上半身をしっかりとたくましい、人から憧れる体形にするためには、胸・腕・腹・背中だけでなく肩も鍛えていきましょう。
肩は鍛えにくくケガをしやすい部分です。そのため、正しいフォームと適切な負荷でトレーニングをすることが重要。ここでは厚みがある男らしい肩をつくるための、ダンベルトレーニングの方法を7つ紹介していきます。
表面筋だけでなくインナーマッスルにも刺激を送る方法も紹介しますので、継続して取り組んでください。
1. 肩を構成する筋肉には何がある?
筋トレを行うときには自分が鍛えようと考えている筋肉がどこにあり、どんな役割をしていて、どんな効果があるのかを知ることも大切です。
ダンベルトレーニング方法を紹介する前に、肩にはどんな筋肉があるかを確認しましょう。紹介するのは、以下の2つです。
- 三角筋
- ローテーターカフ
1-1. 三角筋
肩の関節を大きく覆っている筋肉で、人間の上肢の中で最大のものです。三角筋は体積が大きく、前部・中部・後部の3つのパートに分かれており、それぞれに役割が違います。
主な作用は腕を前や横、後ろへ上げること。日常生活でもスポーツにおいても必ず使う大切な筋肉です。そのため、トレーニングでケガをするとその影響は甚大。慎重に鍛えていく必要があります。
三角筋はまた、見栄えにも大きく貢献する筋肉です。肩幅を広くしたり肩を厚く丸みがあるようにしたりするには、三角筋をしっかりと鍛えましょう。
1-2.ローテーターカフ
三角筋に覆われている、インナーマッスルの総称がローテーターカフです。役割は、三角筋のサポート。インナーマッスルは表面の筋肉である三角筋とのバランスが大切で、どちらかのみを鍛えるようなことをすると大きなケガにつながります。肩を鍛えるときにはインナーマッスルもバランスよく鍛えるようにしましょう。
ローテーターカフを鍛えても、外見上はさほど変化がありません。そのためトレーニングも身が入りにくいのですが、関節を動かすときのパフォーマンスは必ず向上しますので、しっかりとトレーニングをしてください。
2. 肩のダンベルトレーニングで知っておくべきこと5選
では、肩のダンベルトレーニングを行ううえで先に知っておくべきことを5つ紹介していきます。
- ターゲットの筋肉に意識を集中する
- 三角筋はまんべんなく鍛える
- ダンベルは軽く握る
- 肩の可動域を確認する
- 扱える重量は他の筋トレよりも軽くする
2-1. ターゲットの筋肉に意識を集中する
肩を鍛えるとき、立ったままで行うことが多くなります。そのため、肩以外が安定しておらず、トレーニング中に体を動かしてしまう場合があります。しかし体が動くと他の筋肉が作用してしまい、肩にしっかりと負荷をかけることができません。
肩の筋肉に集中し、できるだけ他の筋肉部位は使わない、動かさないことが大切です。メインターゲットである三角筋に意識を集中して行いましょう。
2-2. 三角筋はまんべんなく鍛える
前述しましたが、肩は三角筋とインナーマッスル、どちらもバランスよく鍛えることが大切。特に3つのパートに分かれている三角筋は、前と中、後をまんべんなく鍛えましょう。
トレーニングメニューでは前部と中部をターゲットとするメニューが多いですが、後部をターゲットとするものもわずかながらあります。バランスよく組み合わせてトレーニングしてください。
2-3. ダンベルは軽く握る
ダンベルトレーニングでは、ダンベルは負荷を高める重量です。肩に負荷を集中させるため、なるべくダンベルは軽く持って行ってください。ダンベルを強く握ると違う筋肉部位が鍛えられてしまいます。イメージとしては、ダンベルには指をひっかけているといった程度で良いでしょう。
2-4. 肩の可動域を確認する
意外なことに、肩に負荷がかかる可動域はあまり広くありません。自分でトレーニングをしながら片腕ずつ可動域を確認しておきましょう。
肩をおさえつつ腕を横へと上げていくと、腕が水平になるあたりで僧帽筋(首から肩と背中にかけてある筋肉・別名肩こり筋)が一緒に上がるポイントがあります。この僧帽筋が一緒に盛り上がる手前、直前が肩だけに負荷がかかっているということで、これが肩の可動域です。肩だけを鍛えるにはそこまで上げればいいわけですので、確かめておきましょう。
2-5. 扱える重量は他の筋トレよりも軽くする
ダンベルベンチプレスなど、一度でいくつかの筋肉部位を鍛える種目を普段から行っている方は、特にダンベルの重さには注意が必要です。
肩の筋肉は繊細で複雑。そのため他の部位のトレーニングと同じ重さでダンベルを使うと、痛めてしまう可能性が大きくなります。
肩のトレーニングは三角筋のみがターゲットのことも多いので、扱える重量は減ると考えてください。軽すぎるかも、と思うくらいのダンベルからスタートし、10回程度で限界がくる重さを発見してください。
3.肩のダンベルトレーニング5選
具体的なダンベルトレーニングで肩を鍛える方法を、順番に紹介していきましょう。まずは代表的な筋肉、三角筋をメインターゲットにしている以下のトレーニングを5つです。
- アップライトロウ
- サイドレイズ
- フロントレイズ
- リアレイズ
- ダンベルショルダープレス
3-1. アップライトロウ
三角筋を鍛える定番のトレーニングメニューです。一緒に僧帽筋を鍛えることもできるので、肩こりに悩まされているという方は取り組んでください。
正しいフォームで行うことが何よりも重要です。最初のころは、鏡などを活用してフォームを確かめながら行いましょう。
- 足を肩幅に開き、ダンベルを順手で握ってまっすぐに立つ
- ダンベルは太ももの前、骨盤の前あたりで持つ
- 肘を外側へと突き出しながら曲げ、ダンベルを肩のラインまでゆっくりと持ち上げていく
- 肩のラインまでダンベルがきたら、そのまま2秒キープ
- ゆっくりとダンベルを下げ、2)の状態へ戻る
- 2から5までを10回繰り返す
- インターバルで30秒休憩を取る
- 残り2セットを行う
腕には力を入れすぎず、肩の力でダンベルを持ちあげていきましょう。顔はまっすぐに正面を向いておきます。
アップライトロウの効果的なやり方で肩をトレーニング!
3-2. サイドレイズ
ダンベルを持った腕を横で広げ、三角筋中部に負荷をかけるトレーニングメニューです。僧帽筋上部やローテーターカフも鍛えることができますが、その分慎重にする必要があります。アップライトロウよりも軽い重量で行っていきましょう。
- 両腕は自然に横に垂らしてダンベルを持ち、胸を張ってまっすぐに立つ
- ワキを開きつつ、真横よりは少し前の方へダンベルを持ちあげていく
- ダンベルが肩と同じ高さになるまで持ち上げたら、そのまま2秒キープ
- ゆっくりとダンベルを下ろし1)の状態へ戻る
- 2から4までを10回繰り返す
- インターバルで30秒休憩を取る
- 残り2セットを行う
初心者は座って行ってください。椅子に座って背筋を伸ばし、真横よりやや前方へダンベルを持ちあげます。座って行うことで体幹も鍛えられますのでおすすめです。腕には必要以上に力を入れず、肩でダンベルを持ちあげる意識を持って行いましょう。
3-3. フロントレイズ
三角筋の前部を鍛えていきます。サイドレイズと同じく、他の筋肉部位のトレーニングよりはダンベルの重さを軽くして行いましょう。
- 両足は肩幅程度に開き、軽く膝を曲げて立つ
- 両手は自然に垂らし、ダンベルを持って少々肘を曲げる
- 胸を張って肩甲骨を寄せる
- ダンベルがハの字になるようにそのまま腕を前へ持ち上げる
- 肩のラインまでダンベルが上がったら、その場で1秒キープ
- ゆっくりとダンベルを下ろし3の状態へ戻る
- 4から6までを10回繰り返す
- インターバルで30秒休憩を取る
- 残り2セットを行う
ダンベルをおろしたとき、体につけないようにするとさらに効果が高まります。また、トレーニング中はできるだけ胴体を動かさないように意識しましょう。
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3-4. リアレイズ
リアレイズのメインターゲットは、三角筋の後部。後部に強い刺激を送れるトレーニングメニューは少ないので、肩を鍛えるときには組み合わせるようにしてください。
- 足は肩幅程度に広げ、両手にダンベルを持つ
- 膝を軽く曲げ、上体を前傾させて視線は斜め下を見る
- 前傾状態から自然に垂らしたダンベルを、真横よりは若干前方向へ持ち上げる
- ダンベルが肩のラインまで上がったら、ゆっくりと下ろして元の位置へ戻す
- 3から4までを10回繰り返す
- インターバルで30秒休憩を取る
- 残り2セットを行う
背中は丸めてはいけませんが、反り過ぎもよくありません。腰を痛めますので、まっすぐにキープしてください。腕を持ち上げるときには肩甲骨を寄せないように意識しましょう。肩甲骨が寄ると背中へ刺激がいってしまいます。
3-5. ダンベルショルダープレス
こちらも肩のトレーニングでは定番のメニューです。ベンチに座って体勢を安定させて行うメニューなので、より三角筋にしっかりとアプローチできます。
- ベンチを用意し、腰かけてから順手でダンベルを握る
- ダンベルを担ぐように、肩の位置に構える
- 2のとき、胸と腕を開き、ダンベルは耳のラインにしておく
- そのままでダンベルを頭上へと持ち上げる
- 肘を完全に伸ばし切る直前までダンベルを上げたら、ゆっくりと耳の横あたりまで戻す
- 4から5までを10回繰り返す
- インターバルで30秒休憩を取る
- 残り2セットを行う
動作には反動を使ってはいけません。持ち上げたあと下ろすことをネガティブ動作といいますが、そのネガティブ動作をゆっくりと行うことで筋肉にしっかりと刺激を送ります。肩甲骨が上がると僧帽筋へ負荷が逃げるため、肩甲骨が上がらないようにしましょう。
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4. 肩のインナーマッスルダンベルトレーニング2選
では続いて、肩のインナーマッスルであるローテーターカフを鍛えるメニューを2つ紹介します。インナーマッスルを鍛え、さらに三角筋のパワーを上げていきましょう。
- エクスターナルローテーション
- インターナルローテーション
4-1. エクスターナルローテーション
寝ころび、腕を固定した状態でダンベルを持った手先から肘までを動かすメニューです。これを行えば、ローテーターカフの中の「棘下筋」と「小円筋」に刺激を送れます。
- 体の右を下にして、床に寝転がる
- 右肘を床につけ、手で頭を支える
- 左側の手でダンベルを持ち、左脇をしめる
- 脇をしめたまま左肘から手先までを動かし、ダンベルを天井に向けて上げる
- 2秒キープしたら、ダンベルを下ろして3の状態へ戻る
- 4から5までを15回繰り返す
- 左右を反対にして、同様に行う
- 左右交互にそれぞれ15回ずつを1セットとし、合計3セット行う
腰につけた肘を支点として、ダンベルを持った手を上げ下げしていきます。呼吸は止めないように、ゆっくりと繰り返してください。
4-2. インターナルローテーション
エクスターナルローテーションの格好は同じで、今度は床につけている方の手でダンベルの上下運動をするメニューです。
- 体の右を下にして、床に寝転がる
- 頭は床から浮かせたままでキープする
- 床に腕をつけている右手でダンベルを持つ
- 右脇をしっかりと締める
- ダンベルを持った右手の肘は固定して動かさず、肘から上だけを動かしてダンベルを天井へ向けて上げる
- 2秒キープしたら、ダンベルをおろして4の状態に戻る
- 5から6までを15回繰り返す
- 左右を反対にして同様に行う
- 左右交互にそれぞれ15回ずつを1セットとし、合計3セット行う
頭は浮かせたままキープしますが、首回りに力が入り過ぎないように注意してください。体がぶれやすくなりますので、お腹に力を入れて動かないようにしましょう。ケガを予防するため手首は固定し、曲げないようにします。
まとめ:ダンベルトレーニングで肩を強化!男らしい肩を作っていこう
肩の筋肉は日常生活で非常によく使うため、トレーニングの方法を間違ってケガをすれば影響が大きい部位です。特にダンベルを使ったメニューでは注意が必要ですが、ここで正しいやり方を紹介していますので参考にしてください。
フォームは正しく、ダンベルは軽めの重量からスタートです。
ダンベルトレーニングでしっかりと肩へ負荷をかけ、安全に筋力アップをしていきましょう。休息日をきちんととりながら、継続して取り組んでください。
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