年齢を経るにつれ、どうにもお尻が垂れてきた…そんな悩みを持っている男女は多くいます。
ずっしりと重くなったお尻は垂れ、人によっては太ももに肉が流れてお尻と太ももの境目が分からなくなることもあります。
すらりとした脚、きゅっと引き締まったお尻を手に入れるには、お尻の筋肉にトレーニングで刺激を与えるしかありません。
そこでおすすめなのが、お尻の筋肉にダイレクトに刺激を与えるトレーニング、ヒップスラストです。
ここではヒップスラストとはどんな筋トレでどんな筋肉を使うのか、その効果や正しいやり方に注意点などを紹介していきます。
1. ヒップスラストで引き締まったお尻を手に入れよう!
ヒップスラストとは、お尻の筋肉を集中的に鍛えられるトレーニングで、欧米でとても人気があります。
ヒップ(お尻)をスラスト(突き出す)というトレーニング名のとおり、お尻の力だけでバーベルなどのおもりを持ち上げていきます。
下半身を鍛えるトレーニングではランジやスクワットも人気ですが、それらはどちらかといえば太ももが優勢になりがちです。
お尻を集中的に鍛えられるヒップスラストで、きゅっと引き締まった美尻を手に入れてください。
また、ヒップスラストは女性だけでなく男性にもおすすめの筋トレです。下半身をしっかりと鍛えることで全身のバランスがよくなり底力が得られるからですが、たくましい下半身に憧れをもつ男性には、必須の筋トレです。
張り切ってトレーニングをしていきましょう。
1-1. ヒップスラストで鍛えられる筋肉
まずは、ヒップスラストをすればどの筋肉が鍛えられるかから紹介します。
ずばり、お尻の筋肉・大臀筋(だいでんきん)です。大臀筋は単一の筋肉としては人間の体の中で最大のもので、お尻の表面を覆い、股関節を伸展する役割があります。
姿勢の保持にも関係していますので、大臀筋を鍛えれば正しい姿勢を保つための力も得られるでしょう。
1-2. ヒップスラストの効果2つ
では、ヒップスラストをして大臀筋を鍛えると、どのような効果があるでしょうか。
大きな効果としては、以下の2つがあげられます。
- ヒップアップ
- 基礎代謝の向上
大臀筋はお尻の表面の筋肉です。ヒップの丸みを作っていますので、ここを鍛えればお尻がきゅっと引き締まって持ちあがります。
扱う重量によっては欧米人のようなボリュームがあるお尻を作れますし、アジア人に人気の引き締まった小尻を作ることもできます。
いずれにせよお尻が高い位置で丸くなりますので、人からみて美しい後ろ姿になるのです。
そして、大きな筋肉を鍛えますので、基礎代謝の向上も期待できます。
脂肪燃焼力を上げるには基礎代謝をアップさせる必要がありますが、最も簡単な方法は筋トレをしてカロリーを効率よく消費することです。
基礎代謝が向上すれば、痩せやすい体になります。運動をすればちゃんと脂肪が燃焼されるようになりますので、年中ダイエットに励んでいる方などは、食事制限よりも筋トレをして体の内側から変えていきましょう。
1-3. ヒップスラストの正しいやり方
では、ヒップスラストの正しいやり方を紹介します。ここでは基本としてバーベルをおもしに使いますが、ダンベルなどでも可能です。
ジムに行っていない、もしくは行く時間がないという方は、ダンベルなどを使って自宅でトレーニングしてください。
- ベンチなどに背中をもたれかけ、体育座りをする
- おなかの上、足の付け根あたりにバーベルをのせる
- お尻の筋肉を意識しながら、腰を上げてバーベルを持ち上げる
- 上がりきったところで1秒キープ
- ゆっくりと腰を下ろしていき、お尻が床につく前ギリギリで止める
- 以上を10回×3セット繰り返す
1-4. ヒップスラストの注意点
ヒップスラストの注意点は、以下の4つです。
- 腰が地面と平行になるようにして反らさない
- 動きはできるだけゆっくりと行う
- タオルなどを使って痛みを軽減する
- かかとは床につけたままで行う
お尻を持ち上げる際に、腰や背中が反ってはいけません。腰は地面と平行になるようにします。腰を反らすと腰痛の原因にもなりますので、反らせないようにしてください。
また、動きはゆっくりと行います。負荷がかかって疲れるために素早く動かそうとしてしまうのですが、ゆっくり動くことが筋肉に刺激を与えるコツです。
バーベルやダンベルを股関節の上あたりにのせるとき、重量が重ければ痛みを感じることがあります。その場合には、タオルなどでダンベルやバーベルを巻いてください。
トレーニングの間は、かかとは常に床につけたままです。お尻を上げようとするあまりにかかとまで浮かしてしまうことがないように、気を付けましょう。
1-5. 重量設定の目安
初心者で初めてヒップスラストを行うという場合は、まず何もおもりはつけず、自分の体重だけでやってみてください。正しいフォームで行えるようになってから、10kgのバーベルからトライしましょう。
大臀筋は大きな筋肉ですから、女性でもパワーが強く高い重量を扱えます。上級者は100kg以上のバーベルでも大丈夫なほどですが、まずは10kgから開始し、自分が10回×3セットができる重さを探してみてください。
楽ではないけれど3セットは続けられる、という程度の重さがベストです。
2. ヒップスラストの効果を高めるポイント
せっかくトレーニングするのですから、効果を高めていきましょう。ヒップスラストの効果を高めるポイントは、以下の3つです。
- お尻の力だけを使いトップポジションで引き締める
- 膝を開きすぎないで行う
- バーベルなどのおもしは股関節上に置く
2-1.お尻の力だけを使いトップポジションで引き締める
お尻を上げるだけであれば、大臀筋を使わずともできてしまいます。そのため、大臀筋に刺激を送っていることをトレーニング中にしっかりと実感しなくてはなりません。
バーベルを持ち上げるのは、足などの力を使わずにお尻の力だけでやります。持ち上げたときにお尻にぎゅっと力をいれ、大臀筋に刺激を送ってください。
2-2. 膝を開きすぎないで行う
バーベルを持ち上げようとしたとき、力を入れようとして膝が開いてしまうことがあります。しかし膝が腰幅より開いてしまえば、お尻ではなく脚の筋肉に刺激がいきます。
スタートする前に膝は肩幅に開き、バーベルを持ち上げだしたら膝の角度は90度にする、がヒップスラストの効果を出すコツです。
特に疲れが出だすと自然と膝が空いてしまいますので、疲れてきたなと思ったらフォームに気を付け、膝が開いていないか確認してください。
2-3. バーベルなどのおもしは股関節上に置く
バーベルは股関節の位置におきます。スタートする前に、太ももから転がす感覚で移動させると簡単です。
負荷を強めるために重量を高くするのであれば、骨盤にバーベルなどが当たって痛みが出ます。そのときにはタオルなどを置くか、バーベルに巻いておきましょう。
3. 自宅でできるヒップスラストのやり方
基本的に、ヒップスラストはバーベルを負荷に使います。しかしバーベルを使おうと思えばジムなどに行く必要があり、時間とお金が必要になります。
負荷は、バーベルでなければならないことはありません。ここでは自宅でもトライできる、ヒップスラストのやり方を紹介していきます。
自宅でもトレーニングが可能なのは、以下の3つの方法です。
- 自分の体重を使うヒップスラスト
- ダンベルを使うヒップスラスト
- バランスボールを使うヒップスラスト
3-1. 自分の体重を使うヒップスラスト
台さえ用意すればいつでも自宅でできるのが、自分の体重を使うヒップスラストです。特に初心者にはおすすめの方法ですから、ヒップスラストが未経験という方は、まず自重のヒップスラストから始めてください。
- イスや台を用意し、その前に体育座りをする
- 両肩は台の上にのせるようにもたれ、膝は腰幅にひらける
- 両手を胸の前でクロスさせ、お尻をゆっくりとあげていく
- 膝が90度になるくらいまでお尻を上げたら、そのまま2秒キープ
- お尻が床につく直前まで下げ、またお尻を上げる動きを繰り返す
自分の体重を使ったヒップスラストは負荷が低いため、バーベルを使ったものよりも回数を多めに設定しましょう。
1セット20回で、3セットを目指します。負荷が低いので、フォームがしっかりできているかを確認しながらやってください。
3-2. ダンベルを使うヒップスラスト
ダンベルは100円ショップでも手に入れられるため、誰でも気軽に筋トレに使えるツールです。
バーベルをダンベルに変えれば自宅でもヒップスラストが可能です。自分の体重よりも負荷をかけることができるので、ジムになかなか行けないという方はダンベルでトレーニングをしましょう。
- 台の前に座り、腰幅に足を開いて背中は台にもたれかかる
- ダンベルを両手に1つずつ持ち、股関節の上あたりにのせる
- ゆっくりとお尻を上げていく
- 膝が90度くらいになるまでお尻を上げたら、そのまま2秒キープ
- ゆっくりとお尻を下げていき、床につく直前で止める
- 以上の動作を10回×3セット繰り返す
注意点はバーベルを使ったヒップスラストのときと同じです。腰は反らない、かかとは床につけたままで繰り返しましょう。
3-3. バランスボールを使うヒップスラスト
自宅にバランスボールがある方は、ベンチやイスの代わりに上半身をバランスボールにのせて行う方法もあります。
ベンチやイスよりもバランスがとりにくくなるため、大臀筋と同時に体幹も鍛えられます。
- バランスボールに上半身を預け、足は腰幅に開く
- 肩甲骨から首までをバランスボールにのせ、膝から肩までが一直線になるようにする
- 膝が90度の角度になっていることを確認し、お尻に力をいれる
- ゆっくりとお尻を床に近づける
- 床にはつけず、またお尻を上げていく
- 以上を10回×3セット繰り返す
バランスボールは転がりますし、バランスを取るのは難しいです。体勢が安定しなければ正しく筋肉に刺激を与えることができませんから、決して無理はしないようにしてください。
4. ヒップスラストと一緒に!お尻を鍛える筋トレ3つ
引き締まったすてきなお尻を手に入れるためには、ヒップスラストだけでなく、他の筋トレも一緒に行っていきましょう。
ここでは、ヒップスラストと一緒に行いたいおすすめの下半身筋トレのやり方を3つ紹介します。
4-1. デッドリフト
デッドリフトは背中・お尻・太ももなど体の後ろ側を鍛えるトレーニングです。重量が高いため、正しいフォームで行わないとケガをする可能性も高くなります。
最初はトレーナーなどについてもらってやってください。
- バーベルを体の前ぎりぎりに置いて(すねが当たるくらい)立つ
- 足は肩幅程度にあけ、つま先は前に向ける
- 背中は丸めずに伸ばしたままで膝を曲げてバーベルを持つ
- 膝を伸ばしてバーベルを膝まで持ち上げる
- 膝を伸ばし切った状態でバーベルを持ち2秒キープ
- 背中は伸ばしたままで、膝を曲げてバーベルを床におろす
- 8回×3セット行う
背中を丸めてしまうと、脊柱を傷めてしまったりぎっくり腰になってしまったりする可能性があります。背中は伸ばしたままで、膝の屈曲を利用してバーベルを上げましょう。
4-2. バーベルスプリットスクワット
バーベルスプリットスクワットは、足を前後に開き、バーベルを背負う形でするスクワットです。トレーニング中のバランスを取る必要があるため少々難しい筋トレですが、背中、足、お尻に大きな負荷をかけられます。
- バーベルを両手でしっかりと握り、首の後ろ側で背負う感じで持つ
- 足を前後に開き、後ろ側の足はつま先立ちをする
- バーベルを背負ったままで腰を下げ、前に出した足の太ももが床と平行になるようにする
- 腰と膝を持ち上げ、元の体勢に戻る
- 以上の動きを10回繰り返し、前と後ろの足を交代して同じことを行う
- 左右どちらも3セットずつする
コツとしては、バランスを取るのが難しくなる程度の重量に設定することです。
4-3. バーベルスクワット
バーベルスクワットは、バーベルを持ってするスクワットです。間違ったフォームですれば膝や腰への負担が増え、ケガの原因となりますので注意しましょう。
- 足を肩幅程度に開き、胸をはってバーベルを担ぐ
- 膝がつま先より前にでないように、腰を下ろしていく
- 太ももが床と平行になるまで腰をおろしたら2秒キープ
- 背中を丸めないように胸を張り、ゆっくりと腰を上げていく
腰を下ろすときには、椅子に座るような感覚でお尻を斜め後ろに突き出していきましょう。初めてバーベルスクワットをする方は、必ずトレーナーなどにフォームを確認してもらってください。
5. まとめ:お尻を引き締めよう!大臀筋をヒップスラストで鍛える
ヒップスラストのやり方や注意点、お尻を鍛えるいくつかの筋トレを紹介してきました。
ヒップスラストは基本的にはバーベルを使いますが、ダンベルや自分の体重を使ってトレーニングすることも可能です。ジムに行けなくてもトレーニングはできますので、時間をみつけてトライしてください。
継続するうちに、引き締まってきゅっと上がった魅力的なお尻が手に入ります。憧れの体形を目指して励んでいきましょう。
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