男らしく握力もある腕を手に入れるための前腕筋の鍛え方を徹底解説。器具無しのトレーニング方法から、ハンドグリップやダンベルなどを使ったトレーニング方法までわかりやすく説明しています。太くて握力もある男らしい腕を作り上げたい男性におすすめです。
「ギュッと拳を握ったときに、血管が浮き上がる男らしい腕」や「リンゴも握りつぶすぐらいの握力がある太くて力強い腕」。そんなカッコいい腕にあこがれる男性は多いのではないでしょうか。このような、逞しさあふれる腕を手にいれるには、「前腕筋」を、鍛えないといけません。
ここでは、前腕筋の鍛え方を徹底解説していきます。特別難しいことはありませんので、「腕を鍛えて男らしい腕を手に入れたい!」と思う男性はぜひ参考にしてください。
1. 前腕筋とはどんな筋肉か?
「前腕筋」は、肘から手にかけてほうきのように走っている筋肉群で、手の方のほとんどの筋肉は指の骨に繋がり、腕から手を複雑かつ繊細な動きを可能にしています。
前腕筋は19の筋肉により構成され、腕の手のひら側の「前腕屈筋群」と反対側の「前腕伸筋群」に大きく分けることができます。
前腕屈筋群は、手を内側に回すときに働く「円回内筋」や、手首を曲げるときに働く「長掌筋」などの8の筋肉で構成されています。
前腕伸筋群は、手首を伸ばすときに働く「尺側手根伸筋」や、手指を伸ばすときに働く「指伸筋」などの11の筋肉で構成されています。
前腕屈筋群は、手を曲げるときや指を曲げるとき、手を内側に回すときなどに働きます。反対に前腕伸筋群は、手を伸ばすときや指を伸ばすとき、手を外側に回すときなどに働きます。
2. 前腕筋と握力の関係
主に、手で物を強く握る時の力である「握力」は、前腕筋の複雑な働きによっておきます。握力は、野球やテニスなどのスポーツや筋トレにも大事になるときがあります。スポーツや筋トレのパフォーマンスを上げるために、もっと握力が欲しい場合は、前腕筋を鍛えないといけません。
3. 握力には3つの力がある
前腕筋が働く事によっておこる「握力」ですが、握力には大きく分けて以下の3つの力があります。3つのそれぞれがどのように働くか説明いたします。
- クラッシュ力
- ホールド力
- ピンチ力
「クラッシュ力」は、物を強く握りしめるときの力です。一般的に私たちが握力と思っているのがこの力になります。握力を鍛える場合はこの力を鍛えます。
「ホールド力」は、握った物をそのまま離さないときに働く力です。握りしめるのではなく、そのまま握った状態を維持します。
「ピンチ力」は、物をつまむときの力です。お菓子の袋を開けたり、破ったりするときに働きます。ペットボトルのキャップや蛇口をひねるときにも働きます。
握力と言えば「ぎゅっと握りしめる力」だけだと思いがちかもしれませんが、日常生活の中では、さまざまな使い方がされています。
4. 前腕筋を鍛えるとこんなメリットがある
筋トレではあまりターゲットにされない前腕筋ですが、前腕筋を鍛えていくとさまざまなメリットが出てきます。前腕筋を鍛えるトレーニングでは、地味なものが多いのであまりモチベーションが上がらないかもしれませんが、ここで上げるメリットを知ればモチベーションも上がるでしょう。
4-1. 引き締まった男らしい腕になる
前腕筋を鍛えると、腕が引き締まっていき筋肉も付いてきます。
腕は、胸やお腹と違い、日常のシーンに自然に他人の目に止まります。特に春から秋にかけては、シャツの袖をまくることや、半袖シャツを着て、腕を出すことも多いでしょう。
そんな時に引き締まって鍛えられた腕を見せたら、きっと女性からは好印象を持たれ、男性からは羨ましがられることでしょう。
4-2. 握力が強まる
前腕筋を鍛えると、単に見た目が男らしい腕になるだけでなく、握力の強い腕を作り上げることができます。握力が強くなっても普段の生活の中ではあまり活躍できるシーンは少ないかもしれませんが、スポーツで役立つことが多い場合もあります。
4-3. スポーツの技術が上がる
前腕筋を鍛えると握力が強くなります。握力は、野球でボールを投げたり掴んだり、バットを振るときや、テニスのラケットをスイングするときなどにも重要な役割を持ちます。
また、球技だけでなく柔道やクライミングなどのように握力が必要な時には前腕筋が働きますので、前腕筋を鍛えることにより、スポーツのスキルUPにもつながっていきます。
4-4. 筋トレで高重量も扱いやすくなる
前腕筋を鍛えると手首や腕も強くなっていくので、ダンベルやトレーニングマシンで高重量を扱いやすくなっていきます。
高重量のダンベルなどを使ってトレーニングをしていけば、次第に腕や手首も鍛えられていきますが、無理をすると、怪我をする可能性も出てきます。
前腕筋をトレーニングメニューにいれて普段から鍛えておけば、このような怪我を事前に防げ、高重量も扱いやすくなるでしょう。
5. 前腕筋の鍛え方【器具無し】
まずは、器具を使わずに自宅で出来るトレーニング方法をご紹介します。どれも簡単に始められるものばかりなので、ぜひトライしてみて下さい。
5-1. グーパー運動
「グーパー運動」は、文字通り手をグーパー(閉じて開く)トレーニングです。学生時代の時に体育の時間やスポーツ系の部活で経験があるかもしれません。シンプルなトレーニングですが、しっかり行うと前腕筋に効きます。まずは無理のない回数をこなしてみましょう。
グーパー運動のやり方
- 両手を前に出して、手のひらを下にして肩の高さまで上げる。
- 手のひらを下に向けた状態で、手を閉じ開きます。
- 2を10回~20回行う。
- 3を1セットとし、3セット行う。
グーパー運動の注意点は
- 腕は、床に対して水平にしておく
- 前腕筋にしっかり力を入れる。
- 無理のない回数まで行う。
5-2. 指ハイタッチ
「指ハイタッチ」は、それぞれの指先でつまむ動作を行うトレーニングで、ピンチ力が鍛えられます。通勤中や、仕事中でも場所を問わずにいつでも気軽に行えます。
指ハイタッチのやり方
- 手を開いた状態にします。
- 親指と人差し指をくっつけます。
- 1の状態に戻します。
- 親指と中指をくっつけます。
- 1の状態に戻します。
- 親指と薬指をくっつけます。
- 1の状態に戻します。
- 親指と小指をくっつけます。
- 1の状態に戻します。
- 1~9までを逆順で行います。
- 1~10を5分から10分行います。
- 11を1セットとし、2セット行う。
指ハイタッチの注意点は
- 指はしっかりくっつける。
- ゆっくりと丁寧に行う。
- 前腕筋を意識する。
5-3. ぶら下がり法
「ぶら下がり法」は、公園の鉄棒や、うんていなどのように、何でもぶら下がれるものにひたすらぶら下がるトレーニングです。家の中の鴨居やタンスの縁などでも出来るかもしれませんが、安全を確認しながら行ってみて下さい。
ぶら下がり法のやり方
- ぶら下がれる場所に指を引っ掛けます。
- 指に体重をかけ限界が来るまでぶら下がります。
- 限界になったら指を離します。
- 1~3を1セットとし、3セット行う。
- 背筋を伸ばしてぶら下がる。
- 頭を下げない。
- 確実にぶら下がれるもので行う。
5-4. 指立て伏せ
「指立て伏せ」は、指だけで行う腕立て伏せです。指を鍛えながら腕や胸の筋肉も鍛えることができますが、指にかなりの負荷がかかるので、無理をせずに行いましょう。難しい場合は、膝をついて行ってみて下さい。
また、指立て伏せのフォームをキープするだけでも効果はあります。
指立て伏せのやり方
- 腕立て伏せの状態を作ります。
- 左右のどちらかの指をすべて立て、次にもう片方の指も同じように立てます。
- 息を吐きながらゆっくりと腕を曲げていき90度まで曲げます。
- 息を吸いながらゆっくりと肘を伸ばし元に戻します。
- 3と4を5回行う。
- 5を1セットし、2セット行う。
指立て伏せの注意点は
- 指先ではなく指の腹をつけて行う。
- 顔を下げない。
- 無理はしない。出来ない時には膝をついてみる。
6. 前腕筋の鍛え方【器具】
ここでは、器具を使用した前腕筋を鍛える方法をご紹介します。どれも手軽な器具ですので、ぜひチャレンジしてみて下さい。
6-1. ハンドグリップ
「ハンドグリップ」は、握力を鍛える器具としてよく知られている器具です。使い方も、ハンドグリップをただ握るだけなのでとても簡単です。
ハンドグリップの使い方
- ハンドグリップを持つ。
- ゆっくりとハンドグリップを握っていきます。
- 握りきったら手を広げ元に戻します。
- 2と3をできる回数まで繰り返す。
- 反対側の手も4と同様に行う。
- 4を1セットとし、左右共に3セット行う。
ハンドグリップの注意点は
- 手の開閉は素早く行わない。
- 肩を上げない。
- ハンドグリップは、握りやすく手にフィットするものを使う。
6-2. フィンガーバンド
「フィンガーバンド」は、手を握るのではなく広げながらピンチ力を鍛えることができます。リストバンドや大き目な輪ゴムなどでも代用できます。
フィンガーバンドの使い方
- フィンガーバンドを5本の指の指先に通します。
- すべての指をゆっくりと開いていきます。
- 限界まで開いたら1秒間キープします。
- 指をもとの位置に戻します。
- 2~4をできる回数まで繰り返します。
- 反対側の手も5と同様に行います。
- 5を1セットとし、左右共に3セット行う。
フィンガーバンドの注意点は
- 肩に力を入れない。
- 前腕筋を意識する。
- 無理をせずに、できる回数だけ行う。
6-3. パワーボール
「パワーボール」には、プラスチック製のボールの中にもう一つのボールが内蔵されています。内側のボールを回転させて、手首を回していくと中のボールの回転速度が上がっていきます。回転し振動するボールを握りながら、握力や前腕を鍛える器具です。
パワーボールの使い方
- パワーボールのなかのボールに紐を通し巻き付けます。
- 紐を引き、ボールを回転させます。
- 手首を回転させボールの回転数を上げていきます。
- 3を出来るとこまで行い、振動しているボールを握りキープします。
- ボールの振動が緩まったら、再度3と4を行い、限界まで繰り返します。
- 反対側の手も、3~5を行います。
パワーボールの注意点は
- 手首を速く回しすぎると、ボールの振動が激しくなり握れなくなるかもしれません。手首を回すときは、ボールの回転スピードに気を付けながら、回していきましょう。
7. 前腕の鍛え方【ダンベル】
筋トレの器具としてはポピュラーなダンベルを使ったトレーニング方法をご紹介します。器具を使わないトレーニングよりも負荷がかかるので、効率的に前腕筋を鍛えられます。
ジムや自宅でも簡単に行えますのでぜひやってみて下さい。
7-1. リストカール
「リストカール」は、手首を返す動きをさせながら、手のひら側の前腕筋を鍛えるトレーニングです。手首の強化と前腕筋を大きくさせたい時の基本的なトレーニングです。
リストカールのやり方
- 椅子に座り、ダンベルを片手に持ちます。
- ダンベルを手のひらが上を向くように持ち、前腕を太腿の上に置き固定します。
- 前腕は動かさずに、手首を丸めるように上げます。
- 上げきったら元の位置に戻します。
- 3と4を10回~15回行う。
- 反対側の手も5と同様に行う。
- 5を1セットとし、左右共に3セット行う。
リストカールの注意点は
- 前腕は動かないように固定する。
- ダンベルは手に乗せるようにし、軽く握る。
- ゆっくりと行う。
7-2. リバースリストカール
「リバースリストカール」は、リストカールと反対の方向に手首を動かし、手の甲側の前腕筋を鍛えるトレーニングです。
リバースリストカールのやり方
- ダンベルを手の甲が上を向くように持ち、前腕を太腿の上かベンチに置きます。
- 前腕が動かないように手首を上げます。
- 上げきったら元の位置に戻します。
- 2と3を10回~15回行う。
- 反対側の手も4と同様に行う。
- 4を1セットとし、左右共に3セット行う。
リバースリストカールの注意点は
- 前腕は動かないように固定する。
- 手首だけを動かし手の甲側の筋肉を意識する。
- ゆっくりと行う。
7-3. ラジアルフレクション
「ラジアルフレクション」は、ダンベルの端を握り、手首だけでダンベルを上げるトレーニングで、前腕の親指側の筋肉を鍛えることができます。
あまり重い重量を使うと手首を痛めるので無理のない重量を使いましょう。
ラジアルフレクションのやり方
- 片方の手にダンベルを持ち立ちます。
- 手は肘を伸ばし下におろします。
- ダンベルの端を握り、手首だけで上げます。
- 上げきったら元の位置に戻します。
- 3と4を10~15回行う。
- 反対側の手も5と同様に行う。
- 5を1セットとし、左右共に3セット行う。
ラジアルフレクションの注意点は
- ダンベルを下ろすときはゆっくり下ろす。
- 肩を上げない。
- 握りやすい重量のダンベルを使う。
7-4. ダンベルハンマーカール
「ダンベルハンマーカール」は、金槌を持つようにダンベルを縦に構えて、肘を曲げながらダンベルを上げ下げするトレーニングです。主に「上腕二頭筋(力こぶ)」を鍛えるトレーニングですが、前腕の親指側の筋肉も鍛えることができます。
ダンベルハンマーカールのやり方
- ダンベルを両手に持ち立ち、足は肩幅に開きます。
- ダンベルは、親指が正面を向くように構えます。
- 片方のダンベルをゆっくりと体の方へ上げ上腕二頭筋を収縮させます。
- 上げきったらダンベルをゆっくりと元に戻します。
- 反対側も同様に行います。
- 3~5を10回行う。
- 6を1セットとし、3セット行う。
ダンベルハンマーカールの注意点は
- ダンベルを動かすときは肘が動かないようにする。
- ダンベルを戻すときはゆっくりと戻す。
- 上腕二頭筋を意識する。
7-5. スピネーション
「スピネーション」はダンベルを縦に持ち手首を内側に回転させて、前腕筋の「円回内筋」を鍛えることができます。手首を痛めないように軽めの重量を使いましょう。
スピネーションのやり方
- ダンベルの端を握り、手のひらが上になるように構えます。
- 前腕を太腿の上かベンチに置きます。
- 手首を内側に回しながらダンベルを起こしていきます。
- ダンベルが、床に対し垂直になったらゆっくりと元の位置に戻します。
- 3と4を10回~15回行う。
- 反対側の手も5と同様に行う。
- 5を1セットとし、左右共に3セット行う。
スピネーションの注意点は
- 前腕は動かないように固定する。
- 下ろすときはゆっくりと行う。
- 手首を痛めない重量を使う。
7-6. プロネーション
「プロネーション」は、スピネーションと反対の動きをして、前腕筋の「回外筋」を鍛えるトレーニングです。スピネーションと同様に軽めの重量を使いましょう。
プロネーションのやり方
- ダンベルの端を握り、手の甲が上になるように構えます
- 前腕を太腿の上かベンチに置きます。
- 手首を外側に回しながらダンベルを上げていきます。
- 床に対し垂直になったら、ゆっくりと元の位置に戻します。
- 3と4を10回~15回行う。
- 反対側の手も5)と同様に行う。
- 5を1セットとし、左右共に3セット行う。
プロネーションの注意点は
- 前腕は動かないように固定する。
- 下ろすときはゆっくりと行う。
- 手首を痛めない重量を使う。
8. 前腕筋のストレッチ
前腕筋は手や手首を複雑に動かす繊細な筋肉です。上腕筋の様に大きな筋肉でもありませんので、トレーニングの前後にはしっかりとストレッチを行い、怪我を防ぎ効果のあるトレーニングができるようにしていきましょう。
8-1. グーパーストレッチ
「グーパーストレッチ」は、どこでも簡単にできるストレッチ方法です。「グーパー運動」とは違い、力を入れないように行うのがポイントです。指を丁寧に折り込んでいくことをイメージしてやってみましょう。
グーパーストレッチのやり方
- 両手を前に出して、手のひらを大きく広げる。
- ゆっくりと、指の関節を折りたたんでいく。
- 握った状態を1秒間キープ。
- 両手をゆっくりと広げます。
- 1~4を10回行う。
- 5を1セットとし、3セット行う。
グーパーストレッチの注意点は
- 指の関節を一つ一つ折りたたんでいくように意識する。
- 折りたたむ時に手に力を入れすぎない。
- ゆっくりと丁寧に行う。
8-2. 前腕屈筋群のストレッチ
手のひら側の前腕筋である、「前腕屈筋群」のストレッチ方法です。引っ張りすぎないように気を付けましょう。
前腕屈筋群のストレッチのやり方
- 手のひらを上に向け、腕を前に伸ばします。
- 反対側の手で、人差し指から小指までを握ります。
- ゆっくりと自分の方に握った手を引きストレッチさせます。
- 3を10~15秒キープします。
- 反対側の手も、1~4と同様に行う。
- 4を1セットとし、左右共に3セット行う。
前腕屈筋群のストレッチの注意点
- 手を引くときはゆっくり引く。
- 手は引っ張りすぎないこと。
- ゆっくりと呼吸をする。
8-3. 前腕伸筋群のストレッチ
手の甲側の前腕筋である、「前腕伸筋群」のストレッチ方法です。引っ張りすぎると手首を痛めるので、やさしくストレッチしていきましょう。
前腕伸筋群のストレッチのやり方
- 手の甲を上に向け、腕を前に伸ばします。
- 反対側の手で、手の甲を握ります。
- ゆっくりと自分の方に握った手を引きストレッチさせます。
- 3を10~15秒キープします。
- 反対側の手も、1~4と同様に行う。
- 4を1セットとし、左右共に3セット行う。
前腕伸筋群のストレッチの注意点
- 手を引くときはゆっくり引く。
- 手は引っ張りすぎないこと。
- ゆっくりと呼吸をする。
9. 前腕筋を鍛え男らしい腕を手に入れよう!
今回は、前腕筋を鍛えて男らしく太くたくましい腕を得るためのトレーニング方法と、前腕筋と握力の関係についてご紹介致しました。
普段から使っている前腕筋は、スポーツジムに行かなくても手ごろな器具を使い自宅で手軽にトレーニングできます。今回ご紹介させていただいた中から出来ることに取り組んでみて、男らしくカッコいい腕を手に入れて下さい。
【合わせて読みたい筋トレ方法】