筋を乗せ、手のひらを下にする
  2. もう片方の手でベンチに載せた手を抑え、動かないようにする
  3. ベンチに置いた手でダンベルをつかみ、ダンベルの重みで下がっている手を手首を使って上へ持ち上げる
  4. できるだけ上へあげたら、ダンベルを下げて元の位置へ戻る
  5. 3と4の動作を15回繰り返す

インターバルに1分とることやセット数はリバースカールと同じにしましょう。反対側の手も忘れずに同じように鍛えます。

手首の周囲は腱や靭帯が密集していますので、無理に重いダンベルを持つのは危険です。軽めのウェイトで試してください。

4-3. スピネーション

スピネーションをして、強靭な手首を作りましょう。前腕の親指側と肘関節の周辺にある筋肉を鍛えられます。

ラケットやバットを使うスポーツをしている方には特におすすめです。スピネーションで腕のインナーマッスルを鍛え、「投げる」とか「打つ」といった動きを強化していきましょう。

  1. ベンチやイスの前に膝まずいて、手のひらが下になるようにベンチやイスに前腕筋部分をのせる
  2. もう片方の手でベンチにのせた腕を抑え、ダンベルを握る
  3. 前腕を固定したままで、手首をひねって90度回しダンベルを立てる
  4. ゆっくりと元に戻す
  5. 3と4を限界がくるまで繰り返す
  6. インターバルで1分休憩する
  7. 残り2セットを行う
  8. 反対側の手も同様にする

スピネーショントレーニングの目安は、片腕で限界回数を3セットです。これ以上1日でやればケガをしてしまう恐れがありますので、無理はしないようにしてください。

スピネーションのコツは、前腕筋を意識して行うことと、背中を丸めないことです。トレーニング前には必ず手首のストレッチをしましょう。また、手首が弱い方はテーピングを巻いて行うのもおすすめです。

反動を使うと筋肉への負荷が減ってしまいます。関節への負担も考え、動きはゆっくりとしていきましょう。

4-4. ラジアルフレクション

たくましく太い腕に浮き出た血管、その姿を目指しているならラジアルフレクションがおすすめです。野球のピッチングやバレーボールのスパイクなどに影響しますし、剣道の竹刀を振り上げる動きも強化できます。

道具はダンベルのみですし場所を取りませんので、自宅で思い立ったときに取り組んでください。

  1. 可動式ダンベルの片方のウェイトを外す
  2. まっすぐに立って肘を伸ばし、手でダンベルを持つ(ウェイトがついている方を前に向ける)
  3. ダンベルの先端を持ったまま、手首を曲げて親指の方へ持ち上げる
  4. ゆっくりとダンベルを下ろす
  5. 3と4を20回繰り返す
  6. インターバルで1分休憩する
  7. 残り2セットを行う
  8. 反対側の手も同様にする

頭の方におもしがついた棒を、手首の力だけで持ち上げるトレーニングです。親指の方(つまり前方)へ持ち上げるトレーニングが済んだら、次は小指の方(つまり後方)へ持ち上げるトレーニングも行ってください。

注意点は、トレーニング中、肩を上げないようにすることです。肩が上がると前腕筋へ刺激がいきにくくなりますので、効果をしっかり得るためには肩は下ろしておきましょう。

5. 前腕筋を鍛える他の道具を使ったトレーニング

有名なハンドクリッパーやチューブ、誰の家にもある古本を使ったトレーニングです。ハンドクリッパーやチューブはさほど価格が高い道具ではありませんので、自宅での筋トレメニューの種目を増やしたい方は、手に入れておきましょう。

  • ハンドクリッパートレーニング
  • チューブ前腕トレーニング
  • 古本ピンチ力トレーニング

5-1. ハンドクリッパートレーニング

握力を鍛えようと考えるとき、多くの方が最初に思い浮かべる道具が「ハンドクリッパー」です。握力の中でも握りしめる力、クラッシュ力を鍛えるには最適な道具で、アスリートたちも練習に取り入れています。

ハンドクリッパーを使ったトレーニング方法です。

  1. 片手でハンドクリッパーを握る
  2. ゆっくりと手に力を入れ、手のひらを開けたり閉めたりする
  3. 筋肉の限界まで繰り返す
  4. インターバルで30秒休憩する
  5. 残り1セットを行う
  6. もう片方の手も同様に行う

1日あたり限界回数×2セットを目安にしてトレーニングをしてください。

注意点は、肩を上げず上腕にも力を入れないことです。上下でしっかり押さえつけるといったイメージで行ってください。

なお、ハンドクリッパーには可動式の商品もあります。ダイヤルで40kgまで負荷を変更できますので、長期的にハンドグリッパーで握力を鍛えていこうと考える方は、可動式のハンドグリッパーの購入がおすすめです。

5-2. チューブ前腕トレーニング

チューブを使ったトレーニングも、前腕を鍛えるときには外せません。収納場所にも困りませんので、1本家にあると便利な道具です。

  1. )チューブを用意し、真っすぐに立って両手でチューブの先端を持つ
  2. 両足でチューブの真ん中を踏んで抑え、手の甲が上になるようにチューブを持つ
  3. 肘を曲げ、チューブを上へ引き上げていく
  4. 限界までチューブを引き上げたら、ゆっくりと下ろして元の体勢に戻る
  5. 3と4を20回繰り返す
  6. 全部で3セット行う

注意点は、腕全体を動かさずに肘から下を使うイメージですることです。

5-3. 古本ピンチ力トレーニング

実は、自宅にある古本も前腕筋のトレーニングに使えます。古本をつまむことでピンチ力を強化できますので、捨てる前にやってみてください。

古本を使ったトレーニングのやり方です。

  1. 本を積み重ね、親指と他の4本指で挟める厚みにする
  2. 腕を前へ伸ばし、親指と他の指4本で挟むようにして持ち上げる
  3. 持ち上げたままキープし、限界がきたら本を離す
  4. インターバルで30秒休む
  5. 残り2セット繰り返す
  6. 反対側の手も同様にする

コツとしては、本の大きさはできるだけそろえることです。腕をまっすぐ前へ伸ばし、呼吸を忘れないようにしましょう。

6. 前腕筋の筋トレに使えるその他のおすすめグッズ

ダンベルやチューブ、ハンドクリッパーなどの道具の他に、前腕筋を鍛えるときに便利に使えるグッズを紹介します。

まだ紹介していないものでおすすめなのは、以下の2つです。

  • リストローラー
  • ファットグリップ

6-1. リストローラー

シンプルな筋トレの道具で、収納場所もほとんどとらないために自宅に1つ持っておくと便利です。

構造としては、自転車の持ち手のような棒に糸がついていて、そこにおもりがくくりつけられているというものです。ハンドルを回してこのおもりを上へと巻き上げ、筋肉に刺激を送ります。

自作する方もいますが、2000円前後でしっかりしたものが購入できますので、効果を短い期間で得るためにちゃんとしたものを買うことをすすめます。

6-2. ファットグリップ

ファットグリップは、バーベルに取り付けて持ち手部分を太くするための道具です。

なぜ持ち手を太くすると前腕に効果があるかというと、持ち手が太くなればしっかりと握るために握力が必要になります。そのため、使うだけで自動的に握力が鍛えられて前腕への影響も出るのです。

これをつけてバーベル運動をすると、メインターゲットが他の筋肉であっても前腕も同じく鍛えられます。

安いものなら1500円以内で2つセットが購入できますので、他のトレーニングをしながら前腕筋にも刺激を得るために、持っておきましょう。

7. 前腕筋の筋トレは何種類やればいい?

立派な前腕を手に入れるには、1度のトレーニングで3種類を目安にします。

特にダンベルならダンベルだけ、ケーブルならケーブルだけ、自重なら自重だけと同じトレーニングを続けていると、筋肉の肥大もモチベーションも停滞してしまいます。

ならば種目数を増やせばよいかといえば、それも問題です。トレーニングの種目数が増えれば、関節に負担がたまり、神経系も披露が蓄積していくでしょう。

いくつかの種目を交互にし、適度に休むことが筋トレでは重要です。

道具を変え、トレーニングも変える、これが筋肉の慣れを防いで新しい刺激を自分に与えるコツです。

8. 握力の男女平均とギネス記録は何kg?

日本人は、45kgから50kgが成人男性の握力平均値であり、成人女性の場合は30kg程度が平均値です。

では、世界一握力が強いと認定されている人の握力はどのくらいかご存じでしょうか?

ギネス記録では、1998年にスウェーデン人の農家の男性マグナス・サミュエルソン氏が192kgを出しています。日本男性の平均45kgから考えると、けた違いな強さであることがわかります。

彼の力持ち記録は多数あるうえに現在もまだ破られていないものが多く、筋トレに関する本も出版されていますので、気になる方は調べてみてください。

まとめ:前腕筋の筋トレで男らしい前腕を手に入れよう!

まくったシャツから出る、引き締まった男らしくたくましい腕に憧れを持つ方は、前腕筋を強力に鍛えましょう。

前腕筋は幾多の筋肉の集まりですが、トレーニングで同時に鍛えられます。ここを鍛えると握力が強くなり、リンゴを素手で握りつぶすこともできるようになります。

自宅で出来る前腕筋の筋トレを紹介しましたので、ぜひ取り組んでみてください。血管の浮いたたくましい腕を作っていきましょう。

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