プッシュアップ(腕立て伏せ)の効果的なやり方で胸の筋トレを行う

あなたはプッシュアップ(腕立て伏せ)を効果的に行えていますか?胸の筋トレ、バストアップを目指す人は必見!正しいやり方、フォーム、注意点と併せて7種類のプッシュアップを徹底解説。また、トレーニングの効果を最大に引き出すコツもお伝えします。

1. プッシュアップは代表的な上半身の筋トレ

筋トレといえば、「プッシュアップ(腕立て伏せ)」をイメージする人も多いのではないでしょうか。男性なら、逞しいスタイルを手に入れるために、女性なら魅力的なバストのために取り組んでいる人も多いかもしれませんね。

誰もが知っている「プッシュアップ」ですが、実は正しいやり方で行えていない人が多いトレーニングの1つでもあります。今回は、「プッシュアップ」の基本的なやり方や種類、注意点などを徹底解説していきます。プッシュアップで効果的に胸の筋トレを行う方法をマスターしましょう。

2. 効果的なプッシュアップを行う際のコツとは?

「プッシュアップ」を効果的に行うためには、まず意識するべきコツがあります。ほとんどの人が意識できていないポイントでもあるため、以下のことを押さえて、効果的に実践してくださいね。

①呼吸を止めずに行うこと

筋トレの時、多くの人は息を止めてしまいがちです。プッシュアップをしたことがある人なら、覚えがある感覚ではないでしょうか。そもそも筋トレは無酸素運動です。筋肉に貯めた糖を利用し、瞬発的な力を発揮することで筋肉を鍛えます。この時、理論上酸素は必要ではありません。

しかし、負荷がかかる瞬間に息を止めると一気に高血圧となり、血管や身体への大きな負担となります。慣れない人が高重量を持ち上げるトレーニングを行うと、しばしば気絶する人がいます。これは急激な高血圧によるものなのです。トレーニングを行う際には、必ず呼吸を意識して行うようにしましょう。

実践としては「力を入れる時は息を吐き、力を抜く時には吸う」のがポイントです。慣れない内は違和感があるかもしれませんが、繰り返して意識することで少しずつ定着しますよ。

②正しいフォームをマスターすること

トレーニングで重要なのは、正しいフォームを「知識」と「身体の感覚」から覚えていくことです。フォームが正しくないと、ターゲットの筋肉に効かなかったり、身体を傷めてしまう恐れがあります。プッシュアップは上述の通り、様々な種類が存在しますが、まずは基本の「ノーマル・プッシュアップ」のポイントと注意点をマスターすると、他のプッシュアップのフォームの安定にも繋がります。基礎をしっかり固めていきましょう。

3. 上半身を鍛える「腕立て伏せ」のトレーニングメニュー7種類

主に大胸筋(胸)、三角筋(肩)、上腕三頭筋(腕の背面)を鍛えるトレーニングの『プッシュアップ』ですが、実は鍛える部位や運動強度の異なるものが何種類もあります。

ここでは、最も基礎的な「ノーマル・プッシュアップ」から、他の筋肉も同時に鍛えられる応用編まで、7種類のトレーニングメニューをご紹介します。

3-1. 『ノーマル・プッシュアップ』

まずは基本の腕立て伏せである「ノーマル・プッシュアップ」です。大胸筋をメインターゲットとして、副次的に三角筋や上腕三頭筋にも刺激を入れることができます。

基礎的なトレーニングのため、しっかりと正しいフォームとポイントを押さえることで、他のプッシュアップを行う際にも役立ちます。

【正しいやり方】

  1. トレーニングマットの上で、肩幅より拳ひとつ分外側に両手を付きます。
  2. 背筋をまっすぐに構えます。
  3. 肘をゆっくりと曲げて、胸が地面につく直前まで身体を下ろしていきます。
  4. 再びゆっくりと腕を伸ばし、もとの姿勢に戻ります。
  5. 3~4を繰り返し行います。
  6. 10回×3セットを目安として行います。

【注意点とポイント】

  • セットポジションは、頭から背中、お尻、脚、踵までが一直線になる姿勢です。
  • お尻が浮いて、身体がくの字に曲がらないように注意しましょう。
  • 肩甲骨を寄せ、足先はつま先立ちの意識で行うと姿勢が整いやすいです。
  • 肘を曲げる際は、肘を外に開くのではなく、後ろに引くイメージで行いましょう。
  • 元の姿勢に戻る時は、反動を使って腕を伸ばすのではなく、じっくり筋肉に効かせるように体を持ち上げます。
  • 腕を伸ばしきる直前で止め、再び身体を落としていきましょう。

最初は、連続して10回行うのも難しいかもしれません。10回を目安に、可能な回数から行いましょう。その場合は【可能な回数×3セット】から始め、少しずつ回数を増やしていくのがよいでしょう。

3-2. 『膝つき腕立て伏せ』

「ノーマル・プッシュアップ」が難しい場合、まずは「膝つき腕立て伏せ」から始めてみましょう。膝をつくことで負荷が軽くなるため、女性や筋トレ初心者でも取り組みやすいトレーニングです。

【正しいやり方】

  1. トレーニングマットの上で、肩幅より少し外側に両手をつきます。
  2. 両膝をついて、両手・両膝で体重を支える姿勢を取ります。
  3. 肘をゆっくりと曲げて、胸が地面につく直前まで身体を下ろしていきます。
  4. 再びゆっくりと腕を伸ばし、地面を押すイメージで、もとの姿勢に戻ります。
  5. 3~4を繰り返し行います。
  6. 10回×3セットを目安として行います。

【注意点とポイント】

  • 負荷の軽いトレーニングであるため、意識的に両手に加重するように意識しましょう。
  • 大胸筋と上腕三頭筋の収縮を意識しながら行いましょう。
  • 腕を曲げる際は、肘が外側に広がらないように、肘を後ろに引くイメージで行いましょう。

3-3. 『ワイド・プッシュアップ』

「ワイド・プッシュアップ」はメインターゲットが大胸筋と三角筋前部、サブターゲットが上腕三頭筋となります。両手の幅が広がるほど、上腕三頭筋への負荷が減り、大胸筋と三角筋への負荷が高まります。胸と肩を効率的に鍛えたい場合は、「ワイド・プッシュアップ」をおすすめします。

【正しいやり方】

  1. トレーニングマットの上で、肩幅より広く両手をつきます。
  2. 頭、背中、お尻、踵が一直線になる姿勢を作り、セットポジションをとります。
  3. 肘をゆっくりと曲げて90度となるところで止め、2~3秒キープします。
  4. 再びゆっくりと腕を伸ばし、もとの姿勢に戻ります。
  5. 3~4を繰り返し行います。
  6. 10回×3セットを目安として行います。

【注意点とポイント】

  • 肘が外側に開いてしまうと負荷が逃げてしまうため、肘を後ろに引くように行いましょう。
  • 呼吸を意識し、肘を曲げる時には息を吸い、伸ばす時には吐くリズムを意識しましょう。
  • 背中が猫背になったり、お尻が上がって体幹が折れないように注意しましょう。
  • 肘を伸ばす際は反動を使わず、じっくりと大胸筋に効かせていく意識をしましょう。

3-4. 『ナロー・プッシュアップ』

「ナロー・プッシュアップ」は「ワイド・プッシュアップ」とは反対に、メインターゲットを上腕三頭筋、サブターゲットを大胸筋、三角筋前部として鍛えるトレーニングです。「ワイド・プッシュアップ」と隔週で交互に行うと、バランスよく上半身を鍛えることができるためおすすめです。

【正しいやり方】

  1. トレーニングマットの上で、肩幅よりも狭く両手をつきます。この時、脚の幅は腰と同じくらいを目安にすると安定します。
  2. 頭、背中、お尻、踵が一直線になる姿勢を作り、セットポジションをとります。
  3. ゆっくりと胸を床に近付けていきます。
  4. 床に胸が付く直前で、再びゆっくりと元の姿勢に戻ります。
  5. この時、上腕三頭筋の動きを意識しましょう。
  6. 2~5を繰り返し行います。
  7. 10回×3セット目安に行います。

【注意点とポイント】

  • 体を下ろす際に、肘が脇から離れないように意識しましょう。肘が外側に開くと、上腕三頭筋に効きづらくなってしまいます。
  • 体がまっすぐに保てないと負荷が抜けるため、セットポジションを作る時はもちろん、常に一直線の姿勢を意識しましょう。
  • 上腕の筋肥大を狙う場合は1セット10~15回、引き締めを目的とする場合は8~10回を目安にすると効果的です。

3-5. 『スロー・プッシュアップ』

「スロー・プッシュアップ」は「ノーマル・プッシュアップ」をゆっくり行うことで、胸や肩だけでなく、体幹も鍛えることを目的としたトレーニングです。高負荷のポジションを長く維持するため、少ない回数で高い効果を得られるメリットがあり、プランクよりも体幹に強い刺激が入ります。一方で、筋疲労しやすいトレーニングでもある為、最初は少ないセット数から取り組んでいきましょう。

【正しいやり方】

  1. トレーニングマットの上で、肩幅もしくは肩幅より拳ひとつ分外側に両手を付きます。
  2. 背筋をまっすぐに構えます。
  3. 肘を5秒かけて曲げ、胸が地面につく直前まで身体を下ろしていきます。
  4. 再び5秒かけて腕を伸ばし、もとの姿勢に戻ります。
  5. 3~4を繰り返し行います。
  6. 10回×2セットを目安として行います。

【注意点とポイント】

  • 両手の間を広めに開けると、大胸筋に効きやすくなり、バストアップも期待できます。
  • 反対に、両手の間を狭めると、三角筋に効きやすいため、肩を鍛えたい場合におすすめです。

3-6. 『ヒンズー・プッシュアップ』

これまでのプッシュアップと同様に、大胸筋や上腕三頭筋、三角筋を鍛えられる他、背筋と腹筋にも同時に刺激を入れることができるのが「ヒンズー・プッシュアップ」です。同時に多くの部位のトレーニングが行え、効率よく鍛えられる点が魅力です。正しいフォームとやり方をしっかり押さえれば、筋トレに短い時間しか取れなくても、運動不足の解消が可能です。

【正しいやり方】

  1. 両手をやや広めに付きます。まずはノーマル・プッシュアップと同じ姿勢をとります。
  2. お尻を上に突き出して持ち上げ、身体を軽く後ろに引きます(セットポジション)。
  3. 斜め下前方に滑り込むように体を下げ、同時に腕を曲げていきます。この時、身体が床に触れないぎりぎりの高さを保ちます。
  4. 身体で「〇」を描くように、再びお尻を上げて2)の姿勢に戻ります。
  5. できるだけ、身体を大きく動かすように意識して行いましょう。
  6. 2~4を繰り返し、12回×3セットを目安に行います。

【注意点とポイント】

  • 腰を大きく反らせるため、腰痛がある場合は控えてください。また、フォームが誤っていると、腰痛が起きやすくなってしまうため、注意しましょう。
  • 動作が大きいトレーニングなので、最初は鏡などで全身の位置と動きをチェックするのがおすすめです。身体が通る「1番高いところ」と「1番低いところ」を意識して行うと、フォームが安定します。
  • 慣れてきたら、脚の幅を広く取ることで、より全身の筋肉に効かせることができます。少しずつチャレンジしましょう。

3-7. 『リバース・プッシュアップ』

続いて、椅子や台などを利用して行うプッシュアップです。主に上腕三頭筋をメインターゲットとして鍛えるトレーニングで、補助的に大胸筋下部と三角筋前部にも刺激を入れることができます。

【正しいやり方】

  1. まずは、椅子に腰を掛けます。
  2. 肩の真下に手を置きます。
  3. 身体を少し前に出して肘が外側に開かないように曲げ、ゆっくり身体を床に近付けます。
  4. 再び腕を伸ばし、身体を元の高さに戻します。
  5. 15回×3セットを目安に行いましょう。

【注意点とポイント】

  • 肘は後ろに引くように曲げるようにしましょう。
  • 身体を床に近付けたり戻したりする際、必ず「背中が椅子に近いところを通る」ように意識しましょう。背中が椅子から離れたフォームになると、負荷が脚の方にかかってしまいます。
  • 脚を伸ばして行うと負荷が高くなり、膝を曲げて行うと負荷が軽くなります。レベルに合った調整をしながら取り組んでみましょう。

4. 腕立て伏せの効果を上げる筋トレグッズ「プッシュアップバー」

プッシュアップに慣れ、もし何十回も行えるようであれば、負荷が足りていません。負荷を高めたい場合は、「プッシュアップバー」の使用がおすすめです。

プッシュアップバーは、両手でグリップを握り、そのままいつも通りプッシュアップを行うだけで、運動範囲や運動強度を高めることのできるアイテムです。運動範囲が広がると鍛えられる筋肉が増え、より満遍なく多くの部位を鍛えることができるようになります。また、負荷も高まるため、短時間で高い負荷のトレーニングを行うことができます。自重トレーニングのみでは物足りない場合や、より身体を鍛え上げたい時には取り入れてみてはいかがでしょうか。

5.引き締まった、逞しい胸板/バストアップはプッシュアップから

いかがでしたか?今回は、筋トレの鉄板とも言える「プッシュアップ」についてお伝えしました。代表的な「ノーマル・プッシュアップ」をはじめ、バラエティー豊富なトレーニングですが、基本的なコツは共通していましたね。目的に応じたプッシュアップで、理想のボディメイクを叶えていきましょう。

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