前腕をダンベルで鍛えるときの筋トレ種目・負荷・頻度を教えます

前腕を鍛えるのに最適な、ダンベルを使ったトレーニング。筋肉の位置や働きを理解して、ターゲットごとに種目を変えると効果的です。ここでは、ダンベルを使った筋トレ種目、さらに、筋肥大に適した負荷やトレーニングの回数、頻度などをご説明します。

1. 前腕を太くするために鍛えるべき筋肉の位置と働き

「前腕」は、腕のヒジから手首までの部分。太くてたくましい腕を作るためには、肩からヒジまでの「二の腕」だけでなく、「前腕」もバランスよく鍛えなくてはいけません。

前腕には複数の筋肉が走っていますが、前腕を太くするために鍛えるべき2つの筋肉をご紹介します。

1-1. 前腕筋群(ぜんわんきんぐん)

前腕筋群は、ヒジから指先までついている20以上もの筋肉の総称。主に「前腕屈筋群」と「前腕伸筋群」の2つに分けられます。

前腕屈筋群は、前腕の内側に位置している筋肉。手のひらを上に向けた体勢で手首を曲げたり、前へならえの体勢から手のひらを下に向ける時に力を発揮します。

手首を曲げたり手を握るなどの動きの他に、手をついて体重を支える時にも前腕屈筋群が使われます。

前腕伸筋群は、前腕の外側に位置している筋肉。手の甲を上に向けた体勢で手首を反らしたり、前へならえの体勢から手のひらを上に向ける時に力を発揮します。

手首や手の中の多くの関節にまたいでいる筋肉のため、多くの関節を伸ばす働きがあります。

1-2. 腕橈骨筋(わんとうこつきん)

腕橈骨筋は、上腕から前腕を通って手首まで伸びている筋肉。手首の関節にはまたがっていないため、手首の動きとは関係がありません。

上腕二頭筋の働きを助ける役割もあり、親指を上に向けてヒジを曲げる時や、手を内側に向かって回す時に力を発揮します。ビールジョッキを持ってヒジを曲げる時には、上腕二頭筋よりも強く力が使われます。

前腕の筋肉の中でも大きな面積を誇っている腕橈骨筋は、太くてたくましい前腕にするためにとても重要な筋肉です。鍛えていることが見た目にもわかりやすく、筋トレのモチベーションも上げられるでしょう。

2. 前腕を太くするために効果的なダンベルを使った筋トレ種目

前腕を太くするためにぜひ取り入れたいのが、ダンベルを使った筋トレ。ダンベルを使ったトレーニングには種目があり、難易度やメインターゲットとなる筋肉も異なります。

それぞれの筋トレ種目のメインターゲットやポイントを理解し、前腕を効率良く鍛えましょう。

2-1. プロネーション

ヒジの位置を固定した体勢で、体の内側方向にダンベルを倒すトレーニング。前腕屈筋群が効果的に鍛えられます。

  1. ベンチや椅子に座ってダンベルと床が垂直になるまでヒジを曲げ、ダンベルの下の部分を片手で握る
  2. ダンベルを持っている腕のヒジを、反対の手で押さえて固定する
  3. ダンベルが床と平行になるまで、体の内側に向かって手首を回す
  4. ダンベルと床が平行になったら、元の位置にゆっくりと戻す

この動作を、左右それぞれ20回を1セットとして、3セットを目安に行います。前腕屈筋群が収縮するのを意識して、ヒジの位置が動かないように、しっかりと固定するのがポイントです。ヒジが動くと、肩や二の腕の筋肉が使われてしまいます。

継続して負荷をかけるために、動作は常にゆっくりと行いましょう。前腕にダイレクトに刺激がかかるトレーニングのため、動作を早くすると、ケガをする可能性もあります。

2-2. スピネーション

ヒジの位置を固定した体勢で、体の外側方向にダンベルを倒すトレーニング。前腕伸筋群が効果的に鍛えられます。

  1. ベンチや椅子に座ってダンベルと床が垂直になるまでヒジを曲げ、ダンベルの下の部分を片手で握る
  2. ダンベルを持っている腕のヒジを、反対の手で押さえて固定する
  3. ダンベルが床と平行になるまで、体の外側に向かって手首を回す
  4. ダンベルと床が平行になったら、元の位置にゆっくりと戻す

この動作を、左右それぞれ20回を1セットとして、3セットを目安に行います。前腕伸筋群が収縮するのを意識して、ヒジの位置が動かないように、しっかりと固定するのがポイントです。ヒジが動くと、肩や二の腕の筋肉が使われてしまいます。

プロネーションと同様に、負荷をしっかりと与えるために、動作は常にゆっくりと行いましょう。ゆっくりとした動作は、ケガの回避にも繋がります。

2-3. ダンベルハンマーカール

親指が上を向くようにダンベルを握るのが特徴のトレーニング。腕橈骨筋が効果的に鍛えられます。

  1. 脚を肩幅に開いて立ち、左右それぞれの手にダンベルを持って、体に沿って下ろす
  2. ヒジと二の腕の位置を固定した体勢で、ヒジを曲げてダンベルを上げる
  3. ヒジが伸びきる直前までヒジを伸ばして、ダンベルを下げる

この動作を、20回を1セットとして、3セットを目安に行います。ヒジの位置が動かないように、しっかりと固定するのがポイントです。ヒジが動いてしまうと、腕橈骨筋に効果的に負荷がかかりません。

ダンベルを下ろした時には、ヒジが伸びきらないように注意してください。ヒジが伸びきると負荷が抜けて、筋トレの効果が軽減されてしまいます。

3. 前腕の筋肥大に適した負荷とトレーニング回数

トレーニングで筋肉を効果的に肥大させるためには、負荷やトレーニング回数の目安をしっかりと理解しておく必要があります。負荷の目安を考える上で、まずは大きさを表す単位を覚えておきましょう。

3-1. 負荷の大きさを表す単位

筋トレの負荷の大きさを表す単位には、「RM」が用いられます。RMは、「repetition maximum(リピテーション・マキシム)」の頭文字を取った言葉で、「最大反復回数」と訳されます。

「1RM」であれば、1回しか上げることができない重さを示します。

3-2. 前腕の筋肥大に適した負荷とトレーニング回数の目安

前腕を鍛えるのに最適な負荷の大きさは「1RMの65%」、回数は「3セット」が目安となります。

ダンベルを用いた前腕を鍛える筋トレは、20回前後が1セット。20回程度をこなせる重量が「1RMの65%」に相当すると言われています。どのくらいの重量が適しているのか判断できない場合は、回数から逆算して重量を調整してみましょう。

一般的には、「1RMの65%」〜「1RMの85%」の負荷で「3セット」以上こなすのが、筋肥大に適していると言われています。前腕の筋トレは、「1RMの65%」が目安ですから、低い負荷が適していることになります。

3-3. 前腕の筋肥大に低負荷が適している理由

低い負荷が前腕の筋トレに適している理由は、前腕の筋肉は遅繊維の割合が高く、体積の小さな筋肉が多いからです。

筋繊維は主に、パワーが大きいが持久力に欠ける「速筋繊維」と、パワーは小さいが持久力に優れている「遅筋繊維」の2つに分けられます。前腕は遅筋繊維の割合が高いため、小さな負荷で回数を重ねるトレーニングが適しているのです。

それに、体積の小さな筋肉は、大きな負荷を与えると、必要以上に損傷される恐れがあります。適度に損傷させるためには、低い負荷でのトレーニングが効果的なのです。

4. 前腕の筋肥大に適したトレーニングの頻度

前腕の筋トレは、2日に1度の頻度で行うのが効果的です。

筋肉は、構成されている筋繊維が損傷し、修復する過程を経ることで太くなり、筋肉が肥大化します。前腕の筋繊維が修復するためには48時間かかるとされています。筋肉を肥大化させるために、しっかりと休ませてあげましょう。

5. まとめ

ダンベルは、前腕を太くするために効果的なトレーニング。「前腕筋群(前腕屈筋群・前腕伸筋群)」と「腕橈骨筋」が鍛えるべき筋肉です。それぞれ働きが違うため、筋肉ごとにトレーニング種目を変えて鍛え上げましょう。

トレーニング中は、ターゲットとなる筋肉が収縮するのを意識して、ヒジを動かさずに固定して行うのがポイントです。負荷は「1RMの65%」、回数は「3セット」以上、 「2日に1度」の頻度で行うのが筋肥大に適しています。

自宅でも気軽にできるダンベルを使った筋トレで、太くてたくましい前腕を手に入れましょう。

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