筋トレに取り組んでいる方は、「フォームが大切、正しいフォームで行いましょう」とトレーナーなどに言われたり、何かで見聞きしたりしたことがあるでしょう。フォームが正しいと、筋トレ効果が変わると言われています。
筋トレを行う上で目的や重視するものは人によって違いますが、正しいフォームで行うことは基本事項として共通しています。では、その理由はご存じでしょうか?
ここでは筋トレにフォームがある理由や崩れやすい理由、正しいフォームで筋トレを行うポイントやフォーム見直しのタイミングなどを紹介していきます。今一度自分のフォームが正しいか、しっかりと筋トレ効果を得られているか考えてみてください。
1. 筋トレにフォームがある理由とは?
筋トレを行うときには「やり方」と「姿勢・フォーム」があります。その理由は、以下の2つです。
- 特定の筋肉に負荷を与えるため
- ケガや事故などの防止
1-1. 特定の筋肉に負荷を与えるため
筋トレの正しいフォームは、人体の骨格や筋肉の構造を調べたうえでどう動けば特定の筋肉に負荷を与えられるかを、徹底的に考えたものです。つまり、肥大化させたい筋肉を鍛えるために最も効率的な動作であるということ。その筋肉に負荷を与えるために、力を集中させることができる姿勢です。
腕を鍛えたいのに背中に負荷が逃げてしまえば、思うように腕の筋肉は鍛えられません。余計なところの力を使わず狙ったところに刺激を与えるため、正しいフォームが考えられています。
1-2. ケガや事故などの防止
正しいフォームで筋トレをすることで、大きなケガや思わぬ事故のリスクを防止しています。
筋トレをしているときにケガをする主な原因は、「自分の能力以上の重量を扱った」とか、「間違ったフォームでトレーニングをした」といったこと。特に正しいフォームで行わない場合、想像以上に関節や筋肉には負担がかかっています。
筋肉を鍛えるつもりでトレーニングをして体を痛めると、日常生活にも支障がでて本末転倒になるでしょう。体を痛めず筋肉を鍛えるために、正しいフォームは必要です。
2. 筋トレのフォームが崩れやすいのはなぜ?
筋トレのフォームは、特定の筋肉を鍛えたいときにしか使わない、日常的な動きとはまったく違うものです。そのためトレーニング中で疲れたときなどに無意識に合理的な動きをしようとしてしまい、フォームが乱れてしまいます。
日常生活での動きはさまざまな筋肉を使い、効率が良くて力がさほど必要ない動作になります。正しいフォームを理解していないとつい日常動作のようになってしまい、間違ったやり方となります。筋トレは特殊な動きと考え、筋トレを行うときにはまず正しいフォームを確認して、やってみて理解し覚えることが大切です。
3. 間違ったフォームで起こること4つ
では、もう少し具体的に、間違ったフォームで筋トレを行うと起こることを紹介しましょう。以下の4つが考えられます。
- 筋トレ効果を感じられない
- 関節に負担がかかる
- ケガをしやすくなる
- 左右のバランスが崩れる
これは筋トレを行ううえでの大きなデメリットになりますので、チェックしていきましょう。
3-1. 筋トレ効果を感じられない
間違ったフォームで一生懸命筋トレを行っても、いつまでも目的の筋肉部位は大きくなりません。それは負荷が他に逃げてしまっているからです。特に筋トレ初心者に多いのが、無意識にフォームを変えてしまっており、継続しても筋トレ効果がみられないという悩みです。
たとえば腕立て伏せをしているけれど、何回行っても体が変化したとは思えないという場合。最初のつらいときに負荷がかからないようにフォームを変えて覚えてしまい、それを繰り返しているだけだからです。
正しいフォームで行えば、10回であってもきちんと体は変化します。まださほど筋肉がないのに何回でも動作ができるという方は、フォームが正しくない可能性が高いです。間違ったフォームを覚えてしまう前に、1度しっかりと見直してみましょう。
3-2. 関節に負担がかかる
特に重量が高かった場合、関節への負担は大きくなって痛みが顕著になります。鍛えたい筋肉には刺激がいかないうえ、関節は痛めてしまい良いことはありません。
関節は骨と骨をつなぐクッションの役割をしています。1度すり減れば自然に再生せず、日常生活にも悪影響です。さまざまなパフォーマンスも低下しますので、関節に負担がかからないように注意しましょう。
3-3. ケガをしやすくなる
一般的な筋肉痛ではなく、酷く痛めて数か月治らないことになるなど、ケガをしやすくなってしまいます。筋肉は使わないとどんどん衰えていきますので、ケガをすれば最初からやり直しになる可能性もあります。正しいフォームで筋トレを行い、安全に鍛えることが大切です。
3-4. 左右のバランスが崩れる
筋トレを正しいフォームで行わなかった場合、筋肉のバランスが偏ってしまうこともよくあります。せっかく体を鍛えても左右のバランスが悪ければ、あまり見栄もよくありません。
人間は通常、意識しなければ利き手の方がよく発達します。そのため、筋トレ中は正しいフォームで行い、さらに利き手でない方に力を合わせたりバランスを見ながらトレーニングを行ったりしていきましょう。
4. 正しいフォームで行うためのポイント4つ
続いて、正しいフォームを覚えるために意識してほしい以下のポイント4つを紹介しましょう。
- 1筋肉部位につき2種目程度にする
- ゆっくり丁寧な動作で行う
- 無理にトレーニングをしない
- 自分の動きを鏡などで確認しながら行う
4-1. 1筋肉部位につき2種目程度にする
インターネットや動画などで調べると、1つの筋肉部位を鍛えるためのトレーニングメニューはたくさん出てきます。だからといって4つも5つも取り組んでみても、動作の習熟が遅れるだけで筋肉に対してはさほど効果はありません。
1つのトレーニングメニューをしっかりと学び、正しいフォームで行う方が効率的です。1つのメニューでは飽きてしまうことを考えても、1つの筋肉部位で取り組むメニューは2つまでにしておきましょう。そして休息日もしっかりと挟み、刺激と緩和を繰り返して行います。
4-2. ゆっくり丁寧な動作で行う
多くの筋トレでは、ゆっくりと行うことで効果を得ています。そのため、高速で筋トレをしようとするのはやめましょう。人目を気にして賞賛を得るために、思わず動作を早くしてしまう方もいます。しかし早くしようとすると反動を使ってしまう可能性も高く、フォームが崩れやすくなります。
正しいフォームで丁寧に、そしてリズミカルに行ってください。あまり人目が気になるようでしたら、自宅で行うトレーニングに集中してみるのも方法の1つです。
4-3. 無理にトレーニングをしない
特に筋トレの初心者に気を付けて頂きたいのが、最初から頑張って無理をしてしまうことです。特に初心者は筋肉肥大のために限界まで追い込むことは不要ですし、能力を超えた重量を扱う必要もありません。
無理に追い込んでフォームが崩れてしまうこと、そして重量のせいでフォームの維持が困難になってしまうことが考えられます。
最初はとにかく正しいフォームを覚え、筋肉に刺激が入っていることを確認してください。
4-4. 自分の動きを鏡などで確認しながら行う
ジムにいけば大きな姿見がありますし、現在はスマートフォンでいつでもどこでも動画を撮ることができます。これらを筋トレでも活用していきましょう。
自分で思い描いている動きと実際に自分がしている動きが違って驚くことは、初心者には多いです。イメージと同じ動きをしているかどうか、正しい動作になっているかどうか鏡などをつかって確認しながらトレーニングを行いましょう。自信がない方は、最初はトレーナーについてもらうことがおすすめです。補助をしてくれますし、アドバイスも貰えますのでモチベーションを保つためにも有効です。
5. 正しいフォームができているか?こんなときには見直しが必要
長年筋トレをしている方の中には、最初はトレーナーなどにもついてもらってフォームを確認して行っていた、しかしここ何年かはチェックをしていないという場合があるでしょう。
フォームは定期的に見直すことが重要です。では、どんなときにフォームの見直しをすべきでしょうか?おすすめは以下の3つのタイミングです。
- 筋トレ効果が停滞している
- 痛みや違和感が出てきた
- 仕上がりが想像とは違う
5-1. 筋トレ効果が停滞している
いつも通りの回数トレーニングを行い、休息日をもうけて栄養管理もしているのに、なぜか筋肉が発達しないというときには、フォームが崩れている可能性があります。
もう1度初心に戻ってしっかりとフォームを見直してみましょう。継続している間に自分流のやり方になってはいませんか?知らず知らずの間に負荷から逃げ、しっかりと筋肉に刺激が送れていないのかもしれません。
5-2. 痛みや違和感が出てきた
きちんと筋肉に刺激を与えられているときには、筋肉痛が起こります。しかしこれは筋肉痛ではないなとわかる痛みや違和感があれば、注意が必要です。今一度フォームを見直してください。放置してトレーニングを続けると、大きなケガに繋がってしまう恐れがあります。
また、使用したことがないマシンなどを使う前には、トレーナーなどに指導を受けて取り組みましょう。自己流で行うと、後から正しいフォームを覚えることは難しくなります。
5-3. 仕上がりが想像とは違う
筋トレを継続していて筋肉がついてきた実感があるけれど、想像した姿とはちょっと違う、左右のバランスが少しおかしいといったときにも、フォームの見直しが必要です。
特に左右で筋肉の付き方が違ってしまえば、パフォーマンス向上の点でも好ましくありません。利き手側に力が入り過ぎていないか、左右でフォームが違っていないかの見直しをしてください。
まとめ:正しいフォームが大切!筋トレでしっかりと効果を得ていこう
筋トレを行うときには正しいフォームが不可欠です。その理由は、ケガや事故の予防と特定の筋肉に負荷を与えるため。理由を理解し、納得したうえで筋トレに励んでください。
また長年筋トレをしている方でもフォームを見直すタイミングはあります。紹介したタイミングを参考にし、1度自分の筋トレ効果やフォームを見直してみましょう。
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