シットアップで腹筋を割る効果的な方法と腰を痛めないポイントを解説

腹筋を鍛えるトレーニングの一つで知られている「シットアップ」。亀の甲羅のようにみごとに割れた腹筋にあこがれて、シットアップを頑張っている男性も多いのではないでしょうか?でも、いくらシットアップを続けても「なかなか腹筋が割れない」「腰に痛みがでてきた」といったことでお困りの人もいるかもしれません。

この記事では、シットアップの正しいトレーニング方法や腰を痛めないポイントから、腹筋を割る為の方法を解説します。ぜひ参考にしてみてください。

1.シットアップってどんな腹筋トレーニング?

シットアップはおそらく誰もが経験したことのある筋トレです。シットアップで鍛えられる筋肉や、同じ腹筋運動であるクランチとの違いなどにもふれていきます。

1-1.シットアップとクランチの違いとは?

シットアップとは、学校の体育の時間やスポーツテストなどで行う「上体おこし」のことで、腹筋を鍛えるという時に誰もがイメージする「腹筋」のことです。

腹筋を鍛えるトレーニングには、シットアップの他にクランチと呼ばれるトレーニングがあります。シットアップとクランチは、一見似たようにみえますが、それぞれやり方が多少違います。

シットアップは、仰向けに寝そべった状態から上体をおこしていき、腹筋を収縮させて刺激をあたえます。クランチは、背中を丸めながら上体を上げ腹筋に刺激をあたえます。上体は完全に起こしません。

1-2.お腹周りの筋肉について

お腹周りには、「腹直筋」「腹斜筋」「腹横筋」と呼ばれる筋肉があります。これらの筋肉の働きにより、体幹が屈曲、回旋などができます。

「腹直筋」は、体の中央にある筋肉でシックスパックと呼ばれる部分です。「腹斜筋」は、体の両端に位置し脇腹とも呼ばれます。「腹横筋」は、お腹の奥に位置する筋肉でインナーマッスルとも呼ばれます。

1-3.シットアップとクランチで鍛えられる腹筋の違い

シットアップでは「腹直筋」の全体が鍛えられます。他にも、太ももを上げる時に使う筋肉で、大腿骨から骨盤と脊髄の下部に繋がっている「腸腰筋」と呼ばれる筋肉も鍛えられます。シットアップで上体が上がるのは、「腸腰筋」を使うからです。

通常のクランチでは、上体を曲げるだけの動きしかないのでお腹の正面にある「腹直筋」を集中して鍛えることができます。また、上体を横に曲げるサイドクランチや、上体をねじりながら上げるツイストクランチなどでは「腹斜筋」を鍛えることができます。

1-4.シットアップができない原因

学生時代にはシットアップを何回もできていたのに、大人になってからは、できなくなってしまった人も多いのではないでしょうか。シットアップができない原因は、腹筋が弱くなったからだと思いがちですが、実はそれだけではありません。

シットアップができない原因は腹筋だけでは無く、脚の筋肉や首の筋肉のおとろえと言われています。あと、お腹周りの脂肪がふえたことや、背中をうまく丸めることができなくなったことなども原因とされています。シットアップができないのは腹筋のおとろえだけが原因ではありません。

2.シットアップを効率よく行うための注意点

シットアップを効率よく行い腹筋に刺激をあたえるためには、正しいフォームを身につけることが大事です。以下のポイントに気を付けて取り組んで下さい。

2-1.正しい姿勢を身につける

スタート時点では、顎を引き背中を丸め、肩甲骨が床につかない程度に上げておきます。背中を丸めることにより、腹筋がより収縮され刺激が与えられます。

膝は、伸ばした状態ではなく、90度程度に曲げて固定しておきましょう。膝を伸ばした状態で行うと、腰に負担がかかり腰痛を引き起こすこともあります。上体を上げる時は、膝を曲げるようにしましょう。

また足を固定することにより腸腰筋が使いやすくなり、上体を持ち上げられるようになります。

2-2.反動は使わない

シットアップは腹直筋の他に腸腰筋も使います。上体を上げる時に腕や背中などの他の筋肉まで使ってしまうと、せっかくの負荷が他の筋肉へ分散してしまいます。できるだけ腹直筋へ負荷がかかるように、反動は付けないで行いましょう。

2-3.垂直になるまで上げない

上体が床に対して垂直になるまで上げてしまうと、重心が体にかかってしまい負荷が逃げてしまいます。上体は垂直になる手前まで上げるようにして、腹筋に負荷がかかっている状態でトレーニングを続けるようにしましょう。

2-4.頭をつけて休まない

毎回、上体を戻した時に床に頭をつけて休んでしまうと、腹筋への刺激がなくなってしまい効果も薄れてしまいます。このようなやり方で何回も続けても意味がありません。筋トレで大事なのは、刺激をキープしながら続けていくことです。シットアップも同じなので、上体を下ろしても、床に頭をつけて休まずに、腹筋に刺激を与えながら行いましょう。

2-5.正しく呼吸をする

シットアップを効率よく行う際に正しいフォームを身につけることは大事ですが、この他に大事なポイントが「呼吸法」です。呼吸法が正しく行われないと、いくらトレーニングを続けても腹筋への刺激が少なくなり筋肉も育ちません。

シットアップでは、上体を上げる時に息を口から吐き、上体を戻す時に鼻から息を吸います。このときの大事なポイントが「息は完全に吐ききる」ことです。息を吐きながら上体を上げた時に、息が残っていると筋肉が十分に収縮できなくなり効率の悪いトレーニングになります。上体を上げる時には、息を完全に吐ききるように意識しましょう。

3.シットアップで腰を痛めない方法

シットアップをすると腰を痛めると言われます。確かにやりかたが間違っていると腰を痛めることになります。腰痛になる原因と予防法をご紹介します。

3-1.腹筋だけでは上体は起き上がらない

腹筋だけでは上体は起き上がりません。このことを知らない人は、腹筋だけで無理に上げようとして腰を痛めてしまいます。

腹筋は上体を上げるための筋肉ではありません。上体を屈曲、回旋させるための筋肉です。ですので、腹筋だけで行えるのは、クランチで体を丸めるように動かしたり、横に曲げたり動かすぐらいです。

シットアップで上体が起き上がるのは、腸腰筋の働きで股関節が曲がるからです。想像してみればわかり安いかもしれませんが、腹筋は背骨に近い筋肉ですが、背骨は直角に曲がったりはしません。シットアップで上体が起き上がるのは腸腰筋と股関節の働きによっておこるのです。

3-2.体は軽く丸めておく

先述しましたが、シットアップを始める時は体を丸めてから行ないます。体を丸めることにより、腰に近い背骨「腰推」を守れます。「腰推」は前に曲げることはできますが、後ろに曲げることはできません。体を丸めて行えば、「腰推」を痛めるリスクを減らしながらトレーニングができます。

3-3.無理に上げようとない

無理やり上体を上げようとすると、本来鍛えたい「腹直筋」だけでなく体のいたるところの筋肉を使おうとします。このときに腰に力が入り、沿った状態でトレーニングをおこなうと、腰を痛めてしまいます。腰痛を引き起こすだけでなく「腹直筋」にも効かなくなるので、無理に上げないようにしましょう。

4. シットアップの効果的な筋トレメニュー

ここでは、シットアップのさまざまなやり方をご紹介します。トレーニングによって「腹直筋」「腹斜筋」「腸腰筋」に効果があるので、ひとつずつマスターしていき、かっこいいシックスパックを目指していきましょう。

4-1. シットアップ【腹直筋】

シットアップは、腹直筋(シックスパック)に効果のあるトレーニングです。これまでに説明してきた注意点を踏まえて、正しいフォームでトレーニングをしましょう。

シットアップのやり方

  1. 床に仰向けに寝て、脚を肩幅に広げます。
  2. 膝は90度程度にまげます。
  3. 手は後頭部に添え、肩甲骨が触れない程度に上体を曲げます。
  4. 腹直筋を意識して、息を吐きながらゆっくりと上体を上げていきます。
  5. 上体が床に対して垂直になる手前まであげます。
  6. ゆっくりと息を吸いながら元の位置に戻します。
  7. この動作を10~15回、3セット行う。

シットアップの注意点は

  • 上体を丸めてから行う。
  • 起き上がる時に反動を付けない。
  • 上体を戻した時は、頭をつけて休まない。

4-2. ツイストシットアップ【腹直筋】【腹斜筋】

ツイストシットアップは、腹直筋(シックスパック)と腹斜筋に効果のあるトレーニングです。ツイストシットアップでは、上体をひねりながら上げていき、肘が反対側の膝に触れるようにします。ひねることにより腹斜筋へ刺激が加えられるので、ウエストの引き締めにも効果的です。

ツイストシットアップのやり方

  1. 床に仰向けに寝て、脚を肩幅に広げます。
  2. 膝は90度程度にまげます。
  3. 手は後頭部に添え、肩甲骨が触れない程度に上体を曲げます。
  4. 息を吐きながらゆっくりと、上体をひねりながら上げていきます。
  5. 肘が反対側の膝に触れるようにします。
  6. ゆっくりと息を吸いながら元の位置に戻し、反対側も同様におこないます。
  7. この動作を10~15回、3セット行う。

ツイストシットアップの注意点は

  • 上体を丸めてから行う。
  • 腕の反動は使わないようにする。
  • 上体を戻した時は、頭をつけて休まない。

4-3. ベントニーVシットアップ【腹斜筋】【腸腰筋】

ベントニーVシットアップは腹斜筋と腸腰筋に効果のあるトレーニングです。ベントニーVシットアップでは、上体あげながら、両膝もあげV字をつくります。

同じようなトレーニングのVシットアップと違い、両足を伸ばして上げないので、筋トレ初心者にも始めやすいでしょう。

ベントニーVシットアップのやり方

  1. 床に仰向けに寝て、両足を伸ばし、両腕は頭の方向に自然に伸ばしておきます。
  2. 息を吐きながら、ゆっくりと両腕を前方に動かし上体を上げていきます。
  3. 両腕は床に対して水平にします。
  4. 両膝も引き上げ、腿と上体でV字を作ります。
  5. ゆっくりと息を吸いながら元の位置に戻します。
  6. この動作を10~15回、3セット行う。

ベントニーVシットアップの注意点は

  • 腕の反動は使わないようにする。
  • 両足を戻す時は、床につけないようにする。
  • 上体を戻した時は、頭をつけて休まない。

5. 腹筋はどのようにして割れるのか?

シットアップやクランチなどの腹筋運動だけを続けても、腹筋は簡単に割れるものではありません。腹筋を割り、見事なシックスパックを手に入れるには、腹筋運動以外のこともだいじになります。

5-1. 腹筋が見えない原因は皮下脂肪

もともとシックスパックにあたる「腹直筋」は、亀の甲羅のように割れています。これが見えてこない原因の一つが皮下脂肪です。厚みのある皮下脂肪が、「腹直筋」の上にあるために、形が見えてこないのです。

当然、負荷をかけながら「腹直筋」「腹斜筋」などを鍛えて行けば、筋肉は大きくなり、ウエストも引き締まりますが、皮下脂肪を減らさないとシックスパックは見えてきません。お腹を割り、カッコいいシックスパックにするためには、この皮下脂肪を減らしていかないといけません。

5-2. トレーニングと減量がポイント

お腹についた皮下脂肪は、筋トレだけではなかなか落ちません。皮下脂肪を落とすためには、筋トレに加え、減量も必要になります。ジョギング、水泳、サイクリングなどの有酸素運動もトレーニングに取り入れていき、脂肪を燃焼して行かないといけません。

有酸素運動のほかに、食事に気を付けることも減量には欠かせません。鶏の胸身やササミ、牛肉、魚類などのたんぱく質の多い食物類と野菜などを(芋類を除く)中心に、高タンパクで低カロリーの食事を摂るようにしましょう。

あと、大胸筋や大腿筋などの大きな筋肉を鍛えていく事も、減量には効果的です。お腹の周りの筋肉はあまり大きな筋肉ではないので、どれだけ鍛えても代謝は上がりません。

大胸筋や大腿筋などの、体の中で大きな筋肉を鍛えると代謝が上がり、太りにくい体質に変わっていきます。シットアップやクランチの前に、スクワットや腕たて伏せなどを取り入れていくと、減量にも効果的です。

6. 正しいトレーニングと減量で割れた腹筋を手に入れましょう

シットアップの安全で正しい方法と、腹筋を効率よく割るポイントについて説明しました。筋トレで、体を変えていくには時間がかかります。かっこいいシックスパックを手に入れるのも時間がかかり、途中で嫌になるかもしれません。

でも、正しい方法で腹筋を鍛えながら、しっかりと脂肪を落としていけば、必ず腹筋はあらわれてきます。地道な努力を積み重ねていき、夢のシックスパックを手に入れてください。

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