ダイエットはリバウンドするという方がいますが、リバウンドをするのはやり方が間違っているから。栄養管理、食事管理をしっかりとしなければ、ダイエット中にした我慢や無理で爆発し、リバウンドへとつながってしまいます。
そこで利用して頂きたいのが、厚生労働省と農林水産省が共同で作り出した「食事バランスガイド」です。これを参考にして、ダイエットを成功させましょう。
ここでは「食事バランスガイド」やその中身について、さらにダイエット中の食事ポイントなどを紹介していきます。
1. 「食事バランスガイド」とは?
「食事バランスガイド」は、一般の人でも気軽に栄養管理ができるように、厚生労働省と農林水産省が共同で策定した表です。何をどれだけの量食べればいいか、健康を維持するための指針をイラストでわかりやすく説明しています。
表に書いてあるのは子供が回して遊ぶ「独楽」。栄養バランスが取れていて適度な運動をすれば「独楽」がよく回るという意味で、お菓子やアルコールといった嗜好品は独楽を回す紐で表現されています。
ダイエット中は栄養管理や食事管理が大切。それは一般常識的に言われることですが、実際にどうすれば栄養管理ができるのかを知らない方は大多数でしょう。この食事バランスガイドを使い、リバウンドしない健康的なダイエットを実践していってください。
ただし、もし持病を抱えていたり妊娠中だったりする方であれば、担当医師の指導に従ってください。ダイエットは慎重に行うべきです。
2. 何がどの区分に分けられているかを理解しよう
「食事バランスガイド」の独楽は、主食・副菜・主菜・牛乳と乳製品・果物の5つに分けられており、その順番でしっかり食べていけばよいとされています。
では、それぞれの区分の中身をみていきましょう。
2-1. 主食
「主食」は炭水化物。米、パン、麺、パスタなどの料理です。ガイドでは一番上にきており、1日分で5~7つの単位が理想的とされています。
炭水化物はエネルギーの源になるものですが、ダイエット中の方は抜きがち。しかし炭水化物を一生懸命抜く必要はなく、他の栄養素とのバランスを取ってちゃんと食べることがおすすめです。
ガイドによると、ご飯小盛1杯はお握り1個、食パン1枚、ロールパン2個と同じとされ、それぞれを「1つ」と数えます。メインの料理になるようなもの、うどん1杯やスパゲッティ1皿、盛りそば1枚などはそれぞれ「2つ」。ちなみに一般的によそおったご飯、御茶碗に普通の量であれば「1.5つ」です。これが1日で合計5~7つになるように摂ります。
2-2. 副菜
「副菜」はビタミン・ミネラル・食物繊維。野菜、いも、豆類(大豆以外)、きのこ類、海藻などが該当します。ガイドでは2番目に多く摂るとされており、1日に5~6つの単位が理想です。
たとえば「1つ」と数えられるのは、野菜サラダ1皿、具沢山の味噌汁、ホウレンソウのお浸し、きのこのソテーなど。そして「2つ」と数えられるのが、野菜炒め1人前や野菜の煮物(筑前煮など)です。油や調味料、他の食材などを使うと単位が増えます。
2-3. 主菜
「主菜」はメインで食べられるようなものです。タンパク質を供給する肉・魚・卵・大豆や大豆製品などで、ガイドでは3番目にきます。1日に3~5つが理想の摂取量です。
「1つ」と数えられるのは、目玉焼き1皿、小鉢の冷ややっこ、小鉢の納豆など。「2つ」と数えられるのは、焼き魚1匹、魚の天ぷら1人前、まぐろやイカのお刺身など。そして「3つ」と数えられるのは、鶏肉のから揚げ1人前、豚肉の生姜焼き1人前、ハンバーグ1人前などです。
2-4. 牛乳・乳製品
「牛乳・乳製品」はカルシウム。牛乳やヨーグルト、チーズなどの食材です。1日の理想摂取量は2つ。
「1つ」はチーズ1かけ、ヨーグルト1パック(1人分の小さなカップ)、スライスチーズ1枚など。「2つ」は牛乳1本です。
朝、牛乳を1本飲む習慣がある方は、それだけで1日の摂取量が足りてしまいます。乳製品は多くなりがちなので、ダイエット中の方は特に注意したい区分です。
2-5. 果物
最後、独楽の一番下部分が「果物」。1日の理想的な摂取量は「2つ」です。
果物は簡単で、大体1個分が「1つ」と数えることができます。ビタミンなどが多くとれますが糖分も多いので、あまり食べすぎないようにしたい区分です。
3. 女性は1日に何をどれだけ食べればいい?
食事管理、栄養管理で最も知りたいことは、「何を」「どれだけの量」食べると良いのかでしょう。とはいえ、実際には性別や年齢、その人の活動量によって違ってきます。あまり動かない人とよく活動する人では、必要とするエネルギー量が違うのは当たり前のこと。そのためまず、食事バランスガイドにのっている例を確認してください。
食事バランスガイドでは18歳から69歳までを対象として作成していますが、いくつかのパターンで女性に必要な1日分のエネルギー量と摂取の目安を定めています。
ダイエットをしようと考える方の多くは、運動が足りずよく食べている女性。そのためここでは、活発に活動している女性への指針は省きます。1日のうちに座っていることがほとんどといった女性の場合と、軽い運動や散歩は行う女性の場合を例にあげて紹介します。
3-1. あまり動かない女性の場合
たとえば子供がいない専業主婦の方や、座ってする仕事をしている人、体が弱くほぼ活動しない人など、あまり動かない女性の場合です。
- エネルギー・・・1,600~2,000kcal
- 主食・・・4~5つ
- 副菜・・・5~6つ
- 主菜・・・3~4つ
- 牛乳や乳製品・・・2つ
- 果物・・・2つ
エネルギーはさほど必要ありませんので、ご飯やお肉などは控えめにして野菜などの副菜を多めにとる内容です。
3-2. 軽い運動や散歩は行う女性の場合
座り仕事ではあるけれど、たまに軽い散歩をするとか週に1回程度はジムにいって運動もする、休日には外出を楽しむといった女性の場合です。
- エネルギー・・・2,000~2,400kcal
- 主食・・・5~7つ
- 副菜・・・5~6つ
- 主菜・・・3~5つ
- 牛乳や乳製品・・・2つ
- 果物・・・2つ
あまり活動しない女性に比べると、ご飯やパンなどの炭水化物、肉や魚などのタンパク質を少々多めに食べられます。
農林水産省が、自分の食事内容を記入して客観的にバランスを見られる「フードダイアリー」を配布しています。実際に食べた料理を数字に変換して書き込むことで、栄養管理や食事管理が簡単にできますので利用してみましょう。
4. ダイエット中に心掛けるべき食事のポイント
健康的にダイエットをしようとすると、食生活に気を配らざるを得ません。ここではもう少し詳しく、ダイエット中に心掛けるべき食事のポイントを6点紹介します。
4-1.和食を中心にする
ダイエット中にはなるべくお米は食べないようにしているという女性も多いですが、メニュー次第でお米はしっかりと食べられます。
おすすめなのは、やはり和食。和食はご飯が主食ですが、焼き魚やみそ汁、肉じゃがといったメニューならほとんど油を使いません。油をあまり使わなければ、お米を食べてもカロリー摂取を控えめにできます。
お米を我慢しても油を多く使った料理を食べると、結局はカロリーが多くなってしまいます。お菓子や油ものは控え、1日3食の内容をヘルシーな和食に変えましょう。
4-2. 一汁三菜を目指す
ご飯・汁物・魚や肉を使ったメイン料理、そして野菜や海藻類は小鉢で摂るといった「定食スタイル」が、健康的な一汁三菜です。活動量が増えてカロリー消費が多くなる昼食は好きなものを食べてもOKという場合でも、メインのパスタは単品で食べるのではなく、サラダやスープなどをつけましょう。
4-3.朝食は抜かない
朝は血圧も低くお腹が空いていないとか、忙しくて食べる暇がないと朝食を抜く人もいるでしょう。しかし、朝食は体にとって大切なもの。晩御飯から間隔があきすぎてしまうと、体はエネルギー切れにならないようにエネルギーや脂肪をため込もうとしだします。
食欲がなくてという方でも、野菜ジュースやヨーグルトなどは口にしてから出かけてください。
4-4. 野菜は肉の3倍摂る
食事バランスガイドをじっくり見るとわかるのが、「副菜」の多さです。簡単に考えるなら、野菜を肉類の3倍とるようにすれば、外食のときでも栄養バランスは整いやすくなります。
さらに、食事のときには野菜や海藻類から食べ始めてください。そうすれば血糖値の上昇も穏やかになり、炭水化物を詰め込みすぎずに済みます。
4-5.栄養バランスは1週間スパンで考える
バランスを考えて食事をすることは、ダイエット中でなくても大切なこと。しかし、日によっては食事をする時間がなかったり、飲み会の予定が入ってきちんとすることが難しかったりする場合もあるでしょう。
守れなかったとイライラすれば、ストレスから体調を崩す可能性があります。栄養バランスは1週間スパンで守れていればOK程度に考えましょう。3日から1週間単位で栄養バランスを整えるなら、「昨日は主菜が多かったから今日は野菜多めで」とコントロールできてストレスになりません。
4-6. 嗜好品は1日200kcal程度にする
食事バランスガイドでは、お菓子やアルコールといった嗜好品を我慢しろとは言われません。いずれもストレスなく過ごすため、食生活における楽しみであると考えられているからです。しかし、適切な量を守ることは大切。目安としては、1日200kcal程度です。ただしこれは健康を維持するための目安ですので、ダイエットをしている方は150kcal程度に抑える努力をしましょう。
仕事中、コーヒーブレイクにチョコレート1片、週に2日はビール350ml缶を1缶だけ飲むといった程度であれば、さほど影響はありません。
まとめ:「食事バランスガイド」を使って安全にダイエット!
ダイエット中の食事や栄養管理を手軽にするために、厚生労働省と農林水産省が作った「食事バランスガイド」を利用してみましょう。
イラストでわかりやすく説明してくれていますので、とっつきにくさはありません。自分が食べたものを「つ」という単位で区別し、書き込むだけで客観的に見られる「フードダイアリー」なども無料で配布されています。
ダイエット中でも栄養はしっかりととるべきです。健康を維持したまますっきりした体になるために、便利なツールを使って気軽に食事管理をしてください。
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