ブルガリアンスクワットのやり方とコツを解説

脚やお尻など、多くの男女が気になる部分を重点的に鍛えられるのが「ブルガリアンスクワット」です。

台の上に片足をのせてするスクワットですので、ジムに限らず自宅でも手軽にトライできます。

お尻をきゅっと引き上げたい!

しなやかなレッグラインがほしい!

パワフルな下半身が必要!

そんな願いを持つ方は、ブルガリアンスクワットで下半身を鍛えていきましょう。

ここではブルガリアンスクワットの効果、正しいフォームややり方、注意点などを細かく紹介していきます。正しいやり方で、理想とする脚やお尻を手に入れてください。

1. ブルガリアンスクワットとは?

ブルガリアンスクワットは片足でするスクワットです。

特徴的なトレーニング名は、ブルガリア代表のオリンピック選手が下半身のトレーニングとして頻繁に行っていたことが由来となっています。

椅子のような台があればどこでもトレーニングできますので、ジム・公園・自宅など場所や時間を選ばない筋トレとして、多くの人が行っています。

2. ブルガリアンスクワットで鍛えられる筋肉とは?

ブルガリアンスクワットは、下半身を強く刺激する筋トレです。では、具体的にはどこのどの筋肉に刺激を送るのでしょうか。

鍛えられるのは、以下の4つの筋肉です。

  • 大腿四頭筋
  • ハムストリングス
  • 大臀筋
  • 内転筋

2-1. 大腿四頭筋

大腿四頭筋(だいたいしとうきん)は、太ももにあります。体の中で最も大きな筋肉であり、大腿直筋・内側広筋・外側広筋・中間広筋の4つの筋肉の総称です。

作用としては、膝関節を伸ばしたり股関節を屈曲させたりします。歩く・走るといった基本的な動作に大きな影響がありますので、鍛えれば普段の生活のパフォーマンスも上げることができます。

鍛えれば大きく発達する筋肉ですので、男性で脚をもっと太くしたいと考える方は重点的に鍛えるとよいでしょう。

2-2. ハムストリングス

ハムストリングスは大腿四頭筋の裏側にある筋肉で、大腿二頭筋・半腱様筋・半膜様筋という3つの筋肉の総称です。

作用は膝の屈曲と股関節の伸展ですので、大腿四頭筋と真逆の動きをすると覚えてください。同じく、歩いたり走ったりという日常動作で使い、ブレーキをかける動作に影響します。

ここを鍛えると美脚効果が期待できますので、脚のラインを奇麗にしたいと願う女性はトレーニングをしましょう。

2-3. 大臀筋

大臀筋(だいでんきん)はお尻の筋肉で、単一の筋肉としては体の中で最も大きなものです。

作用は主に股関節を伸ばす動きで、姿勢を保つためにも使われています。

ここを鍛えると、きゅっと引き締まった形の良いお尻になれます。美しいヒップラインを手に入れたい方やお尻を持ち上げて足を長く見せたい方は、大臀筋を鍛えましょう。

2-4. 内転筋

内転筋(ないてんきん)は太もものインナーマッスルで、骨盤を固定して脚とつなげるという役割があります。有名ではありませんが重要な筋肉です。

構成しているのは、恥骨筋・大内転筋・長内転筋・短内転筋・薄筋などの太ももにある小さい筋肉で、総称として内転筋と呼びます。

立ち姿勢や座り姿勢の維持、安定して歩くために必要な筋肉で、ここを鍛えれば下半身を安定させることができます。歩行中に転ぶ危険性が減りますので、ケガや事故の予防ができます。

また、O脚で悩んでいる方はここを鍛えれば改善していきます。

3.ブルガリアンスクワットの効果3つ

では、ブルガリアンスクワットをすればどんな効果があるでしょうか?

筋トレは、どんな種目であってもつらく苦しい思いをします。それでも諦めずに取り組むため、トレーニング中のモチベーションをあげるためにも、効果にはどんなものがあるか確認しておきましょう。

ブルガリアンスクワットの主な効果は、次の3つです。

  • バランス力アップ
  • 脂肪燃焼力アップ
  • ヒップラインが美しくなる

3-1. バランス力アップ

ブルガリアンスクワットは、片足という不安定な状態で筋トレを行います。ですからトレーニングで体幹が鍛えられ、バランスを取ることがうまくなります。

スポーツでいえば、たとえばバレーボールをするときには空中でのフォームが奇麗になったり、レシーブが上手になったりします。

走ったりブレーキをかけたりする動きに関わるため、他のスポーツでもほぼすべてに影響します。日頃からスポーツに取り組んでいる方は、ブルガリアンスクワットを取り入れてください。

3-2. 脂肪燃焼力アップ

痩せる体質になるためには脂肪の燃焼力をアップさせることが最も近道ですが、そのためには基礎代謝を増やさねばなりません。

基礎代謝を増やす一番簡単な方法が、筋肉をつけることです。そしてブルガリアンスクワットは、体の中で一番大きな筋肉である大腿四頭筋、単一で最も大きな筋肉である大殿筋を刺激して鍛えます。

効率よく大きな筋肉を鍛えますので、基礎代謝が良くなり、脂肪燃焼力もアップします。ダイエットに励むのであれば、ブルガリアンスクワットをして脂肪燃焼力をアップさせましょう。

3-3. ヒップラインが美しくなる

ブルガリアンスクワットでは、太ももの裏側の筋肉ハムストリングスやお尻の筋肉大臀筋を鍛えます。そのためお尻周辺の筋肉が引き締まり、美しいヒップラインになっていくのです。

きゅっとひきしまった上向きの形の良い美尻になるためには、ブルガリアンスクワットでお尻と周辺の筋肉を鍛えていく必要があります。

モデルのように、お尻の位置が上がれば脚も長く見えますので、脚長効果も狙えます。

4. ブルガリアンスクワットの正しいフォーム

では、ブルガリアンスクワットの正しいフォームから紹介していきましょう。

筋トレは何の種目であれ、きちんとした正しいフォームで行わなければ効果が得られません。まずは鏡にうつしてみたり人に見てもらったりして、きちんとしたフォームになっているかを確認してください。

  1. ベンチやイスなど台を用意し、台から60cm~90cmくらい離れて後ろ向きに立つ
  2. 台に片足のつま先か足の甲をのせ、背筋を伸ばす
  3. 前にある方の足を、少し前方へ出す
  4. 前に出した方の足の膝をゆっくりと曲げ、腰を下へ落としていく
  5. 曲げている膝が90度ほどになったところで静止
  6. 曲げた膝をのばして元の体勢に戻る

これが基本のフォームです。注意点は、トレーニングを行っている最中、腰と背中は丸めずに真っすぐに立てておくことです。

頭からお尻までが一直線となっているかを意識しながら、膝を曲げて上体を上下させましょう。

5. ブルガリアンスクワットのメニュー

上で基本のフォームを確認しましたので、トレーニングメニューにうつります。

呼吸やセット回数などを確認しながら、トレーニングをすすめていってください。

  1. 台から少し離れて立ち、片方の足の甲かつま先を台にのせる
  2. 前の方に反対側の足を出し、息を吸いながら膝を曲げて腰を下ろしていく
  3. 耐えられる限界まで上体を下げたら、そのままで2秒キープする
  4. 息を吐きながら膝を伸ばして元の体勢に戻る
  5. 以上を20回繰り返す
  6. インターバルを30秒はさんで左右交代をし、同じことを行う
  7. 左右それぞれを20回×3セットこなす

目安は、20回を3セットです。大切なのはセットの間にちゃんとインターバルをはさむことで、正しい効果を得るために休憩を入れてください。

基本のフォームのところで述べたように、頭から腰までは一直線を意識し、上体を保ちましょう。

両手をどうすればいいのかと悩む方がいますが、体の前で両手を合わせてもよいですし、腰に当てても構いません。

6. ブルガリアンスクワットの効果を高めるポイント5つ

大きな筋肉が集まる下半身をしっかりと鍛えられるブルガリアンスクワット、せっかくトレーニングするのですから、効果を高めていきましょう。

基本フォームを習得したら、以下の5つのポイントに注意して取り組んでください。

  • 背筋は真っすぐを意識する
  • 膝は90度までを守る
  • オーバーワークに気を付ける
  • ダンベルなどで負荷を加える
  • 動作に緩急をつける

6-1. 背筋は真っすぐを意識する

前述しましたが、ブルガリアンスクワットのトレーニング中は、上体が真っすぐになっているかを意識するようにしましょう。

背中を丸めたり反ったりすれば、腰や膝に負担がかかり、ケガの原因となります。

特に疲れがでてくると、体を真っすぐに保つことが難しくなって前傾してしまう方がよくいます。胸を張り、前傾しないようにしましょう。

前に出した足に重心をおき、頭の上から出た一本の糸で空からつり下げられているというイメージをすれば、真っすぐを意識しやすくなります。

6-2. 膝は90度までを守る

腰を落とすときには自分の限界まで上体を落とすのが正しいやり方です。とはいえ、膝を傷めてしまう恐れがありますので膝は90度より鋭角にならないようにしてください。

股関節が柔らかい方であればかなり膝を曲げてしまうこともありますが、それを続けると膝が故障する恐れがあります。

コツとしては、曲げた膝が自分の足のつま先より前に出ないようにすることです。膝がつま先より前に出ていれば、膝を曲げすぎて負担がかかっていると考えましょう。その場合には、台からもう少し離れて立つなど距離を調節してください。

6-3. オーバーワークに気をつける

ブルガリアンスクワットは、かなり膝に負担がかかります。そのため、膝の故障やケガにいつも以上に注意が必要です。

即急に結果を求めてしまえば、オーバーワークになることもあります。筋トレは長期間継続して結果を得ていくものですので、目安の回数やセット数を守ってトレーニングしてください。

適度なトレーニングを守ることが、効果を高めることにつながります。

6-4. ダンベルなどで負荷を加える

自重でのブルガリアンスクワットが楽にできるようになってきたら、ツールでさらに負荷をかけていきましょう。

ウェイトを追加する場合、おすすめなのはダンベルです。ダンベルは1kg単位で加算できますし、手で持つ位置が低いために体がバランスを崩してしまっても対処がしやすいのです。

他にもジムに通っている方であれば、スミスマシンも安全性が高いのでおすすめです。スミスマシンはバーが動く軌道が決まっていますので、安全にブルガリアンスクワットができるでしょう。

ケトルベルもダンベルと同様に使いやすいツールですが、腕の長い方が使うと腰を下ろしたときにケトルベルが床についてしまう可能性があります。

バーベルも可能ではありますが、バランスを崩したときのことを考えるとあまりおすすめはしません。使いたいときには、トレーナーなどについてもらってください。

自分の使いやすいツールを発見し、ケガに気を付けながら負荷を高めていきましょう。

6-5. 動作に緩急をつける

しっかりと効果を得るために、自重トレーニングでは動作の緩急や呼吸が大切です。

ブルガリアンスクワットは片足でバランスを取っていますので、すべての動きを早くしてしまうと膝の故障につながります。

筋肉に刺激を送るため、膝を曲げて腰を落とすときにはゆっくりと、膝を伸ばして上体を上げるときには素早く動くようにしてください。

呼吸は、腰を下ろすときには息を吸い、腰を上げるときには吐いていきます。

7. ランジとの違いは?

ブルガリアンスクワットによく似たトレーニングで、「ランジ」があります。

ランジは前後に足を開き、腰を落として上体を上げ下げするトレーニングですが、ブルガリアンスクワットとは難易度が違います。

ランジは両足が床についていますが、ブルガリアンスクワットは片足です。ブルガリアンスクワットの方がバランスもとりにくく、前に出した足にかかる負担は大きくなります。

トレーニング中の筋肉の可動範囲が広いため、筋トレとしてはきつい種目です。

ブルガリアンスクワットをする前に、まずはランジでトレーニングに慣れるのも良い方法でしょう。

まとめ:ブルガリアンスクワットで下半身を鍛えよう!

下半身には人間の筋肉の7割が集中していますが、そこに刺激を送って鍛えられるトレーニングが、ブルガリアンスクワットです。

片足の甲を台の上にのせ、もう片方の足で全身のバランスをとりながらお尻から足の筋肉に強い刺激を送ります。

膝に負担が強くかかるため、ケガや故障に注意しなければなりません。背中を真っすぐに伸ばすとか、つま先より膝が前に出ないなど、コツを守って取り組んでください。

男性にも女性にも嬉しい効果が多々ありますので、しっかりとやっていきましょう。

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