バタフライマシンを効果的に使用して大胸筋を鍛えよう

スポーツジムに行くと1台は置いてある大胸筋を鍛えるマシン「バタフライマシン」。使い方もシンプルなので恐らく、誰もが一度は使用したことがあるのではないでしょうか。

バタフライマシンは簡単そうに見えますが、トレーニングのやり方次第では大胸筋にあまり効きません。そこで今回は、バタフライマシンの正しく使い方と、効果的なトレーニング方法、そして、バタフライマシンと合わせて行うとさらに効果のあるトレーニングもご紹介します。

大胸筋のトレーニングに興味のある方はぜひ参考にしてください。

1. バタフライマシンとは

バタフライマシンとは、まるでバタフライ(蝶)が羽ばたくような動作をしながら、胸の筋肉である「大胸筋」を鍛えるトレーニングマシンで、左右のグリップを握り、両腕を胸の前まで持ってきて閉じたり、開いたりして大胸筋に刺激を与えます。

バタフライマシンは、ペックフライマシンやペクトラルマシンとも呼ばれることもありますが、ペックの正式名称はペクトラルで、解剖学で「胸部」をさします。

トレーニング名としては、チェストフライ、バタフライ、フライ、ペックフライと様々な名称で呼ばれます。

2. バタフライマシンの種類

バタフライマシンには、主にグリップ式とパッド式の二種類があります。

グリップ式とパッド式のどちらも、基本的には同じ動作を行ってトレーニングをします。違いとしては、パッド式は、肘を90度にまげて肘をパットに当てて使用しますので、肘が固定されることにより腕の力を使いにくくなります。そのためより大胸筋を意識してトレーニングが行えます。

肘が固定される分、大胸筋を使いやすくなるのでパッド式の方が筋トレ初心者には使いやすいでしょう。

3. バタフライマシンで鍛えられる筋肉「大胸筋」とは

「大胸筋」とは、胸の前の骨である「胸骨」首元の「鎖骨」そして、腹筋の一部から肩にかけて扇状に走っている胸の筋肉です。

大胸筋は、上部、下部、外部、内部の四つの筋肉で構成され、腕を上げ下げさせてり、開いたり閉じたりするときに働く筋肉です。

バタフライマシンでは大胸筋の内部と外部を鍛えることができます。

4. バタフライマシンのメリット

バタフライマシンには主に以下のようなメリットがあります。

4-1. 大胸筋を効果的に鍛えることができる

バタフライマシンは、主に肩関節だけを動かしてトレーニングを行うので、正しいファームで行えば腕や肩などへあまり負荷を逃さずに、大胸筋を集中して鍛え上げることができます。

また、腕の軌道が固定されるので、フォームに自信がない初心者でも比較的簡単に使うことができます。正しく行えば、腕や肩などの筋肉はほとんど使わないので、大胸筋を集中して鍛えることができます。

4-2. 他の種目より大胸筋をストレッチできる

バタフライマシンの特徴の一つが、構造上グリップの位置が肩よりも後ろに設定されていることです。

腕を肩の後ろにもってくることができるので、ベンチプレスや、チェストプレスよりも大胸筋をストレッチさせながらトレーニングができるため、より大胸筋に負荷をかける事ができます。

ただし、無理に腕を広げてしまうと、肩を痛めてしまう恐れもあるので、腕は無理のない範囲まで広げるようにしてください。

4-3. 大胸筋の内側を鍛えやすい

大胸筋を鍛えるトレーニングとして代用的なのが、「ベンチプレス」ですが、バタフライマシンは、両腕を寄せて大胸筋を収縮させるので、ベンチブレスでは鍛えにくい大胸筋の内側を鍛えることができます。

大胸筋の内側を鍛えることにより、胸の谷間がくっきり出てくるので、カッコいい胸の形になっていきます。

ただし、バタフライマシンでは、ベンチプレスのような高重量は扱えないので、大胸筋の形を整える補助的なトレーニングとして行うと良いでしょう。

4-4. 筋トレ初心者にも使いやすい

バタフライマシンは、両腕を動かすときに腕の軌道方向が固定されているので、ダンベルやバーベルを使うフリーウエイトトレーニングよりも、安定したフォームでトレーニングができます。

フォームが乱れにくいので、筋トレ初心者でも効果的に大胸筋を鍛えるとこができます。また、間接に余分な負荷がかかりにくいので、フリーウエイトトレーニングよりも安全に行えます。

ただ、腕の軌道が正しくても、背中のフォームが悪いと、大胸筋への刺激が軽減するので、トレーニング中は、背中を丸めずにしっかりと胸を張り行うように意識しましょう。

5. バタフライマシンを使う時の正しいフォーム

バタフライマシンは、椅子に座り左右のグリップを胸の前でよせて開くだけのシンプルな動作ですが、正しいフォームで行わないと大胸筋にしっかりと効きません。

バタフライマシンを使う時には以下の点に気を付けましょう。

5-1. 胸をしっかりと張る

バタフライマシンだけではありませんが、大胸筋を鍛えるベンチプレスやダンベルプレスでも同じで、大胸筋を鍛える時には、胸をしっかりと張らないといけません。

そのためには、背筋を伸ばして肩甲骨を寄せておくことがポイントになります。肩甲骨を寄せることにより、大胸筋がストレッチされやすくなります。また、肩が固定されるので大胸筋を集中して鍛えることができます。

5-2. 腕は巻き込まない

左右のグリップを胸の前に持ってくるときに腕を巻き込んでしまうと、背中が丸まってしまいフォームが崩れ、せっかく大胸筋にかかった負荷が腕や肩に逃げてしまいます。

両腕は巻き込まずに、フォームを崩さずにしっかりと大胸筋を収縮させましょう。

5-3. 適した重量を使う

バタフライマシンは、腕の軌道を安定させて使えますが、大胸筋にしっかりと刺激を与えるためには、胸を張ったフォームが大事になります。

このフォームに慣れていない筋トレ初心者は、はじめのうちは、フォームが維持できる重量を扱い、なれてきたら徐々に重量を上げてみましょう。

大胸筋に刺激を与えるポイントは、いかに大胸筋をストレッチさせてその後にしっかりと収縮させることです。

そのために、肩甲骨をよせて胸を張ることは大事ですので気を付けておきましょう。

6. バタフライマシンで効果的に大胸筋を鍛えるポイント

バタフライマシンで効果的に大胸筋を鍛えるポイントは、先述しました「正しいフォーム」で行うことです。

バタフライマシンは、簡単に腕の筋肉を使って動作することができます。そのためには、背中を意識し、肩甲骨を固定してできるだけ大胸筋のみを使うことがポイントになります。

ただ椅子に座り、両腕を動かしているだけでは、大胸筋に負荷が十分にかかりませんので、

しっかりと、正しいフォームを維持して、大胸筋を伸縮させてトレーニングをしていきましょう。

7. バタフライマシンを使ったトレーニング方法

ここでは、グリップ式、パッド式のバタフライマシンを使ったトレーニング方法と、バリエーションも合わせてご紹介します。

正しいフォームを身につけてバタフライマシンを使いこなしてください。

7-1. バタフライマシンを使ったトレーニング【グリップ式】

グリップ式のバタフライマシンは、しっかりしたフォームさえできれば、特に難しい動作はありません。ただ、肘を伸ばした状態で行うと、肘を怪我してしまう可能性もあるので、肘は若干曲げて行いましょう。

グリップ式バタフライマシンの使い方

  1. バタフライマシンに座る。
  2. グリップが肩より少し低い高さになるようにシートを調節する。
  3. 胸を張り、肩甲骨を寄せて背もたれにつけフォームを作る。
  4. 左右のグリップを握り両腕を胸の前に寄せ、スタートポジションを作る。
  5. ゆっくりと息を吸いながら両腕を開き大胸筋をストレッチさせる。
  6. ゆっくりと息を吐きながら両腕を胸の前に寄せて、1~2秒キープする。
  7. 5と6を10回繰り返す
  8. 7を1セットとして3セット行う。

グリップ式バタフライマシンの注意点は

  • 肩甲骨を寄せて胸を張る。
  • 両腕を寄せるときに背中を丸めない。
  • 大胸筋のストレッチと収縮を意識する。

7-2. バタフライマシンを使ったトレーニング【パッド式】

パッド式は、肘を曲げることによりグリップ式よりも重い重量を使うことができます。

やり方自体はグリップ式とほとんど変わりませんし、肘を曲げる分グリップ式よりも使いやすいでしょう。

パッド式バタフライマシンの使い方

  1. バタフライマシンに座る。
  2. 肘を曲げてパッドに当てグリップを握る。
  3. 肘の高さが肩より少し下になるようにシートを調節する。
  4. 胸を張り、肩甲骨を寄せて背もたれにつけフォームを作る。
  5. 左右の肘を胸の前に寄せ、スタートポジションを作る。
  6. ゆっくりと息を吸いながら両肘を開き大胸筋をストレッチさせる。
  7. ゆっくりと息を吐きながら両肘を胸の前に寄せて、1~2秒キープする。
  8. 6と7を10回繰り返す
  9. 8を1セットとして3セット行う。

パッド式バタフライマシンの注意点は

  • 肩甲骨を寄せて胸を張る。
  • 両腕を寄せるときに背中を丸めない。
  • 大胸筋のストレッチと収縮を意識する。

7-3. バタフライマシンの応用編【リバースフライ】

リバースフライとは、バタフライマシンに向き合うように座り行います。通常のやり方とは反対になるので、大胸筋ではなく、背中の筋肉の「僧帽筋上部・中部」や肩の筋肉である三角筋の後ろにある「三角筋後部」が鍛えられます。

リバースフライのやり方

  1. マシンに向かい合わせになるように座ります。
  2. シートの高さを、グリップの位置が肩よりやや下のところに調節します。
  3. 胸を張り、グリップを握ります。
  4. ゆっくりと吐きながら両腕を真横まで開き1~2秒キープします。
  5. ゆっくりと息を吸いながら両腕をもとの位置に戻します。
  6. 4と5を10回繰り返す
  7. 6を1セットとして3セット行う。

リバースフライの注意点は

  • 腕を広げるときは、肩甲骨を寄せるように広げる。
  • 僧帽筋上部・中部、三角筋後部のストレッチと収縮を意識する。
  • 肘はまっすぐではなく軽く曲げておく。

8. バタフライマシンと合わせて行うと効果的なレーニングの紹介

バタフライマシンは大胸筋を集中的に鍛えることができますが、高重量は扱えないので、筋肉をさらに大きくしていくためには、他のトレーニングを取り入れていかないといけません。

ベンチプレス、ダンベルプレス、チェストプレスなどもメニューに取り込むと、より効果的に大胸筋を鍛えていくことができます。それぞれのやり方を簡単にご紹介します。

8-1. ベンチプレス

ベンチプレスはフリーウエイトトレーニングでは代表的なトレーニング方法です。プッシュ系のトレーニングで最も高重量を使うことができます。

ベンチプレスのやり方

  1. トレーニングベンチに仰向けになる。
  2. バーベルが顎の上に来るぐらいに体の位置を調整する。
  3. 肩甲骨を寄せて肩を下げ固定します。足も床にしっかりつけます。
  4. 肩幅よりやや広めにバーベルを握ります。
  5. 肩甲骨を寄せたまま、バーベルをラックから外し肩の上に構えます。
  6. ゆっくりとバーベルが軽く胸に触れるところまで下ろします。
  7. バーベルを上げ、もとの位置に戻します。
  8. 6と7を8回繰り返す。
  9. 8を1セットとして、2~3セット行う。

ベンチプレスの注意点は

  • 肩甲骨をしっかりと寄せておく。
  • 大胸筋のストレッチと収縮を意識する。
  • フォームが崩れる重量はつかわない。

8-2. ダンベルプレス

ダンベルプレスは、ダンベルを使って大胸筋を鍛えるプレス系のトレーニングです。

重すぎる重量を使うと腕のフォームが崩れるので、慣れないうちは軽い重量を使いましょう。

ダンベルプレスのやり方

  1. ダンベルを持ちトレーニングベンチに仰向けになります。
  2. ダンベルを持ち、バーベルを上げるように両腕を真上に上げます。
  3. 肩甲骨を寄せて肩を下げ固定します。足も床にしっかりつけます。
  4. ゆっくりと肘を曲げながらダンベルを下ろし大胸筋をストレッチさせます。
  5. 今度は、ダンベルを上げ、大胸筋の収縮が感じられるところまで上げる。
  6. 4と5を10回繰り返す。
  7. 6を1セットとして、2~3セット行う。

ダンベルプレスの注意点は

  • 肩甲骨をしっかりと寄せておく。
  • 腕は大胸筋の収縮が感じられるところまで上げる。上げすぎないこと。
  • フォームが崩れる重量はつかわない。

8-3. チェストプレス

チェストプレスは、チェストプレスマシンを使うので、ベンチプレスよりも簡単に大胸筋を鍛えることができます。

ただし、フォームが間違っていると、大胸筋に上手く刺激が与えられないので、正しいフォームで行っていきましょう。

  1. チェストプレスマシンに座る。
  2. グリップの位置がバストトップの高さになるようにシートを調節する。
  3. 胸を張り、肩甲骨を寄せて背もたれにつけフォームを作る。
  4. 左右の肘を90度に曲げグリップを握り、スタートポジションを作る。
  5. ゆっくりと息を吐きながら両腕を前に押し出し大胸筋を収縮させる。
  6. ゆっくりと息を吸いながら両腕をもとの位置に戻す。
  7. 5と6を10回繰り返す
  8. 7を1セットとして3セット行う。

チェストプレスの注意点は

  • 肩甲骨を寄せて胸を張る。
  • 両腕を前に押すときは背中を丸めない。
  • 大胸筋のストレッチと収縮を意識する。

もし、ベンチプレスやダンベルプレスが苦手なひとは、チェストプレスマシンを使ってみると良いでしょう。

これらのプッシュ系のトレーニングで高重量を使い、大胸筋を大きくさせながら、バタフライマシンで、大胸筋の内側と外側を集中的に鍛えて形を整えていくのが理想的なトレーニングになります。

9. ダンベルフライとはどうちがうのか?

バタフライマシンを使うトレーニングとダンベルフライは、どちらも同じように大胸筋を鍛えるトレーニングです。

ダンベルフライは、ダンベルを使うフリーウエイトトレーニングになりますので、ダンベルを動かすときの腕の軌道は自分で決めながら行わないといけません。

腕の軌道が安定せず、バタフライマシンより大胸筋に刺激を鍛えるのが難しいかもしれませんが、バタフライマシンが無い時にできる大胸筋のトレーニングです。

9-1. ダンベルフライ

ダンベルフライは、重すぎる重量を使うと腕のフォームが崩れるので、軽めの重量を使ってフォームに慣れていきましょう。

ダンベルフライのやり方

  1. ダンベルを持ちトレーニングベンチに仰向けになります。
  2. 肩の真上にダンベルが来るように両腕を上げます。手のひらは向かい合わせにします。
  3. 肩甲骨を寄せて肩を下げ固定します。足も床にしっかりつけます。
  4. ゆっくりと肘を外に開くようにダンベルを下ろし大胸筋をストレッチさせます。
  5. 今度は、ダンベルを上げ、大胸筋の収縮が感じられるところまで上げる。
  6. 4と5を10回繰り返す。
  7. 6を1セットとして、2~3セット行う。

ダンベルフライの注意点は

  • ダンベルは弧を描くように軌道させる。
  • 肩甲骨をしっかりと寄せておく。
  • 腕は大胸筋の収縮が感じられるところまで上げる。上げすぎないこと。
  • フォームが崩れる重量はつかわない。

9-2. 筋トレ初心者はバタフライマシンにまずは慣れましょう

ダンベルフライは、腕の軌道を自分で決めてトレーニングをしないといけないので、しっかりと大胸筋に刺激が与えられる腕の軌道を覚え、正しいフォームを身につけないといけません。

反対に、バタフライマシンは腕の軌道が固定されているので、腕のフォームは安定してきます。胸と背中のフォームを正しくして行うとダンベルフライよりも大胸筋を鍛えやすくなります。

またバタフライマシンはダンベルフライと違い、両腕を寄せていても常にマシンによって両腕は引っ張られ、大胸筋に負荷がかかります。

トレーニング中はずっと大胸筋に負荷がかけられた状態になりますので、その分効果的なトレーニングになります。

筋トレ初心者は、バタフライマシンになれてからダンベルフライにチャレンジしてみましょう。

10. 自宅で大胸筋を鍛えるには?

自宅にトレーニング専用の部屋がある人は別にして、バタフライマシンを自宅で使うのは、費用や場所の問題があるので、あまり現実的な選択肢ではないでしょう。

もし、自宅でバタフライマシンに変わるトレーニングをしたいのであれば、「ダンベルフライ」をやってみることです。

ダンベルフライを行うためには、「ダンベル」と「トレーニングベンチ」が必要になりますが、これだけあれば様々なトレーニングが可能になります。

ダンベルプレスとダンベルフライの両方を行うことができるようになるので、自宅でも効果的に大胸筋を鍛えることができるでしょう。

また、ダンベル以外でもチューブを使って同様のトレーニングができます。

自宅のカーテンのフックなどにチューブを引っ掛けて、バタフライマシンと同じようにトレーニングをすればいいだけなので、簡単に取り組むことができます。

ただし、バタフライマシンやダンベルフライよりも大胸筋にかかる負荷は減りますので、リハビリや、軽い筋トレをしたい方におすすめです。

11. バタフライマシンを使ってカッコよくセクシーな胸を作り上げましょう!

今回はバタフライマシンの基本的な使い方から、効果的な使い方などをご紹介致しました。バタフライマシンは決して難しいマシンではありません。誰でも気軽に使えるマシンなのでぜひ正しい使い方をマスターして、他のトレーニングと合わせていって、カッコよく、セクシーな胸を作り上げて下さい!

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