筋肉を発達させる「筋肥大」が目指せる筋トレ。筋肉の動きには「ネガティブ」と「ポジティブ」の2つがあり、ネガティブの動きを重視した筋トレが最適です。ここでは、ネガティブトレーニングの効果や方法、注意点について詳しく解説いたします。
1. 筋肉の動きには「ネガティブ」と「ポジティブ」の2つの動作がある
筋肉の動きには、ネガティブとポジティブの2つがあり、それぞれに動きが違います。筋肥大の最大化を目標とするために、それぞれの動きについて覚えておきましょう。
1-1. ネガティブの動き
ネガティブの動きは、「エキセントリック収縮」とも呼ばれている、筋肉の長さを伸ばしながら力を働かせる運動のこと。
重いものを持ち上げた時には、筋肉が収縮して腕に力こぶができ、元の位置に戻した時には、筋肉が伸びて力こぶは目立たなくなります。元の位置に戻す時、つまり、ウエイトを下ろす、戻すなどの、筋肉の長さを元の状態に伸ばす時がネガティブの動きです。
ネガティブの動きは、ポジティブの動きよりも強い力が働くため、効率良い筋肥大を期待するためには重要です。
1-2. ポジティブの動き
ポジティブの動きは、「コンセントリック収縮」とも呼ばれている、筋肉の長さを縮ませながら力を働かせる運動のこと。
重いものを持ち上げた時には、筋肉が縮んで腕に力こぶができます。力こぶができた時、つまり、ウエイトを上る。引くなどの、筋肉が集まって長さが短くなる時がポジティブの動きです。
2. ネガティブトレーニングの効果
ネガティブの動きは、ポジティブの動きよりもダメージを受けやすいため、ネガティブトレーニングを行うと効率良い筋肥大が期待できます。
筋肉は、伸ばしながら力を出す動きと、縮ませながら力を出す動きを繰り返しています。そして、筋肉の損傷、筋タンパク質の合成、損傷した筋肉の回復を繰り返すことによって筋肉が発達していきます。
筋肉は、縮む動きよりも伸ばす動きの方が2、3割も強い力が働くため、ネガティブの動きのほうが損傷しやすいのです。例えば、100kgのウエイトを上げられる人は、ウエイトを下ろす動きであれば120kg、130kgの重さを扱えることになります。
実際に、筋トレを行って筋肉痛になる場合の多くは、ネガティブの動きが原因です。
ネガティブというと、マイナスのイメージを抱いてしまうかもしれません。それに、ウエイトを持ち上げる動きのほうが筋肉の力が大きく働く、と認識している人も少なくないでしょう。
しかし、筋肉に効率良くダメージをかけられるのが、ネガティブトレーニングの最大のメリットです。ネガティブの動作を重視して時間をかけながら行えば、効率良い筋肥大が実現できるでしょう。
3. ネガティブトレーニングのコツ
ゆっくりした動きで取り組むのが、ネガティブトレーニングの基本。腕立て伏やスクワット、懸垂を行う時には、ゆっくりと身体や腰を下げていくことを忘れないでください。筋肉が伸びる時に、重力やウエイトの重さに逆らいながら、時間をかけながら力を入れるのがポイントです。
ネガティブトレーニングの効果を最大限に働かせるために、コツをしっかりと覚えておきましょう。
3-1. 負荷を加えたネガティブトレーニング
ネガティブの動きの際に、負荷をプラスして取り組みましょう。
バーベルを使ったトレーニングをする時には、バーベルを下ろす時にトレーナーやパートナーに負荷をプラスしてもらいます。ダンベルを使った筋トレであれば片手でできるため、ダンベルを下ろす時に空いた方の手で押さえつければ、補助がなくても負荷を加えられます。
マシンを使った筋トレの場合は、ネガティブの動きの時に片手や片足で行えば、負荷を高められるでしょう。
3-2. 反動を使ってウエイトを上げる
ウエイトを上げるポジティブの動きは反動を使い、ウエイトを下げるネガティブの動きは、反動をつけないでゆっくりと行いましょう。
身体の反動を使うと、重いウエイトも上げやすくなります。その分、ウエイトを下ろす時の負荷が高められ、ネガティブの動きを重視したトレーニングが行えるでしょう。
3-3. ポジティブの動きをサポートしてもらう
ポジティブの動きをサポートしてもらい、ネガティブの動きは自分の力で取り組みましょう。
バーベルを使った筋トレの場合であれば、バーベルを持ち上げる時に補助してもらいます。ネガティブな動きのバーベルを下ろす際に自力で行えば、ネガティブの動きを重視したトレーニングが行えるでしょう。
4. ネガティブトレーニングの方法
効率良くネガティブトレーニングが行える、おすすめの方法をご紹介します。
4-1. バーベルカール
ネガティブの動作のみに簡単に負荷がかけられるトレーニング。ポジティブの動きの時にパートナーに補助してもらいます。
- 座った体勢で、バーベルを逆手で持つ
- パートナーにサポートしてもらいながら、腕を曲げて肩の高さまでバーベルを持ち上げる
- 自分の力で元の位置までゆっくりとバーベルを下ろす
この動作を、10回を1セットとして、4セットを目安に行います。腕を肩幅に広げて、逆手で下から持つのがポイントです。腕の動きを意識して筋肉への負荷が逃げないようにするために、座った体勢で行うのがおすすめです。
お腹にしっかりと力を入れて、身体を反りすぎないように注意してください。身体が反ってしまうと、腰を傷める可能性があります。
4-2. ベンチプレス
身体全体の力を入れて取り組むトレーニング。ポジティブの動きの時にパートナーに補助してもらいます。
- 台の上に横になり、バーベルをラックにセットする
- パートナーにサポートしてもらいながら、両手が伸び切るまでバーベルを持ち上げる
- 自分の力で元の位置までゆっくりとバーベルを下ろす
この動作を、10回を1セットとして、5セットを目安に行います。脚やお腹に力を入れて、床を押すようにして踏ん張りながらバーベルを下ろすのがポイントです。
両脇をしめて、ヒジが外側に広がらないように注意しましょう、ヒジが外側に広がってしまうと、肩の関節を痛めてしまいます。
5. ネガティブトレーニングの注意点
筋トレの効果を高めて効果的に鍛えるために、注意点をしっかりと頭に入れておきましょう。
5-1. 時間をかけた動きで行う
ネガティブな動きは、ゆっくりと取り組むのが基本です。ネガティブの動きを意識しながら、5秒くらいを目安にして時間をかけて行いましょう。
5-2. 徐々にウエイトを加重する
いつもより1割重いくらいの重量から始めて、徐々にウエイトを高めていきましょう。ネガティブの動きは強い力が働きますが、いきなり高い重量のウエイトで取り組むのは危険です。ケガを回避するためにも、徐々にウエイトを上げていくのが理想的です。
5-3. 休養をしっかり取る
筋肉にかかる負荷が高いため、十分な休養を取りながら行いましょう。筋肉を肥大化させるためには、筋肉のダメージを回復させる休養も大切です。筋肉痛が治るまでは、他の部位を鍛えるための筋トレに取り組むことをおすすめします。
ネガティブトレーニングは、筋肉にかかる負荷が大きいため、トレーニング後は筋肉痛になります。もし筋肉痛が起きない場合は、負荷が十分にかかっていないのかもしれません。一度フォームを見直してみましょう。
6. まとめ
筋肉の肥大化を実現するためには、筋肉を伸ばす動きを重視した「ネガティブトレーニング」が効果的。ネガティブの動きは、早く行わずに、時間をかけてゆっくりと取り組むことを重視するのがポイントです。
また、ポジティブの動きをパートナーにサポートしてもらえば、ネガティブの動きに集中できるため、さらに効率良く鍛えられるでしょう。
ネガティブとポジティブの動きを理解して、筋肥大の最大化を目指しましょう。
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