猫背になる原因とは?猫背の治し方・美姿勢を作る筋トレ集
健康面でも美容面でも悩みの種になりやすいのが猫背や巻き肩。肩こりや腰痛の誘因ともなり、血流障害、新陳代謝の低下までも引き起こすことがあります。「猫背を治したい」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。
現代社会において、日本人の約8割が猫背と言われています。ほとんどの人が猫背や巻き肩の傾向を持っているのですが、自覚のないまま過ごしている人も少なくありません。あなたの姿勢はどうでしょうか?
今回は、立ち姿勢のセルフチェック方法、猫背になる原因、猫背のデメリット、猫背を治すための自重筋トレをご紹介します。
1.あなたは猫背?立ち姿勢のセルフチェック方法
自分の姿勢は、人に指摘されないとなかなか気付きにくいものです。まずは、あなたの姿勢が猫背になっているか、簡単な方法でセルフチェックをしてみましょう。
【立ち姿勢で行うセルフチェック】
- まず、壁に背を向けた状態で、かかとを壁に付けて立ちましょう。ポイントは、自然に体を壁に預け、押し付けないことです。普段の姿勢を意識して行ってみて下さい。
- この時、自然な状態で力を入れていない頭、両肩、腰がどのように壁と接触するかをチェックします。
- 腰は壁に付くが、頭と両肩が壁から離れている
⇒猫背になっている可能性が高いです。
- 両肩とお尻は壁に付くが、頭が壁から離れている
⇒ストレートネックの可能性が高いです。
- 腰と壁の間に大きな隙間ができ、両肩と頭も壁から離れている
⇒反り腰により骨盤が前傾し、身体も全体的に前傾姿勢となっている可能性があります。
いかがだったでしょうか?猫背の他にも、姿勢の問題がある場合、頭・両肩・腰が壁と接触しない場合、ストレートネックや反り腰の可能性もあります。姿勢の問題は相互に影響し合っているため、併せてチェックしてみましょう。
2.猫背になってしまう原因
猫背になる大きな原因は、毎日の生活習慣にあります。現代は、年齢・世代を問わず、仕事や学業、プライベートでもデスクワークやスマートフォンを多用する生活が一般的です。両腕を前方で使用する時間が長くなるほど、肩が内側に入りやすくなり、腕も内側に巻いている状態(内旋)になっています。腕が内旋していると、肩甲骨も開いた状態になるため、慢性的な猫背になってしまいます。
正しい姿勢は、内旋とは反対に腕が外側に向いている状態を言います。手のひらが正面を向く形で腕を垂らして立ってみましょう。肩甲骨も下がり、肩も内側に入らずに広がり、胸を張った良い姿勢が取れるはずです。これが正しい肩と腕の位置です。
また、長時間のデスクワーク等で前かがみの姿勢を続けていると、骨盤が後傾しやすくなり、それに伴って頸部や肩甲骨が前方へ出てくるため、上半身が前に出て下半身が後退している状態、すなわち猫背となります。頭頚部も前方へ出てくるため、ストレートネックにも繋がってしまうのです。加えて、同じ姿勢を何時間も続けることで、その姿勢のまま筋肉が凝り固まってしまう問題もあります。
ここで、あなたの生活に猫背になりやすい習慣があるか、以下のセルフチェックで振り返ってみましょう。
【猫背になりやすい習慣セルフチェック】
- PCやスマホを使用する時間が長い
- 机に長時間座って行うデスクワークが多い
- 書きものや細かい手を使う作業が好き・または趣味である
- 足を組む癖がある
- 反り腰である
- 運動やストレッチを意識的にしていない
- 自分に自信がない
- とても疲れている
普段の過ごし方や体の使い方、運動習慣以外でも、メンタルの状態によっても姿勢は大きく影響を受けます。元気のない人は、俯き、背を丸めてとぼとぼ歩くイメージではありませんか?気持ちが落ち込んでいる時や疲労している時も猫背になりやすくなります。
また、足を組む癖のある人は猫背をはじめ、様々な姿勢の歪みを引き起こすと言われています。足を組むことで骨盤が後傾し、脊柱が歪み、猫背、肩こり、腰痛が起きやすくなるためです。自然に足を組んでしまう癖のある人は注意しておきましょう。さらに、反り腰で骨盤前傾の状態も、猫背になりやすくなります。骨盤の歪みにも注意が必要です。
姿勢は自分のバロメーターでもあるため、姿勢に注目することでセルフケアの第一歩になります。猫背になりやすい生活をしているという自覚を持って、ふと気付いた時に、姿勢に意識を向ける癖をつけていきましょう。
3.猫背で起こるデメリット
ここでは、猫背であることで起こる、具体的なデメリットをご紹介します。
3-1. 慢性的な肩こりや腰痛を引き起こす
猫背が普通の状態になってしまうと、慢性的に肩や首がこわばり、肩こりが起きやすくなるため、通常は自然なカーブを描いている頸部もまっすぐ伸び、前方へ出てしまうストレートネックが起こりやすくなります。すると、さらに首の筋緊張が高まり、酷い肩こりに悩まされる、という負のループが起きるのです。また、バランスを取るために骨盤の歪みも起きやすくなり、腰痛の原因にもなります。
3-2. 見た目の印象やプロポーションが悪くなる
どんなにファッションを研究し、美容に力を入れ、話し方や振る舞いに気を配っていても、猫背の人は老けて見えたり、暗く見えたり、信頼感に欠ける印象を与えてしまいます。
猫背は体の歪みを招くため、背中に贅肉が付きやすくなったり、バストの位置が下がったり、下腹にだけお肉がついてしまいやすくなったりと、プロポーションが崩れる原因になります。
3-3. 太りやすい体質になる
猫背では頸部や肩甲帯周囲の筋肉の可動域が著しく縮小するため、首~肩の筋肉が凝り固まりやすくなり、血流が滞りがちになります。すると、酸素や栄養素が体の各部分へ十分に届かなくなるために、新陳代謝が落ち、脂肪の燃焼効率も低下して、老廃物も溜まりやすい体質になります。通常の代謝ができなくなるため、太りやすくなってしまうのです。
3-4. 呼吸が浅くなり、メンタルへの影響も!
肩甲骨が開き、肩が前方に出ることで、呼吸筋の可動域が制限され、肺を圧迫する姿勢となります。慢性的に呼吸が浅くなることで、脳を含めた各臓器の慢性的な酸欠状態が起き、体にダメージを与えてしまいます。
また、自律神経が乱れやすくなります。緊張状態(交感神経優位)からリラックス状態(副交感神経優位)へのスイッチが切り替わりにくくなるため、免疫の低下から病気のリスクが高まる、メンタルが不安定になるなどの恐れもあります。
4.筋トレで改善!猫背の治し方
猫背のデメリットを解消し、姿勢を改善するためには、大胸筋や腹筋、背筋と言った上半身の筋肉に加えて下半身の筋力も鍛えることが大切です。今回は、自宅で簡単に行える、全身の筋肉を効率よく鍛えられる自重筋トレをご紹介します。
4-1. プランク(フロントブリッジ)
猫背改善に有効な全身の筋肉に刺激を入れ、バランスよく鍛えることができるのがプランクです。道具も要らず、20秒ほどあれば行えるため、すぐに始められる筋トレですが、フォームが正しくないと十分な効果が得られません。以下のポイントを押さえて行ってください。
プランクでお腹周りを引き締めよう|やり方やコツを紹介
【正しいやり方】
トレーニングマットにうつ伏せになり、前腕と肘、つま先で体を支える姿勢を取ります。
頭、首、背中、腰、お尻、足が一直線になるポジションをキープします。
目線はやや前方を見ておきます。
お尻が上がったり下がったりするなど、姿勢が崩れないよう、腹筋を中心に全身に力を入れて1枚の板のような姿勢を続けましょう。
初心者の人は、まずは20秒×3セットから始めましょう。
負荷を高める場合は、徐々に時間を30秒、60秒と増やしていきましょう。
【ポイント】
- 頭が下がってしまい、正面を向いていると、腰のポジションが不安定になりやすいため、頭はしっかり上げておきましょう。
- 腹筋を中心に、全身の筋肉を引き締める意識で行いましょう。
- 長時間できてしまう場合は、フォームが正しくない可能性があります。
4-2. リバースプランク
プランクよりも難易度が高く、下半身にさらに負荷を掛けられるのがリバースプランクです。プランクに慣れてきたら取り入れてみると良いでしょう。
【正しいやり方】
- トレーニングマットに、足を伸ばした状態で座ります。
- 腰の横に両手を付き、指先は足の方に向けておきます。
- 両手、かかとの3点で身体を支え、持ち上げます。
- しっかりと腰を持ち上げて、足元から首までが一直線になるように姿勢を整えます。
- 姿勢を維持したまま、20~30秒キープします。
- 初心者の人は、まずは20秒×3セットから始めましょう。
- 負荷を高める場合は、徐々に時間を30秒、60秒と増やしていきましょう。
【ポイント】
- 疲労とともに腰が下がりやすいため、腰が下がらないように注意して行いましょう。
- 首から足までの一直線が崩れないように行いましょう。
4-3. バードドッグ
体幹を強化し、猫背や反り腰の改善に効果的なのがバードドッグです。姿勢改善にはぴったりな筋トレです。
【正しいやり方】
- トレーニングマットの上に膝と両手を付き、四つ這いになります。手は肩の真下に、膝は骨盤の下に来るように置きます。
- 背中が丸まったり、反ったりしないようキープします。
- 左手と右膝で身体を支えながら、右手を前方に、左足を後方にまっすぐ伸ばして、一直線になる姿勢で止まります。
- 右手と左足を戻し、四つ這いの姿勢に戻ります。
- 今度は反対に、左手と右足が一直線になるように前後にまっすぐ伸ばします。
- 左手と右足を戻し、四つ這いの姿勢に戻ります。
- 2~3を繰り返し行います。
- 60秒×3セットを目安に行っていきましょう。
【ポイント】
- 首、背中、腰と手足がまっすぐ一直線になるように行いましょう。
- 身体が捻じれたり曲がったりしないよう注意して行いましょう。
4-4. プッシュアップ
プッシュアップ(腕立て伏せ)の効果的なやり方で胸の筋トレを行う
大胸筋を鍛えるプッシュアップでは、巻き肩の改善が期待できます。
【正しいやり方】
- トレーニングマットにうつ伏せの状態になります。
- 両手を床に付き、つま先と3点で体を支えて持ち上げます。両手は、肩幅よりこぶし1~2個分広げて床に付きます。※初心者や女性は、膝をついて行っても良いです。
- ゆっくりと肘を曲げ、胸が床に付くまで体を下ろしていきます。
- 限界まで下ろしたら、再び肘を伸ばして体を持ち上げていき、元の姿勢まで戻ります。
- 3~4を繰り返して行っていきましょう。
- 15回×3セットを目安に行っていきましょう。インターバルは30秒と短めにしましょう。
【ポイント】
- 腰が上下しないよう、頭からつま先(又は膝)までが一直線になる姿勢で行いましょう。
- 肘を曲げながら息を吸い、体を持ち上げながら息を吐き、呼吸を意識しながら行うと効果的です。
5.体幹や全体的な筋力UPで猫背を改善しよう!
いかがでしたか?猫背の原因は日々の生活習慣によるところが大きいため、何もケアをせずに過ごしていると改善はできません。簡単に行える筋トレで、日々猫背の改善と予防を行っていきましょう。
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