尺側手根伸筋の効果的なトレーニングで鍛え抜かれた前腕になろう

前腕を形成する筋肉の一つの尺側手根伸筋。手首の関節が重要となるスポーツを行う上でとても重要です。ここでは、尺側手根伸筋の位置や役割、鍛えるメリットについてご説明します。さらに、尺側手根伸筋が鍛えられる効果的なトレーニングについても解説します。

1. 尺側手根伸筋(しゃくそくしゅこんしんきん)とは?

尺側手根伸筋は、手首の動きが重要となるスポーツを行う時に力を発揮する筋肉。柔道や空手などの武道では、尺側手根伸筋が鍛えられているかどうかで、勝負が左右されます。

効果的に鍛えるためには、鍛えるべき筋肉の基礎知識を、しっかりと理解しておく必要があります。

トレーニングを行う前に、尺側手根伸筋はどこにあるのか、尺側手根伸筋の役割や鍛えるメリットなどを確認しておきましょう。

1-1. 尺側手根伸筋はどこにあるの?

尺側手根伸筋は、人間の前腕部位を形成している筋肉。前腕部位というのは、30種類近くもの筋肉から形成されています。回外筋、腕橈骨筋、浅指屈筋などと同様に存在していますが、ほとんどの筋肉の名称は知られていません。

尺側手根伸筋は、手の甲を上に向けた時の、前腕上部の外側に位置しています。手を上にあげた時に、ヒジの近くで盛り上がるのが確認できるため、わかりやすい筋肉でもあります。

正しく使われているかどうかが、トレーニング中に確認できるため、効果が現れやすいでしょう。

1-2. 尺側手根伸筋の役割とは?

尺側手根伸筋は、手首が下がっている状態から、上に反らせる動作をサポートするのが主な役割です。その他、尺側手根屈筋と協力して、手の甲を上にした状態で小指側に動かすという役割もあります

手首関節を上に反らせるという、大きな役割を担っている尺側手根伸筋は、筋肉に異常が現れると、動きが困難になるでしょう。手首の関節は、スポーツだけでなく、日常生活の中でも欠かせない部位です。

スポーツのパフォーマンスの低下はもちろん、日常生活にも支障が出てしまうでしょう。

1-3. 尺側手根伸筋を鍛えるメリットとは?

手首関節を上に反らせる役割がある尺側手根伸筋は、強靭な手首関節を作るための重要な部位です。柔道や空手などの武道では、手首を返すなどの手首関節の強さが勝負を左右する、と言っても過言ではありません。

卓球のカットの動作など、手首のスナップが必要となるスポーツのパフォーマンスも上がるでしょう。

さらに、バーベルやダンベルを使ったトレーニングでも、尺側手根伸筋が多く使われます。鍛えれば、効率の良いトレーニングが行えますし、筋トレ効果のアップも期待できるでしょう。

2. 尺側手根伸筋を鍛えられるトレーニングメニュー

尺側手根伸筋を鍛えるトレーニングには、チューブやダンベルを使ったメニューがあります。自宅でも気軽にできるので、すぐにでも実践ができるでしょう。

それぞれ、正しいフォームを把握して、筋肉に負荷がかかっていることを意識しながら取り組みましょう。

2-1. 尺側手根伸筋の鍛え方1. チューブリストプーリング

チューブを使ったトレーニング。肩甲下筋を鍛える筋トレの「インターナルローテーション」と動作が似ています。尺側手根伸筋を鍛えるために、主に手首を動作させる方法です。

正しいフォームを身につけて、尺側手根伸筋が収縮していることを常に意識しながら行いましょう。

  1. 安定した場所に、ヒジの高さでチューブの片方を結びつけて横に立つ
  2. チューブを結んだ側とは反対側の手で、前腕が床と並行になるようにしてチューブを掴む
  3. チューブを持った手を反らせて、チューブを引っ張る
  4. 限界まで引っ張ったら、3秒間キープする
  5. ゆっくりと元の位置に戻す

この動作を、左右それぞれ10回を1セットとして、2セットを目安に行います。セットの合間のインターバルは、30秒おきましょう。

上腕を体に密着させてヒジをしっかりと固定させ、手首以外は動かさないのがポイントです。手首以外が動いてしまうと、負荷が抜けてしまいます。息を止めずに、常に安定した呼吸で行いましょう。

チューブの高さは、ヒジの高さと同じ位置に固定しましょう。背筋をしっかりと伸ばして直立し、手首は真横に動かすことも大切です。動きを早くすると手首を痛めてしまう可能性があるため、全ての動作をゆっくりと行ってください。

2-2. 尺側手根伸筋の鍛え方2. リバースダンベルリストカール

ダンベルを使ったトレーニング。手首を反らせるだけでなく、屈曲する動きも行うことで、尺側手根伸筋がより効果的に鍛えられます。

  1. ダンベルを両手に持つ
  2. 直立して、ダンベルを持った手を、太ももの前の位置に下げる
  3. 手を屈曲させて、素早くダンベルを持ち上げる
  4. ゆっくりと元の位置に戻す

この動作を、10回を1セットとして3セットを目安に行います。セットの合間のインターバルは、1分間おきましょう。ウエイトがかかるトレーニングのため、インターバルは長めに取ることをおすすめします。

ダンベルを上げる時には素早く、下ろす時にはゆっくりと行うのがポイントです。尺側手根伸筋に強い負荷が継続してかかり、高いトレーニング効果が期待できるでしょう。

背筋を伸ばして常に前を向き、親指と人差し指をメインに持ち上げることも意識してください。呼吸は安定させて行いましょう。慣れてきたら、手首をカールさせて、尺側手根伸筋をストレッチさせる動きも加えてみましょう。

2-3. 尺側手根伸筋の鍛え方3. アルナーフレクション

リバースダンベルリストカールと同じように、ダンベルを使ったトレーニング。ダンベルの片側のプレートを外して取り組む種目です。可変式のダンベルを持っている人は、ぜひ挑戦してみましょう。

  1. ダンベルの片側のプレートを外し、プレートがついている方が小指側に来るように持つ
  2. 直立して、腕を体に沿わせるようにしてぶら下げる
  3. 手首を小指側に曲げて、ダンベルを持ち上げる
  4. 限界まで持ち上げたら、ゆっくりとダンベルを下ろして元の位置に戻す

この動作を、左右それぞれ10回を1セットとして、3セットを目安に行います。セットの合間のインターバルは、1分間おきましょう。リバースダンベルリストカールと同様に、ウエイトがかかるトレーニングのため、インターバルは長めに取ることをおすすめします。

手首が左右に振られないように、常に意識して行うのがポイントです。手首が外側に開いてしまうと、関節に余計な負担がかかり、炎症を引き起こす可能性があります。

ダンベルを持ち上げる時には、肩が上がらないように、手首だけを動かすことに集中しましょう。

背筋を伸ばして直立し安定した呼吸で、全ての動きはゆっくりと行ってください。動作を早くすると、尺側手根伸筋に十分な負荷がかかりません。それに、筋肉を痛めてしまう可能性があります。

トレーニングは、正しいフォームで行わなければ、効果は期待できません、故障を回避するためにも、鏡を見て確認しながら、常にフォームを意識して取り組むことをおすすめします。

3. まとめ

尺側手根伸筋は、前腕を形成している筋肉の一つ。あまり名前が知られていませんが、スポーツや日常生活に大きく関与している、重要な筋肉です。

手首の関節を上に反らせる役割があり、鍛えれば、強靭な手首関節が手に入るでしょう。手首関節の強さが重要となる武道などのスポーツおいては、勝負の勝敗にも繋がります。

また、バーベルやダンベルを使った筋トレ種目でも多く使われる部位のため、トレーニング効果の向上も期待できます。

尺側手根伸筋は、使われているのがわかりやすい筋肉です。トレーニング中は、使われていることを常に意識しましょう。効果も現れやすいため、筋トレのモチベ〜ションのアップにも繋がります。

尺側手根伸筋を鍛えるトレーニングは、自宅でも気軽取り組めます。正しいフォームを身につけて、理想的なたくましい前腕を手に入れましょう。

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