筋トレだけでは不十分!?筋肉が大きくなる「筋肥大」と「食事」の関係とは!
筋トレに励むほとんどの人の目的は、「男らしいマッチョなボディーを手に入れたい」や「女性らしいメリハリのあるボディーラインを作りたい」などではないでしょうか。トレーニングで筋肉が大きくなっていく事を「筋肥大」と言います。筋肥大に関する知識は、効率よく理想的な体型を手に入れるためにも押さえておきたいものです。今回は、筋肥大を効果的に行う方法と、体つくりに大事な食事について触れていきます。トレーニングで筋肉がなかなか大きくならないとお悩みの方は、ぜひ参考にしてみて下さい。
1. 筋肥大とは?欠かせない三つの事
筋肥大とは今よりも筋肉を大きくしていくことで、ボディビルの世界では「バルクアップ」とも言います。筋肉を発達させて体を大きく作り上げていく為には、トレーニング・休養・食事の三つが重要になってきます。それぞれについて解説します。
1-1. トレーニングは限界まで追い込む
筋肉が大きくなる初めのステップが「筋繊維の損傷・断絶」です。現状の筋肉に必要以上の負荷を掛けることにより、筋繊維に小さな傷ができます。この傷を治すときに今よりも多く筋肉がついてきます。筋肉が大きくなるのは、筋肉の損傷と修復が繰り返されていくからです。
筋肉を大きくさせるためには、トレーニングで今以上の重量と回数をこなしていく事がポイントになります。今できる範囲のトレーニングでは筋肉の疲労が少ない為、効果的ではありません。限界まで追い込むハードなトレーニングが筋肥大には不可欠です。
1-2. しっかり休養をとり筋肉をケアする
筋肉がダメージを受けると体内では修復作業が始まり、この事を「超回復」とも言います。トレーニング後に起こる筋肉痛が一つの目安でもありますが、この期間に無理をしてトレーニングを続けていくと、筋肉はいつまでも充分に修復されず、反対に細くなっていきます。
筋肉の修復にかかる時間は部位によって異なりますが、一般的に、背中や足は72時間、胸と腕は24~48時間、お腹は24時間とされています。
筋肉を大きくしたい為に毎日トレーニングを行うかもしれませんが、筋肉痛が残っているときは完全に修復されていません。トレーニング後は十分に筋肉を休めるようにしましょう。
1-3. 身体を大きくする為に大事な食事
筋肥大にとって食事はとても大切です。ハードなトレーニングをこなす為には、しっかりと食べてエネルギーを付けないといけません。また、筋肉を修復させるときにも栄養が必要です。栄養は、食事の他に、飲みものやサプリメントなどからも摂取出来ます。
筋肉を大きくするには、今よりも体重が増えるほど食べる必要があります。つまり、毎日の消費カロリー以上に食べないといけない事になります。食べ物によっては、太りやすいものとそうでないものがありますので、何を食べるかが大事なポイントとなります。
2. 筋肥大と食事の関係
筋肉を付けながら体を大きくしていくには、体に大切な三大栄養素の「タンパク質」「脂質」「炭水化物(糖質)」をバランスよく取ることです。筋肥大に必要なカロリーと、それぞれの栄養素とバランスに関して説明します。
2-1. 消費カロリーと筋肥大に必要な摂取カロリー
一日に必要な摂取カロリーを把握するためには、消費カロリーを知る必要があります。消費カロリーの目安は、年齢・性別・体質で異なるので一概には言えませんが、体を使う頻度に対して、基礎代謝×1.3(運動少なめの人)~1.9(運動多めの人)の範囲で計算できます。
また、一日に必要とされるカロリーは、男性2,200±200kcal 女性1,400kcal~2,000kcalとされています。この数値は、主食・副菜・主菜・牛乳・乳製品・果物などを適切に摂取した場合です。
筋肉を大きくしていく為には、消費カロリーより500kcal多く取ることが目安の一つですが、まずは現状よりも多く食事を取ることがスタートになります。
2-2. PFCバランスを調整しながら摂取カロリーを増やす
身体を大きくするためには、食事の量を増やして摂取カロリーを上げて、トレーニングで筋肉を作り上げていかないといけません。この時に気を付けておきたい栄養素のバランスがPFCバランスです。
PFCバランスは、タンパク質(protein:プロテイン)脂質(fat:ファット)炭水化物(carbohydrate:カーボハイドレイト)の頭文字を取ったもので、それぞれの栄養素の比率を指します。
一般的なバランスとしては、P(13~20%)F(20~30%)C(50~65%)で、C(炭水化物)が半分以上を占めます。しかし、筋肥大させていくには、P(タンパク質)の割合を増やさないといけません。徐々に炭水化物を減らしながらタンパク質を全体の30~40%まで増やしていくことが一つの目安です。
2-3. 筋肉を形成する「タンパク質」とは
タンパク質は、筋肉を形成する上で最も大事な栄養素です。タンパク質には動物性、植物性があり、鶏の胸身・ササミ・牛肉の赤身・マグロ・卵の他に豆類などに多く含まれています。タンパク質は筋肥大にはとても大事になり、一日に必要な量は体重×2g以上の摂取が必要になります。(体重65kgなら65×2g=130g以上)
タンパク質を130g以上摂取する目安としては、鶏の胸肉が含むタンパク質の量が100g当たり19.5gで、ササミでは100g当たり23gなので、一日3回の食事の場合、一回の食事で鶏の胸肉1枚又は、ササミ4本以上が必要になってきます。
食事でこれだけ多く量のタンパク質を摂取するのは難しい場合は、プロテインなどのサプリメントで補っていきます。
2-4. 無くしてはいけない「脂質」
身体に付きやすくて落ちにくい脂質は、ダイエットの敵とみられがちです。しかし、人間だけでなく動物が生きていく為に非常に大切な栄養素です。多くの動物は食料が無い時には脂質を使って生存してきました。一見、筋肥大の為には必要のない栄養素と考えてしまうかもしれませんが、脂質は成長ホルモンやテストステロンなどを形成しますので、筋肉を発達させていく上で必要になります。
2-5. エネルギーの源「炭水化物(糖質)」
炭水化物には食物繊維と糖質が含まれており、主に体を動かすエネルギーや体を大きくさせる働きもあります。炭水化物は、お米、パン、パスタ、うどん、ラーメン、芋、カボチャなどに多く含まれ、糖質自体は、果物に多く含まれています。
最近は、ダイエットのために炭水化物を抜く方法があり、脂質と同様に体つくりにおいてマイナスなイメージがあるかもしれませんが、筋肥大にとって大きな役割があります。炭水化物が少ないと体に逞しさが無くなるので、タンパク質と同じ様に積極的に摂取するようにしましょう。
3. 効果的な食事の回数とタイミング
筋肥大を目指すにおいて、食事のタイミングと回数も重要になります。ボディビルダーの場合、食事の回数は一日に5回~6回と一般人よりもかなり多く取っています。回数を多くすることにより、常に体へ栄養が補充されるので、筋肉の分解が抑えられるだけでなく、代謝も上がり脂肪が付きにくくなっていきます。
食事の取り方の一例で、通常の食事の間に間食を加えていく方法があります。例えば、朝+間食+昼+間食+夕食+間食などです。間食に、おにぎりや、プロテイン又は、サラダチキンなど加えると、一回の食事の量を増やさずに一日の摂取量を増やすことができます。
食後には消化活動が始まるので、食事はトレーニングの3、4時間前に済ませておくことが理想です。また、トレーニング後には、プロテインやアミノ酸などを補充して筋肉の分解を防ぐ事も大事になります。
4. 筋肥大時に注意すべき事
上手に筋肥大を行っていく為には、注意すべき事があります。以下の点に気を付けながらトレーニングと食事コントロールを行っていきましょう。
4-1. どんな栄養素も過剰に取ると脂肪に変わる
脂質や炭水化物だけでなく、タンパク質でさえも使わないと脂肪として体に残ってしまいます。たくさん食べて体重が増えても、筋肉ではなく脂肪が増えてしまう事もあります。食べる事だけでなく、しっかりとトレーニングでカロリーを消費することを忘れないようにしましょう。
4-2. 短期間では結果が見えにくい
ダイエットと違い、筋肉が肥大して目で見てわかるようになるまでには時間がかかります。筋肉は損傷と修復を繰り返しながら、少しずつ大きくなっていくので、数週間で実感できるものではありません。一般的に3~4か月はかかるといわれていますので、あせらずに気長に待つようにしてみましょう。
5. 筋トレ・休養・食事管理を徹底して、理想の体型を目指し頑張って行きましょう!
今回は、筋肥大と食事の重要性について触れてみました。体の変化が実感できるようになるまでには時間がかかりますが、しっかりとトレーニング・休養・食事を正しく行えば効果は表れてきます。理想の体型になることをモチベーションにして、あきらめずに頑張って行きましょう!
【関連記事】
- ダイエット中の栄養管理は「食事バランスガイド」を活用しよう
- 女性の下腹ぽっこりの原因は脂肪だけじゃない! 原因と解消法をタイプ別にご紹介
- セルライトの正体と日常でできる予防法について教えます
- 有酸素運動で効率よく痩せるための3つのポイント
- 筋トレと有酸素運動で効果的なダイエットを!
- 便秘はどうして起こる?解消方法や改善策について徹底解説
- 腸内環境を改善する方法はなに?体の中から健康にしよう!
- 猫背になる原因と筋トレやストレッチをつかった治し方について
- 動的ストレッチと静的ストレッチの違いと効果について
- 肩のストレッチで肩こり解消・姿勢改善
- 筋トレ効果は正しいフォームかどうかで違う!正しい筋トレを身につける方法
- 体を引き締めて細マッチョになる筋トレ方法とは
- ダンベルとバーベルの違いやメリットとデメリットを解説
- オールアウトで筋トレ効果を最大化!コツと注意点を解説
- 筋トレの効果をより効率よくUPする拮抗筋について徹底解説
- ネガティブトレーニングで筋肥大の最大化を目指す