ダンベルプルオーバーで自慢の上半身を手に入れる方法

ジムや、ビーチでグッと引き締まった胸や、逆三角形の背中などを見ると、「あんなにカッコいい上半身になれた良いなぁ」と思う人も多いのではないでしょうか。でも「どうしたら、あんな風になるの?」って思いますよね。

そこで今回は、カッコよくセクシーな理想の上半身を作るのに効果的な筋トレ「ダンベルプルオーバー」をわかりやすく徹底解説していきます。上半身を何とかしたい、または、筋トレをしていてもあまり効果が出てこない、こんなお悩みをお持ちの方は、ぜひ参考にしてください。

1. ダンベルプルオーバーとは

ダンベルプルオーバーとは、胸と背中の筋肉を鍛えるトレーニングです。シンプルなトレーニングで、トレーニングベンチの上に寝そべり、両手でダンベルを胸の前に構えてから、頭の後方へおろし、そのあと元の位置に戻す動作を繰り返すだけです。

トレーニングの動き自体はシンプルですが、ちょっとした動作と意識の向け方の違いで、鍛えたい部位を胸と背中に分けることができます。

ダンベルプルオーバーは、同じ動作にもかかわらず異なる筋肉をねらって鍛えることができる、筋トレの中でも少し特殊なトレーニング方法です。

2. ダンベルプルオーバーに必要な器具

ダンベルプルオーバーを自宅で行う場合は、以下の器具が必要です。

  • ダンベル
  • トレーニングベンチ

本格的に鍛えたい場合は、重量が調節できる可変式ダンベルと、トレーニングベンチ(インクラインベンチ)を揃えるのをおすすめします。これらの器具があると、ダンベルプルオーバー以外のさまざまなトレーニングも自宅でできるので便利です。

ベンチの代わりに、椅子やソファー、バランスボールを使うこともできますが、重い重量を使う時にはバランスが保てません。また、フォームが乱れ怪我をする可能性もあるので、特に筋トレ初心者の方にはおすすめできません。

ダンベルプルオーバーを自宅で行う時は、トレーニングベンチとダンベルを揃えるようにしましょう。

3. ダンベルプオーバーで鍛えられる筋肉

ダンブルプルオーバーでは胸の筋肉である「大胸筋」と背中の筋肉の「広背筋」を中心に鍛えることができます。また、二の腕と呼ばれる部分の、「上腕三頭筋」にも刺激が与えられます。それぞれがどこにありどのような働きをするか説明します。

3-1. 大胸筋

胸の筋肉である「大胸筋」は、上部、下部、外部、内部の4つの筋肉で構成されており、腕を上げ下げしたり、外側へひろげたり、内側へ寄せたりするときに使われます。

一般的に大胸筋を鍛える時には、腕立て伏せやベンチプレスなどのように大胸筋の横方向に刺激を与えますが、ダンベルプルオーバーでは大胸筋の縦方向に刺激がはいります。普段のトレーニングに慣れてしまい、筋肉の付き方に悩んでいる人におすすめのトレーニングです。

3-2. 広背筋

「広背筋」は、腰から背中の肩甲骨の下の部分までに広がる大変おおきな筋肉です。腕を下げる時や、開いた腕を閉じる時、腕を後ろに引くときなどに使われます。また骨盤を上げるときにも使われます。

背中にある筋肉の大部分を占める広背筋をきたえると、逆三角形の上半身を作り上げることができます。

3-3. 上腕三頭筋

「上腕三頭筋」は、肩から肘のあいだで、腕の後ろ側に位置する筋肉です。「長頭」「外側頭」「内側頭」の3つの「頭」から構成されている筋肉なので3頭筋とよばれます。

ダンベルプルオーバーは「上腕三頭筋」を鍛えることをメインにはしていませんが、ダンベルを支えながらあげるときに、負荷がかかってしまうので、上腕三頭筋も鍛えられていきます。

4. 二種類のダンベルプルオーバー

ダンベルプルオーバーは、胸を主に鍛えるか、背中を主に鍛えるかによって、腕のフォームが少し違います。

4-1. 胸を鍛えるダンベルベントアームプルオーバー

胸を鍛える時は、肘をやや曲げ外側に開き気味な状態でおこないます。肘を曲げるため、「ダンベルベントアームプルオーバー」と呼ばれます。

ダンベルベントアームプルオーバーは、肘を曲げた状態でダンベルを上げ下げさせるのがポイントになります。ダンベルを上げるときに肘を伸ばしてしまうと大胸筋への負荷が軽減されますので注意しましょう。

4-2. 背中を鍛えるダンベルストレートアームプルオーバー

背中を鍛える時は、肘を伸ばした状態で行います。肘を伸ばしているので、「ダンベルストレートアームプルオーバー」と呼ばれます。

ダンベルストレートアームプルオーバーは、肘を伸ばした状態で行うため肘へ負担がかかりやすくなります。無理をすると肘を傷めるので、慣れるまではなるべく軽めのダンベルを使いましょう。

5. ダンベルプルオーバーのメリット

ダンベルプルオーバーには以下のようなメリットがあります。

5-1. 大胸筋の発達停滞期に効果

大胸筋を鍛えるトレーニングのほとんどは、大胸筋の横の方向へ刺激を与えますが、ダンベルプルオーバーは、大胸筋に縦の方向へ刺激を与えることができる唯一のトレーニングです。

大胸筋のトレーニングに慣れてしまい、効果が表れにくくなった発達停滞期にはいり、大胸筋の発達に悩んでいる人には効果のあるトレーニングです。

5-2. 小胸筋にも効果がある

ダンベルプルオーバーは、大胸筋の深層部(インナーマッスル)にあたる、「小胸筋」にも効果があります。「小胸筋」は、助骨の3~5番目から始まり肩甲骨に繋がっている筋肉で、腕を前に出すときに使います。

「小胸筋」を鍛えると、大胸筋を下からから引き上げるので、胸の形を整え、女性にはバストアップ効果もあります。

5-3. ボクサー筋も鍛えられる

ダンベルプルオーバーでは、「前鋸筋」を鍛えることができます。「前鋸筋」は、脇の下から腹部の方向へ斜めに走っている筋肉です。パンチを出すときの筋肉でプロボクサーが発達していることから、「ボクサー筋」とも呼ばれます。

「前鋸筋」が鍛えられると、脇の下からカットの入ったカッコいい上半身になります。

6. ダンベルプルオーバーを効果的に行うポイント

ダンベルプルオーバーだけに限らず、すべての筋トレは正しく行わないと、効果が表れにくくなります。また、やり方を間違えると怪我をする可能性もあります。

ダンベルプルオーバーを行う時には、以下の点に注意をして行っていきましょう。

6-1. 大胸筋・広背筋を意識する

トレーニングを行う時は、ターゲットとなる「大胸筋」または、「広背筋」を意識して行いましょう。それぞれの筋肉のストレッチと収縮を感じながら筋肉へ刺激を与えていくことが大事になります。

筋肉を伸縮させ負荷をかけていくことが筋肉を肥大させるためのポイントですので、トレーニング中は鍛えたい筋肉を意識しながら行いましょう。

6-2. 上腕三頭筋は使わない

ダンベルを持ち上げるときに、曲げている肘を伸ばしてしまうと、「上腕三頭筋」が働きます。ダンベルプルオーバーで、肘を曲げ伸ばしすると、上腕三頭筋を鍛えるトレーニングになってしまいます。

大胸筋、広背筋への負荷が軽減してしまい効果のないトレーニングになるので、ダンベルを上げ下げする時は、大胸筋または広背筋を使うようにしましょう。

6-3. ダンベルの重量に気を付ける

ダンベルを選ぶときは、無理をせずにも10~15回は上げ下げできる重量の物を選ぶようにしましょう。重すぎるダンベルを使うと、肘の関節を痛めてしまいます。

特に、肘を伸ばしておこなう「ダンベルストレートアームプルオーバー」のときは、肘に負担がかかりやすいので、肘に負担のない重量のダンベルを使用しましょう。

7. ダンベルプルオーバーのやりかた

それでは、胸と背中をターゲットにした、それぞれのダンベルプルオーバーのやり方を解説していきます。

7-1. 【大胸筋】ダンベルベンドアームプルオーバー

ダンベルベンドアームプルオーバーでは、大胸筋をメインに鍛えていきます。肘を曲げて外側にひらき、大胸筋を意識して行いましょう。

ダンベルベンドアームプルオーバーのやりかた

  1. ベンチに仰向けになり、ダンベルを両手で持ち胸の前に構える。
  2. 肘は曲げ、外側に軽く開いておく。
  3. 息を吸いながらゆっくりとダンベルを頭の後ろまで下ろしていく。
  4. 大胸筋をストレッチさせながら、限界まで下ろす。
  5. 息を吐きながらゆっくりと元の位置に戻し、大胸筋を収縮させる。
  6. 1~5を10~15回を1セットとして3セット行う。

ダンベルベンドアームプルオーバーの注意点は

  • ダンベルは手のひらで押すように上げる。肘で上げようとしない。
  • 大胸筋を意識する。
  • ダンベルは、床に対して垂直の状態で上げ下げさせる。

7-2. 【広背筋】ダンベルストレートアームプルオーバー

ダンベルストレートアームプルオーバーは、広背筋をメインに鍛えていきます。肘を伸ばした状態で、広背筋を意識しながら行いましょう。

ダンベルストレートアームプルオーバーのやり方

  1. ベンチに仰向けになり、ダンベルを両手で持ち胸の前に構える。
  2. 肘は伸ばしておく。
  3. 息を吸いながらゆっくりとダンベルを頭の後ろまで下ろしていく。
  4. 広背筋をストレッチさせながら、限界まで下ろす。
  5. 息を吐きながらゆっくりと元の位置に戻し、広背筋を収縮させる。
  6. 1~5を10~15回を1セットとして3セット行う。

ダンベルストレートアームプルオーバーの注意点は

  • ダンベルは手のひらで押すように上げる。肘で上げようとしない。
  • 広背筋を意識する。
  • ダンベルは、床に対して垂直の状態で上げ下げさせる。
  • 肘を痛めやすいので、ダンベルは軽めな物を使う。

8. ダンベルプルオーバーを効果的に行うポイント

ダンベルプルオーバーのやり方や注意点を説明してきましたが、ここでは、ダンベルプルオーバーを効果的に行うためのポイントをご紹介します。

8-1. 大胸筋の伸縮を感じる

大胸筋の伸縮を感じるのはそこまで難しいことではありませんが、意識をするようにしましょう。ダンベルを下ろしたときには胸を十分にストレッチさせて、ダンベルを上げたときには胸の筋肉である大胸筋が固く収縮していることを確認しましょう。

ダンベルを上げたときに胸を触って固くなっていれば、収縮されています。

8-2. 広背筋の伸縮を感じる

ふだん広背筋を意識することがあまりないので、大胸筋に比べると広背筋の伸縮は感じにくいでしょう。

広背筋の伸縮を感じるには、ダンベルを下ろしたときに、肩甲骨が伸びて背中がストレッチされているように意識をしましょう。そしてダンベルを上げるときは、肩甲骨を寄せながら、背中の力で腕を引き上げていくように意識をしてみましょう。

はじめのうちは分かりにくいかもしれませんが、何回か行うと感覚がつかめるようになります。

9. カッコいい上半身にするポイント

ダンベルプルオーバーで大胸筋、広背筋を鍛え、カッコいい上半身を作り上げるためには、以下のポイントにも気を付けましょう。

  • 筋肉痛がある日は休息する。
  • 有酸素運動も取り入れる。
  • タンパク質の多い食事を採る。

効果的なトレーニングをすると筋肉痛になります。筋肉痛があるのは、体がダメージを受けた筋繊維を修復させているからです。筋肉は修復された後に大きくなっていくので、筋肉痛がある日はトレーニングをせずに筋肉を休ませておきましょう。

もし、筋肉痛の状態でトレーニングを続けると、筋肉が修復されず反対に細い筋肉になってしまいます。筋肉痛がある日には、ジョギングやサイクリングなどの有酸素運動を取り入れて、脂肪を落としていくといいでしょう。脂肪を落とすと、より上半身も引き締まっていくので、かっこいいボディーラインになっていきます。

また、トレーニングと同様に食事もカッコいい体を作っていくためには大事なポイントになります。脂肪の多い食事はなるべく避けて、野菜類とタンパク質の多いものを採るようにしてみましょう。鶏のささ身や胸身、牛肉、鮪などは、脂が少ないのでおすすめです。ブロッコリーや、ほうれん草などもビタミン類が豊富なので筋トレにおすすめです。

10. ダンベルプルオーバーをマスターしてカッコいい上半身に磨き上げよう!

今回は、ダンベルプルオーバーについて解説しました。筋トレ初心者のかたには、慣れるまでに、筋肉に効いているのかわかりにくいトレーニングかもしれません。

でも、正しいフォームで筋肉を意識してトレーニングをつづけると感覚がつかめてきます。ぜひダンベルプルオーバーをマスターして、逆三角形のカッコいいボディーを手に入れてください!

【合わせて読みたい筋トレ方法】