今まで筋トレをやってきて、どうも筋肉発達の停滞期に来ているらしい…という方もいるでしょう。
トレーニングを続けても体の発達が見えないと、モチベーションも下がってしまいます。停滞期を脱出するには、ハイブリッド筋トレと呼ばれるメニューをしてみることがおすすめです。
たとえば、たくましい胸板を作るには大胸筋に強い刺激を与えなければなりませんが、なかなか大胸筋が大きくならない、というときには「ダンベルフライプレス」です。
ここでは、ハイブリッド筋トレの1つダンベルフライプレスについて、特徴やメリット、正しいやり方とトレーニングのポイントなどを紹介していきます。
1. ダンベルフライプレスとは?
ダンベルフライプレスとは、「ダンベルフライ」の腕を内から外へと開く動きと、「ダンベルプレス」の腕を下から上へと押し上げる動きを組み合わせた筋トレです。
2つの筋トレのメニューを組み合わせることで、2つの動作を両方一緒にトレーニングできる効率性が、大きな魅力となっています。
ダンベルフライプレスは、既に胸筋を鍛えている方がマンネリを打破するために取り入れるハイブリッド筋トレですので、初心者にはおすすめしません。
フラットベンチも必要ですから、ジムに行ってトレーニングする方はトライしてみてください。
1-1. ダンベルフライプレスの特徴とメリット
ダンベルフライプレスの特徴は、高重量の取扱が可能なことです。
筋肉を大きく鍛えるためには、重量は大切な要素です。その点ダンベルフライプレスは、あまり重いものを扱えないダンベルフライより高重量を扱えて、ダンベルプレスより胸筋の伸展率が高くなります。
2つのトレーニングの良いところを取って違う方向から胸筋に刺激を与えられるという点が、ダンベルフライプレスのメリットです。
それでは次に、ダンベルフライプレスのもととなるダンベルプレスとダンベルフライの2つが、どのような筋トレメニューなのかを順番に紹介します。
1-2. ダンベルプレスとは?内容とやり方
ダンベルプレスは、大胸筋を鍛えるメニューで人気のトレーニングです。ダンベルとベンチがあればどこでもトレーニングが可能ですので、場所をえらばないことも人気の理由の1つでしょう。
寝ころんだ状態でダンベルを上げ下げし、大胸筋や上腕三頭筋に刺激を与えます。
やり方は以下の通りです。
- 両手でダンベルを持ち、ベンチに仰向けで寝る
- 両手をまっすぐ上にもちあげ、ゆっくりとダンベルを下ろしていく
- 反動を使わずに肘をのばし、ダンベルを持ち上げる
- 2と3を10回×3セット繰り返す
ダンベルの重量は10回をギリギリ持ち上げることができるくらいが目安です。重すぎるものはケガの原因となりますし、軽すぎるものは刺激がありません。
ポイントは以下の3つです。
- 肩甲骨を寄せること
- 肘は伸ばし切らずに少し弧を描くようにダンベルを持ち上げること
- 動作はゆっくりとする
フォームが難しいと感じた場合は、トレーナーについてもらったり自分のトレーニング姿を動画で撮って確認するなどしてみてください。
1-3. ダンベルフライとは?内容とやり方
ダンベルフライは、同じく大胸筋を鍛えるメニューで、他の筋肉をあまり使わないためにピンポイントで大胸筋に刺激を与えられます。
寝ころんだ状態でダンベルを持ち、両手で大きく弧を描いて胸と腕を開いたり閉じたりする動きです。
やり方は以下の通りです。
- ダンベルを両手で持ち、ベンチに仰向けに寝転ぶ
- 肩甲骨を寄せて胸を張る
- ダンベルを縦持ちにし、肘が90度くらいまで曲げて胸を広げていく
- 肘の角度に注意し、90度くらいになったら同じ軌道で腕を閉じるようにダンベルを上げる
- 2~4を10回×3セット繰り返す
ダンベルを持ち上げて胸がしまった状態のとき、ダンベルをくっつけるか悩む方がいますが、あまりダンベルを近づけると肘関節と肩に刺激がいってしまいます。トップポジションにおいても、肩甲骨が離れないくらいにダンベルの間隔は空けましょう。
また、ダンベルを下ろして胸を開いた状態のとき、肘を伸ばさないように注意しましょう。肘は90度くらいの角度を保つようにしてください。
ダンベルフライプレスは、以上2つの筋トレメニューを組み合わせたものです。それぞれのポイントや注意点は同じように生きますので、両方のトレーニング内容を確認してからダンベルフライプレスへといきましょう。
2. ダンベルフライプレスで刺激する筋肉は?
ダンベルフライプレスで刺激して負荷を与える筋肉は、大胸筋です。
大胸筋と一言でいっても、実際には「上部」「中部」「下部」と3つに分けられます。ダンベルフライプレスではそのすべてに刺激を与えることができるので、効率的なトレーニングと言えます。
大胸筋を鍛えることで、男性であればたくましく厚い胸板を、女性であればバストトップがしっかりと上がったハリのあるバストを手に入れることができます。
3. ダンベルフライプレスの基本的なやり方
それでは、ダンベルフライプレスの基本的なやり方を紹介します。
難易度は中程度ですが、まずは基本となるダンベルフライとダンベルプレスのフォームを習得してからダンベルフライプレスを行うようにしましょう。
- フラットベンチに仰向けに寝転ぶ
- 両手にそれぞれダンベルを持つ
- 肩甲骨を寄せて胸を張る
- ダンベルを縦持ちにして真上に持ち上げる
- 腕を開き、ダンベルを肘が90度になるまでゆっくりと下げる
- ダンベルを胸で合わせるように引き寄せ、そのまま持ち上げていく
- 上げきったらまた腕を開いて肘が90度になるまで下ろす
- 4~7を10回×3セット繰り返す
ダンベルは肘の真上となる位置で持ち、下ろしたときに手首が上や下に傾かないようにしてください。体の上でダンベルを持ったままの角度で、ただゆっくりと弧を描きながら下ろして胸を開きます。
かかとは床についたままでトレーニングをしますが、もし腰痛を持っているのであれば足はベンチの上にあげるとよいでしょう。腰に負担がかかりません。
4. ダンベルフライの効果を高めるポイント5つ
続いて、ダンベルフライプレスの効果を高めるポイントを5つ紹介します。
大胸筋を意識しながら動くことは基本として、あとの5つのポイントは以下の通りです。
- 肩甲骨を寄せて胸を張る
- 腕は弧を描くように意識する
- 動きに反動をつけない
- 呼吸は止めずにトレーニングする
- ダンベルは軽めのものから始める
4-1. 肩甲骨を寄せて胸を張る
ダンベルフライプレスの基本スタイルは「肩甲骨を寄せて胸を張る」です。トレーニング中は常にこの状態でいるようにしましょう。
肩が前にでたり背中を丸めてしまったりすれば、大胸筋に負荷をかけられません。疲れが出てくると姿勢がゆるみがちになりますが、常に胸を張ることを忘れないようにしてください。
4-2. 腕は弧を描くように意識する
ダンベルフライプレスは、腕と胸を開いてダンベルを下ろしてから、天井に向かってダンベルを押しだすというのが基本の動きです。
ダンベルを持つ腕を開いて、そのまま同じ軌道で上げるやり方を紹介しているところもありますが、下げた状態で1度胸に向かって寄せてから上に持ち上げてください。
たとえるなら、平泳ぎのような感じで繰り返していきましょう。
4-3. 動きに反動をつけない
ダンベルプレスと同じく、ダンベルを持ち上げるときに反動を使ってしまうと、大胸筋以外の筋肉に刺激が送られます。さらに関節を傷める可能性もありますので、重量の高いダンベルを使う方は特に気を付けてください。疲れがたまると、自然に反動をつけて持ち上げようとすることが増えます。
4-4. 呼吸は止めずにトレーニングする
筋トレでも呼吸は大変大切なものです。
しっかりと呼吸をすれば、おなかに圧力がかかって体勢が安定します。筋肉に正しく負荷をかけたい場合には、トレーニング中の呼吸を忘れないようにしましょう。
重量が高ければつい歯を食いしばってしまい呼吸が止まりがちですので、息を吸いながらダンベルをあげ、息を吐きながらダンベルを下げるというリズムを覚えてください。
4-5. ダンベルは軽めのものから始める
大胸筋をしっかりと意識しながらトレーニングをするためには、いきなり重量の高いダンベルを使わない方が良いです。
胸を張ってトレーニングをしないと肩や腕に刺激が逃げてしまうので、まずは正しいフォームでトレーニングをすることを優先させましょう。
フォームを覚えるためには、ダンベルはあまり重くない方がよいのです。最初はトレーナーに動き方を指導してもらうこともおすすめです。きっちりとフォームを自分のものにしてから、ダンベルの重量を上げて負荷を増やしてください。
5. ダンベルの選び方
ダンベルフライプレスは、フラットベンチとダンベルを使います。主にジムでするトレーニングですが、自宅でもトレーニングができないことはありません。
では、トレーニングで使うダンベルを購入しようとするとき、どのように選べば良いでしょうか?ここではダンベルを選ぶポイントを紹介していきます。
とりあえずと安いものを買うのではなく、自分に合ったダンベルを選んでトレーニングに励みましょう。
5-1. ダンベルの種類は2つ
ダンベルには固定式と可動式の2種類があります。固定式はおもりと手で持つシャフトが一体化しているもので、重さはあらかじめ決まっています。
固定式のダンベルのメリットとしては、思い立ったときにそのままトレーニングで使えること、値段が安いこと、サイズがコンパクトであることです。
ただし、重さは変えられないので重さごとに用意する必要がありますし、負荷のバリエーションはつけられません。
可動式のダンベルはおもりとシャフトが別々になっているもので、自分の必要とするおもりをつけられます。
可動式ダンベルのメリットは、重量の調節が可能なこと、トレーニングのバリエーションが広がること、そして複数そろえる必要がないので経済的であることです。
ただし、単品が高額であったり場所を取ったりというデメリットもあります。
初心者はまず軽めの固定式ダンベルから取り入れ、筋トレメニューを増やしたり負荷を強くしたりすれば可動式を使うと良いでしょう。
5-2. 素材は3つ
ダンベルの素材は現在のところ、3つあります。
鉄とメッキ、そしてプレート(おもり)をゴムで覆ったラバータイプです。
鉄は加工が少なく値段は安いです。メッキタイプは鉄にくらべてさびにくく、耐久性が高いという特徴があります。そして、ラバータイプはゴムで覆われているため、床にダンベルを置いたときの衝撃を吸収してくれます。
ジムでもこのタイプの取扱が多いですが、自宅でダンベルを使った筋トレをする場合には、床に傷がつきにくく衝撃音が少ないラバータイプがおすすめです。
5-3. 重さ
自分にあった重さのダンベルを選ぶべきですが、最初は自分の使いやすい重さもわかりませんので、目安を以下に紹介します。
- 女性・・・筋トレ初心者は2~5kg
中級者は5~15kg
- 男性・・・筋トレ初心者は5~10kg
中級者は10~20kg
- 男女ともに、上級者は20~40kgです。
初心者がいきなり重いダンベルを扱うと、ケガの原因となります。そのため、最大でも10kgまでにしてください。
中級者は多少重く感じても20kg前後がおすすめです。筋トレに励むうちにきつさは軽減していきますので、買い足しがないように20kg程度のものを買っておきましょう。
5-4. ダンベルを購入するときの注意点
最後に、ダンベルを購入するときの注意点を紹介します。
- シャフトの太さは28mmを選ぶ
- 2個セットで購入する
シャフトとは、ダンベルを手で持つ部分です。このシャフト部分にもサイズが複数ありますが、できれば28mmを選びましょう。
理由は、公式の競技に使われるダンベルのシャフトが28mmだからです。多くのジムでも28mmを使用していますので、ジムと同じ感覚で自宅トレーニングをするのであれば、シャフトの太さは合わせておくとやりやすいです。
そして、ダンベルを購入する際には2つセットにしましょう。ダンベルを使ったトレーニングは両手に1つずつ持つものが多く、ダンベルが1つしかないとできるトレーニングの幅が狭まります。
当然2つの方が値段は高いのですが、取り組めるトレーニング内容が増えますので、2つセットで購入してください。
まとめ:ダンベルフライプレスで憧れの厚い胸板へ!筋トレの効率を上げよう
ダンベルフライプレスは、ダンベルプレスとダンベルフライを組み合わせたハイブリッド筋トレです。
両方のトレーニング内容を合わせることで、両方のトレーニング効果を一気に手に入れられて筋トレの効率が上がります。
ダンベルプレスやダンベルフライでは筋肉の肥大化が停滞していたという方は、違う刺激を与えるためにやってみてください。
まずはダンベルプレスとダンベルフライのフォームを習得し、それからダンベルフライプレスに取り組みましょう。重量が高くできますが、その分ケガの可能性も高くなります。正しいフォームでトレーニングに励んでください。
【合わせて読みたい筋トレ方法】
- プッシュアップ(腕立て伏せ)の効果的なやり方で胸の筋トレを行う
- 自重で鍛えられる大胸筋のトレーニングを解説
- ディップスを自宅でもできる効果的なやり方で強い上半身を作ろう
- ベンチプレスの正しいやり方を解説!正しいフォームと初心者でもすぐに大胸筋が肥大するコツ
- チェストプレスで大胸筋を肥大させる正しい方法とは
- バーベルプルオーバーを効果的に行い大胸筋の成長を促す
- プルオーバーで上半身を鍛えるトレーニングのポイントを解説
- ケーブルクロスオーバーで大胸筋をバランスよく鍛えよう
- バタフライマシンを効果的に使用して大胸筋を鍛えよう
- インクラインダンベルプレスで大胸筋上部を強化する方法
- デクラインダンベルプレスで胸板を際立たせるやり方を解説
- ダンベルプルオーバーで自慢の上半身を手に入れる方法
- インクラインダンベルフライを正しい手順で行い大胸筋を鍛える
- 肩こり解消・バストアップ・猫背予防に効く胸筋のストレッチ方法