ショルダープレスの効果的なトレーニングのコツ&ポイントを徹底解説

筋トレに励む方は、日本でも男女ともに多くなっています。筋トレ目的が「とにかく見た目の印象をパッと格好よくしたい」という方は、まず肩を鍛えましょう。肩の筋肉を発達させると体全体のシルエットが変わってきて、他の部位も引き締まって見えます。

ここでは肩の筋肉・三角筋を鍛えるトレーニングメニュー「ショルダープレス」について、さまざまな角度から紹介していきます。

いつものトレーニングに肩の筋トレメニューを組み合わせ、理想の体形を手に入れましょう。

1. ショルダープレスとは?

ショルダーは英語で「肩」、プレスは「押す」という意味です。肩の筋肉を使ってダンベルやバーベルといったウエイトを押し上げる運動が、ショルダープレス。トレーニング自体はシンプルな動きですが、高重量を扱うため筋トレの難易度としては中級者程度です。

ある程度全身の筋肉がつきつつある、という方は、ショルダープレスに取り組んで肩の筋肉を鍛えていきましょう。

1-1. バージョンは2つある

ショルダープレスと呼ばれる筋トレメニューには、ダンベルを使ったものとバーベルを使ったもの、2種類があります。

使う道具は違いますが、2つのメニューで鍛えられる筋肉部位は同じです。しかし、トレーニングの特徴は使う道具によって若干の違いがありますので、それを紹介しましょう。

それぞれのトレーニング効果を見て、お好きな道具でトレーニングをしてみてください。

  • ダンベルショルダープレス

特徴は、低負荷からトレーニングをスタートできることです。女性や筋トレ初心者など、重量によっては取り組めないという方でも大丈夫。また左右別々にダンベルを持つことができるため、スポーツの動作にあわせたフォームの応用もできます。

ダンベルは購入して自宅にあるという方も多く、自宅で好きなときにトレーニングに取り掛かれるというメリットもあります。

  • バーベルショルダープレス

バーベルは負荷が高く、椅子に座った状態でトレーニングを行います。そのため、姿勢が安定した状態でスタートでき、正しいフォームも覚えやすいです。

持ち上げる方向が決まっているので、特定の部位に刺激を集中できることも大きなメリット。負荷を上げられるので筋力向上にも向いています。

2. ショルダープレスで鍛えられる筋肉部位3つ

ショルダープレスでは、肩まわりの3つの筋肉部位が鍛えられます。メインターゲットが1つとサブターゲットが2つ、「三角筋」「上腕三頭筋」そして「僧帽筋」です。以下で説明していきましょう。

2-1. メインターゲット1つ・「三角筋」

ショルダープレスのメインターゲットは、三角筋です。特に三角筋の前部と中部には強い負荷をかけられます。

三角筋は上腕の一番上にある筋肉で、肩関節を覆うようについています。大胸筋と同じく腕を上の方へ押し出すことが主な役割です。三角筋は単体の筋肉ではなく、前・中・後の3つの部位に分かれています。前は腕を前へ上げる、中は腕を横に上げる、後は腕を後方へ上げるという役割で、少しずつ違っています。

ダンベルなどウエイトを下げるときに三角筋後部も使いますが、多く刺激がいくのは前と中だと覚えてください。

2-2. サブターゲット2つ・「上腕三頭筋」「僧帽筋」

サブで鍛えられるのは、上腕三頭筋や僧帽筋です。

上腕三頭筋は二の腕の後ろ側の筋肉、女性の多くが「振袖肉」があると悩む箇所です。ものを押すといった動作で使っています。

そして、僧帽筋。僧帽筋は首から肩、肩甲骨に伸びる筋肉で、肩凝りを起こす場所です。肩甲骨を動かすための筋肉で、ここを鍛えることで肩凝り解消できます。

メインターゲットよりは刺激が少ないですが、繰り返すうちにこの2つもかなり鍛えられていきます。上半身をバランスよく鍛える「懸垂(チンニング)」などと一緒に、取り組んでいきましょう。

3. ショルダープレスの効果と一緒に行いたい筋トレメニュー

ショルダープレスの効果、そしてよりその効果を高めるために一緒に行いたい筋トレメニューを紹介します。

3-1. 得られる効果

ショルダープレスを行うと得られる効果で最も大きなものは、「たくましい肩が手に入る」です。

バーベルを使って行うとかなりの重量を扱うことができるメニューなので、継続してトレーニングを行えば肩の筋肉はかなり発達します。

肩が大きくなると肩幅が広がるため、たくましく頼りがいがある大きな背中になれます。腰周辺の筋肉が引き締まっていれば自動的に逆三角形の体形になれますので、洋服もスタイリッシュに決まります。

さらに、ショルダープレスは体幹を鍛えることも可能。バランス感覚が養われ、引き締まった腹筋も得られるでしょう。

また、アメリカでは女性の多くが肩の筋トレに励んでいます。その理由は、あまり大きく発達しすぎない肩を鍛え、腕を細く見せるため。腕の骨は細くすることはできませんので、肩を鍛えて相対的に腕をほっそりと見せているのです。

女性には、そういう観点からもショルダープレスで肩を鍛えることがおすすめです。

3-2. 一緒に行いたい筋トレメニュー

ショルダープレスの効果をもっと高めたいなら、肩と一緒に胸も鍛えることがおすすめです。

たとえば、主に大胸筋を鍛えるけれど肩の筋肉にも刺激が送れる「ベンチプレス」。そして、上腕三頭筋がメインターゲットになっている種目、「フレンチプレス」です。

一緒に行えば上半身を一気に全部鍛えられるので、今日は上半身の日と決めてトレーニングを組み合わせてください。

4. ショルダープレスの正しいやり方

では、ショルダープレスの正しいやり方をダンベルとバーベルそれぞれに紹介していきましょう。かなりの重量を扱えるメニューですので、正しいフォームで行うことはケガ予防の観点からも必須。しっかりと確認してください。

4-1. ダンベルバージョンの正しいやり方

ダンベルバージョンは、座った状態でも立った状態でも大丈夫です。ただし、初めて行う方や筋トレ初心者の方は、体勢が安定するため座ってやるようにしましょう。

  1. 椅子に深く座り、背筋を伸ばす
  2. 手の甲が背中側、手のひらがお腹側になるようにダンベルを持ったら、両肩の上、耳の横あたりにダンベルを持ち上げて構える
  3. 側頭部を通るようにして、ダンベルを真上へ持ち上げる
  4. 肘が伸びきる直前まで持ち上げたら、3秒キープ
  5. 腕が肩と同じ高さ、肘が90度になるまで、ゆっくりとダンベルをおろしていく
  6. 3~5までを15回繰り返す
  7. インターバルで60秒休憩を取る
  8. 残り2セットを行う

ダンベルは10kg程度のものからスタートしてください。慣れてきたら、立ったままでも行えます。上げるときには1カウント、下ろす時には5カウントを数えれば、トレーニングのリズムを覚えやすいです。

4-2. バーベルバージョンの正しいやり方

バーベルショルダープレスは椅子に座って行いましょう。安全のため、背もたれがあるベンチを使うことをおすすめします。

  1. ベンチに座り、順手でバーベルを握って肩に担ぐイメージでアゴの前程度まで持ち上げる
  2. 背筋を伸ばし、胸を張る
  3. バーベルを一気に頭上まで持ち上げる
  4. 肘が伸びきる直前まで持ち上げたら、2秒キープ
  5. バーベルをゆっくりと肩の高さ、アゴの前まで下ろす
  6. 3~5までを10回繰り返す
  7. インターバルで60秒休憩を取る
  8. 残り2セットを行う

バーベルを持ち上げるときには息を吐き、下ろすときには息を吸いましょう。こちらも、上げるときには1カウント、下げるときには5カウントと数えながらやってみてください。

5. ショルダープレス2種類に共通する注意点

正しいやり方を理解したら、続いて注意点もチェックしていきましょう。

ショルダープレスは立ったままでも座ったままでもトレーニング可能で、ダンベルでもバーベルでもできます。他にもバリエーションがありますが、すべてのショルダープレスに共通する注意点を以下5つ紹介します。

  • 肘はおもりの下にくる
  • 胸を張る
  • 上げたときに肘を伸ばし切らない
  • 軽い重量から始める
  • 呼吸を止めない

5-1. 肘はおもりの下にくる

ダンベルを使ってもバーベルを使っても、持ち上げる前には肘がおもりの下に来ているようにしましょう。肘は肩のラインをキープするのが正しいフォームですから、おもりは常に肩のラインより上にあることになります。

肘をおもりの下にすることで、刺激が肩にしっかりと入ります。違う位置に肘があると、刺激は肩以外に逃げてしまったり余分な力が必要となったりしてしまいます。

5-2. 胸を張る

トレーニング中には背筋を伸ばす必要がありますが、胸をはれば背筋は自然と伸びます。背筋がのびればしっかりと肩に負荷がかかるため、胸を軽くはって背筋を伸ばすようにしましょう。

背中が丸まっていると負荷が肩に入らないばかりでなく、ケガもしやすくなります。最初の頃は鏡で姿勢が正しいか確認したり、トレーナーについてもらったりしてください。

5-3. 上げたときに肘を伸ばし切らない

ダンベルでもバーベルでも、頭上にウエイトを持ち上げた時に肘を伸ばし切らないようにします。肘を伸ばし切れば関節を使えてトレーニングが楽になりますが、筋トレはそもそも楽をしては効果を得られません。

肩にしっかり刺激を送るために、肘は伸ばし切らないでください。また、重量が重くなってくると肘を伸ばし切ると関節に負担がかかりケガする可能性があります。ケガを予防する意味でも、腕、肘を伸ばし切らないようにしてトレーニングを行いましょう。

5-4. 軽い重量から始める

ウエイトは、軽い重量からスタートします。ショルダープレスはそもそも筋トレ中級者あたりからトライするメニューですが、肩は他の筋肉部位に比べてケガをしやすいところです。

1度ケガをすると日常生活にも大きな影響があるのが肩。筋トレに慣れていてもショルダープレスに慣れていない内は、重量は軽めで行ってください。

5-5. 呼吸を止めない

ショルダープレスは高重量を扱える筋トレメニューです。重いものを持ち上げるときは、多くの人がつい歯を食いしばって息を止めてしまいます。

しかし呼吸を止めると血圧があがり、血管や心臓に負担がかかってしまいます。そのため、高重量のトレーニング中に呼吸をしっかりしていないと、人によっては失神してしまうこともあり危険です。

ショルダープレスでは上げるときに息を吐き、下ろすときに息を吸います。そのリズムを覚え、呼吸が止まらないように注意しましょう。

6.ショルダープレスの最初の重量と平均重量は?

ショルダープレスをするときには軽めの重量から、と説明しました。では軽めとはどの程度なのか、紹介します。

人によって持っている力は異なりますので、当然設定する重量にも個人差があります。しかし、ショルダープレスを初めてやるときには、まず10kgから取り組んでください。これはダンベルの場合、片手の重量になります。

やってみて重量が軽すぎると感じる方は、重量を増やす前に動作をよりゆっくりと行ってみましょう。ゆっくりと動かすことで筋肉により効かせることができ、10kgであっても十分に刺激を感じられるはずです。

そして、念のための平均重量も紹介しておきます。

通常、成人男性(体重60kg程度)の方であれば、平均重量は20kgです。筋トレ中級者で60kg程度。つまり、初心者は自分の体重の3分の1が目安で、中級者以上になれば自分の体重とほぼ同じ程度の重量が扱えます。

大切なことはフォームが正しいか、継続して行っているかであって重量ではありませんが、数字が気になる方もいるでしょう。トレーニングのときの参考にしてください。

7. ショルダープレスを行うときに便利なアイテム

ショルダープレスを行うとき、ぜひ利用してもらいたい便利なアイテムがあります。ケガの予防やパフォーマンスの向上に役立つ以下2つのアイテムをチェックしていきましょう。

  • リストラップ
  • トレーニングベルト

7-1. リストラップ

リストラップは手首の関節への負担を減らし、安全性を高めてくれるアイテム。そこそこ重量が高い筋トレメニューをこなしているとき、手首がおもさに耐えきれずに反ってしまう方は利用しましょう。

  • リストラップの選び方

リストラップを選ぶときに悩むのが、長さではないでしょうか。ほとんどメーカーでは、30㎝、60cm、90cmの3種類が用意されています。

長さがあればホールド力が高まりますし、調整もしやすいでしょう。しかしその分、毎回まくときに時間がかかります。

一般的によく売れているのは、60cmです。ほどほどの長さがあるうえにしっかりと巻け、時間もそこまでかかりません。ただし、ベンチプレスで130kgをこえるような超高重量トレーニングを行う場合には、90cmがおすすめです。

  • リストラップの巻き方

巻き方も紹介しておきます。

  1. ゴムを親指にひっかけ、小指方向にリストラップを引っ張る
  2. 手首を少し倒し、巻いていく
  3. 関節を覆うようにテンションをかけ、固定する
  4. 巻き終わったら親指からゴムを外す

関節だけでなく、手の甲にかぶさるように巻くのがポイントです。

7-2. トレーニングベルト

トレーニングベルトは体幹を高めたり腰を保護したりし、筋トレ効果を向上させてくれるアイテムです。高い重量を扱う筋トレメニューのときは、予めトレーニングベルトを使っている方が安全です。腰を守り、トレーニング効果をアップさせましょう。

  • トレーニングベルトの選び方

トレーニングベルトはベルトの幅によって、負荷のかかり方や扱い方が若干違ってきます。ベルトの幅が広くなればお腹にかかる負荷もふえるため、筋トレ上級者や男性に向いています。一方幅が細いタイプのものは、初心者や女性でも扱いやすく、腰の負担が軽くなっています。

布製と革製がありますが、布製は初心者から中級者、革製は上級者におすすめです。布製は伸縮性があって軽いのが特徴。革製はベルトそのものにも重量があり、筋トレのパフォーマンスを大きく向上させます。

当然、自分のウェストサイズに合わなければトレーニング効果どころではありません。まずは自分のウェストサイズをしっかりとはかり、その上でベルトの幅、革製品か布製品かを選びましょう。

また、バックルにも違いがあります。「ピン」「マジックテープ」そして「レバーアクション」の3種類が販売されています。ピンは一般的には初心者や女性向け、マジックテープは初心者向け、レバーアクションは筋トレ上級者や男性向けと言われています。

ベルトの幅、素材、バックルの種類を自分のウェストサイズと合わせて選んでいきましょう。

まとめ:ショルダープレスでたくましい肩を作ろう!

肩の筋肉を鍛えるベストな筋トレメニューが、ショルダープレス。ダンベルでもバーベルでもマシンでもできるトレーニングで、肩の筋肉・三角筋に強烈な刺激を与えられます。

高重量を扱えるメニューですので、大切なのは正しいフォームとやり方です。ケガをしないように、フォームは確認してから行ってください。

ショルダープレスをするにあたって便利なアイテムも紹介しました。肩の筋肉を鍛えるなら、自分に合ったものを1つは持っておくのがおすすめです。

肩をショルダープレスで鍛え、格好良い体を手に入れましょう。

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