1. プルオーバーで鍛えられる筋肉と効果
プルオーバーで主に鍛えられるのは、胸の筋肉の「大胸筋」です。その他に、背中の筋肉の「広背筋」、腕の筋肉の「上腕三頭筋」も鍛えられます。
1-1. 大胸筋
大胸筋は、胸を覆っている上半身の中でも大きい筋肉。腕を押し上げる、押し下げる、押し出す、閉じるといった動作に力を発揮します。
大胸筋を鍛えると、分厚くてたくましい胸板が手に入り、男らしいボディラインに変われるでしょう。女性であれば、バストアップ効果も期待できます。結果が現れやすく服の上からでも目立つため、筋トレのモチベーションも上がります。
大きな筋肉である大胸筋は、筋肉量を増やすのに効果的です。基礎代謝が上がって、脂肪が燃えやすい体作りが期待できるでしょう。腕を動かす力が強化できるため、日常生活やパフォーマンスの向上にも繋がります。
1-2. 広背筋
広背筋は、肩甲骨より下の背中の下部に位置する筋肉。上半身を起こす動作や肩甲骨を寄せる動作に力を発揮します。
背中の筋肉は普段は見えないため、意識しにくい部位です。トレーニングで広背筋に刺激を与えるためには、肩甲骨の動きに意識を集中するのがポイントです。
逆三角形の身体は、広背筋の発達具合が大きく関係しています。鍛えれば、ウエストにメリハリがついたキレイな逆三角形の身体に仕上がり、たくましい背中に変われるでしょう。
姿勢を支える役割もある広背筋は、猫背や肩こりの改善も期待できます。デスクワークが多い人は、鍛えるべき筋肉でもあります。広背筋に刺激を与えると代謝も上がり、疲れにくい身体作りにも繋がるでしょう。
1-3. 上腕三頭筋
上腕三頭筋は、二の腕の力こぶができる部分の後ろにある筋肉。「長頭」「内側頭」「外側頭」の3種類の筋で構成されています。腕を曲げたり、後ろにさげたり、身体の中心に近づけるなど、肩関節やヒジ関節を動かす時に力を発揮します。
上腕の筋肉で最も大きい体積を誇っている上腕三頭筋は、たくましい腕を手に入れるためにはぜひ鍛えたい筋肉です。
普段は使われることがほとんどないため、トレーニングの効果が早い段階で実感できるでしょう。
腕を太くするのと同時に、余分な脂肪を落としてたるみを引き締める効果も期待できるため、二の腕痩せにもおすすめです。
2. プルオーバーの種類と鍛えられる筋肉
プルオーバーには種類があり、それぞれ動作や難易度が異なります。まずは難易度が比較的に低い動作から挑戦し、フォームやポイントをしっかりと覚えましょう。
ここでは、プルオーバーの種類やポイントをご説明します。
2-1. ダンベルプルオーバー
両手で一つのダンベルを持ち、腕を上げ下げするダンベルプルオーバー。難易度が低めの基本的な動作です。「大胸筋」「広背筋」「上腕三頭筋」が鍛えられます。
- ベンチに対して平行に仰向けになる
- ヒザを90度に曲げて体を固定する
- 両手でダンベルを持ち、腕を伸ばして胸の真上まで持ち上げる
- 腕を伸ばしたまま、ダンベルを頭の後ろまでゆっくり下ろす
- 限界まで下ろしたら、ダンベルを元の位置まで戻す
この動作を、8〜12回を目安に行います。腰をベンチから離さないように意識するのがポイントです。腰を反らせてしまうと、腰痛を引き起こしてしまう可能性があります。
ダンベルを下ろす時には、大胸筋に意識を集中して、ゆっくりと行うことも大切です。筋肉に、より高い負荷が与えられるでしょう。
2-2. ケーブルプルオーバー
ケーブルを引くことで負荷が得られる、ケーブルマシンを使ったプルオーバー。大胸筋に常に負荷をかけ続けられるトレーニングです。「大胸筋」「広背筋」「上腕三頭筋」が鍛えられます。
- ベンチに対して直角に、背中から肩甲骨あたりまでがベンチにつくようにして仰向けになる
- ヒザを90度に曲げて体を固定する
- ケーブルマシンのバーを持ち、腕を伸ばしたまま胸の上までゆっくり引き上げる
- 胸の上まで引き上げたら、バーを元の位置までゆっくりと戻す
この動作を、8〜12回を目安に行います。腕を曲げないで、まっすぐに伸ばした状態で行うのがポイントです。腕が曲がってしまうと、大胸筋に十分な刺激がかかりません。
初心者は、正しいフォームを身につけるために、軽めの重量に設定しましょう。正しいフォームを常に意識しながら行うことが大切です。
2-3. デクラインダンベルプルオーバー
ベンチに斜頸をつけられる、デクラインベンチを使ったプルオーバー。頭を脚よりも低い位置にすることで、筋肉にかかる負荷が高まります。頭部が下がった状態でのダンベルの上げ下げは、上腕三頭筋にも十分な刺激が与えられるでしょう。
「大胸筋」「広背筋」「上腕三頭筋」が鍛えられます。
- デクラインベンチに仰向けになり、足をしっかりと固定する
- 両手でダンベルを持ち、腕を伸ばして胸の真上まで持ち上げる
- 腕を伸ばしたまま、ダンベルを頭の後ろまでゆっくり下ろす
- 限界まで下ろしたら、ダンベルを元の位置まで戻す
この動作を、8〜12回を目安に行います。ダンベルを下ろす時には、動作をゆっくりと行うのがポイントです。素早く下ろしてしまうと、筋肉に強い刺激がかかりません。
大胸筋にかかる刺激を逃さないために、腕はまっすぐに伸ばした状態で行いましょう。
2-4. バーベルプルオーバー
バーベルを使ったバーベルプルオーバーは、大胸筋にさらに強い刺激が与えられる、難易度が高いトレーニングです。「大胸筋」「広背筋」「上腕三頭筋」が鍛えられます。
- ベンチに対して平行に仰向けになる
- ヒザを90度に曲げて体を固定する
- バーベルを持ち、腕を伸ばして胸の真上まで持ち上げる
- 腕を伸ばしたまま、バーベルを頭の後ろまでゆっくり持っていく
- 頭の後ろまで持ち上がったら、バーベルを元の位置まで戻す
この動作を、8〜12回を目安に行います。腕を曲げないで、まっすぐに伸ばした状態で行うのがポイントです。腕を曲げすぎてしまうと、広背筋や上腕三頭筋のみに負荷が逃げてしまい、大胸筋が十分に鍛えられません。
バーベルプルオーバーは、ダンベルを使ったプルオーバーと比較すると、腰や胸、腕に負担がかかりやすいトレーニングです。正しいフォームを身につけるために、最初は軽めの重量に設定して行いましょう。
3. プルオーバーの注意点
筋肉を効果的に鍛えるためには、ターゲットとなる筋肉により強い刺激を与える必要があります。
プルオーバーは、体の動きを少し変えると、筋肉にかかる刺激も変化します。ヒジを閉じて行うと大胸筋に刺激がかかりやすく、ヒジを開いて行うと広背筋に刺激がかかりやすいと言われています。
トレーニングをする時には、狙った筋肉にできるだけ刺激が与えられる動きを、常に確認しながら行いましょう。
4. まとめ
プルオーバーは、胸の筋肉の「大胸筋」、背中の筋肉の「広背筋」、腕の筋肉の「上腕三頭筋」が鍛えられるトレーニング。腕を曲げずに姿勢をキープして、正しいフォームを常に意識して行うのがポイントです。
初心者は、軽めの重量に設定し、フォームをしっかりと身につけることを心がけましょう。正しいフォームを習得した上で、徐々に重量を重くして負荷を高めていくのが、効果が実感できるおすすめの方法です。
ウエイトの上げ下ろしをするプルオーバーは、大胸筋を鍛える多くのトレーニングとは動作が異なります。そのため、筋肉に新しい刺激がかかり、成長が促進できるというメリットもあります。
いつものトレーニングに組み合わせて、たくましくてキレイな逆三角形のシルエットを、効率良く手に入れましょう。
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