下腹部がぽっこりと出ていることを、多くの方が気にしています。30歳を過ぎた男女に共通する悩みですが、特に女性はその傾向が強いでしょう。
下腹だけがぽっこりと出ていて恥ずかしい。
お腹が立派だねと人からからかわれる。
お腹を隠す服装が多くなり、全身が太って見える。
そういった悩みを解消するには、お腹の筋肉に刺激を与え、引き締める必要があります。
おすすめは「リバースクランチ」です。
腹筋は腕や胸に比べると筋トレでもなかなか効果が出にくいですが、継続すればちゃんと効果は現れます。
ここでは、リバースクランチの正しいフォームややり方、トレーニング頻度などを具体的に紹介していきましょう。
1. リバースクランチはどんな筋トレ?
リバースクランチは腹筋に対する筋トレメニューの1つで、脚をあげてお腹の筋肉に刺激を与える内容です。
お腹の筋肉全体だけでなく、股関節屈曲筋群にも刺激が与えられますが、効果がないという話もよく耳にします。
しかし、それは正しいフォームで正しいやり方でトレーニングを行えていないためでしょう。
ここで紹介するフォームややり方を参考に、しっかりと筋肉に刺激を与えていきましょう。
1-1. リバークランチ刺激を与える筋肉とは
リバースクランチをすればお腹全体の筋肉に刺激を与えられますが、中でも最も効果があるのが「腹直筋」です。
お腹の筋肉は「腹直筋」「外腹斜筋」「内腹斜筋」の3つに分かれますが、腹直筋はお腹の表面の大きな筋肉を指します。
腹直筋を筋トレで鍛えれば、表面が縦横6つに割れる「シックスパック」が手に入ります。
男らしいがっちりとした腹部を目指す男性も、女性らしくしなやかで引き締まった腹部を目指す女性も、まずは腹直筋を鍛える必要があります。
1-2. リバークランチをするメリット
どんなメニューであっても、筋トレはつらく苦しいものが多いです。そのため、モチベーション維持がなかなか難しいと悩む方も多いでしょう。
リバースクランチを諦めそうになったら、リバースクランチをすることで得られるメリットを思い出してください。
メリットは、以下の4つです。
- 下腹部の引き締め
- 代謝が良くなる
- 運動不足解消
- バランス能力のアップ
下腹部がぽっこりと出てしまうのは、腹直筋などが衰えて内臓をしっかりと支えられていないからです。
筋トレをして腹部の筋肉をしっかりと鍛えれば、内臓は正しい位置で維持され、姿勢も良くなっていきます。
下腹部の引き締め効果は、リバースクランチのメリットの最たるものでしょう。
さらに、大きな筋肉である腹直筋を刺激して鍛えることで、筋肉量があがって代謝が良くなります。代謝がよくなればカロリーの消費能力が上がりますので、痩せやすい体になっていきます。
また、当然ですが筋トレは運動不足解消にもなります。リバースクランチは自分1人が寝ころべるスペースがあればどこでもトレーニングできますので、自宅で朝と晩にするなど、運動する機会を得やすくなります。
自宅で短時間でも手軽に運動ができるので、万年運動不足という方は積極的にトライしてください。きっと体調がよくなっていくのを、日々実感できるでしょう。
最後のメリットは、バランス能力のアップです。
リバースクランチは背中と両手のみで全身を支えますので、体幹が弱いとうまくできません。
体を支える面積が小さいトレーニングですので、バランス能力のアップが期待できます。よって、日常生活やスポーツをするときに、体が安定するようになるでしょう。
1-3. リバースクランチのおすすめのトレーニング頻度
リバースクランチは運動強度の高い筋トレメニューです。人によっては強烈な筋肉痛が生じる場合がありますので、自分の体調や目的にあわせてトレーニングしていきましょう。
1回につき、10回から15回を目安に行います。フォームが崩れてきたな、と思ったら回数を減らし、大丈夫なようでしたら回数を増やすといったように調節してください。
下腹部のぽっこりをなくしたい、と願う方は、筋肉痛の程度によっては毎日行っても大丈夫です。あまり強い痛みがあれば休息が必要ですが、日常生活に問題がないという程度であれば、毎日トレーニングしてください。
2. リバースクランチの正しいフォーム
どんなメニューでも、筋トレで最重視しなければならないのは正しいフォームです。
リバースクランチの正しいフォームを紹介しますので、1つずつ確認し、実践してください。
なお、リバースクランチには「膝を曲げるタイプ」と「膝を伸ばすタイプ」がありますが、先に初心者でもやりやすい「膝を曲げるタイプ」のリバースクランチを、その後「膝を伸ばすタイプ」のリバースクランチのフォームを紹介します。
2-1. 膝を曲げるタイプのリバースクランチのフォーム
- 仰向けで寝転がる
- 体から少し両手を離し、床につける
- 軽く足をあげ、両足はくっつける
- 膝の関節と股の関節が90度くらいになるように膝を胸に寄せる
- ゆっくりとお尻を持ち上げ、お腹に力をいれる
- 床ぎりぎりまで足をゆっくりとおろし、以上を繰り返す
足はしっかりと天井を押し出すようにしましょう。不安な方は鏡で自分のフォームを確認したり、人についていてもらって形を見たりしてもらいます。
2-2. 膝を伸ばすタイプのリバースクランチのフォーム
- 仰向けに寝転がり、手は「ハの字」にして体から少し離して床に手のひらをつける
- 両足をそろえ、ゆっくりと腰まで持ち上げる
- 膝はしっかりと伸ばし、両足が離れないようにする
- 両足を床につかない程度まで下ろす
足は、つま先で天井を突き刺すようなイメージを持ってやりましょう。手で体を持ち上げないようにしてください。
3. リバースクランチの正しいやり方
では、正しいフォームを使ってトレーニングをやっていきましょう。これも「膝を曲げるタイプ」のリバースクランチの後、「膝を伸ばすタイプ」も紹介します。
3-1. 膝を曲げるタイプのリバースクランチのやり方
- 仰向けに寝て両足はひっつけて持ち上げる
- 両手は体から少し離し、「ハの字」を作る
- 膝を90度に曲げたままでお尻があがるまで膝を胸に近づける
- ゆっくりと元の体勢に戻る
- 膝を胸へ素早く近づけ、ゆっくりと戻す動作を繰り返す
- 10回を目安にする
注意点としては、床に両足を近づけるときにはゆっくりと、胸に膝を寄せるときには素早く行うことです。このとき、体の反動を使って足をあげないように気を付けてください。
呼吸は、脚を上げるときに息を吐き、脚をおろすときに息を吸います。トレーニング中は呼吸を止めないように気を付けましょう。
3-2. 膝を伸ばすタイプのリバースクランチのやり方
- 仰向けに寝転び両手を体から少し離して置く
- 膝を伸ばしたままで両足をそろえてゆっくりと持ち上げる
- つま先が天井に向きけり上げるように足を上げる
- 両足が床につかない程度までゆっくりと下ろしていく
- 上げるときにはサッと上げ、下ろすときにはゆっくりと下げる動作を続ける
- 10回を目安にする
注意点としては、膝をできるだけ伸ばすこと、そして腰を上げるときに下腹部の筋肉に意識を向けることです。
膝を曲げるタイプのものよりも負荷が高くなりますので、難しい方、フォームが崩れる方は、まず膝を曲げるタイプのリバースクランチからやっていきましょう。
4. リバースクランチの「コツ」6つ
せっかくやるのですから、しっかりと下腹部に効果があってほしいでしょう。ここでは、リバースクランチの効果を高めるコツを6つ紹介していきます。
- 腰は上げない
- 反動をつけない
- 両足は離さない
- 上半身はリラックスする
- 常に足は浮かせたまま
- ウエイトをプラスする
4-1. 腰は上げない
これは「膝を曲げるタイプ」のリバースクランチのコツですが、膝を胸に寄せるときに、勢いがあまって腰まで浮かせてしまう方がいます。上げるのは、お尻までです。
腰が上がれば腹筋に刺激が伝わりにくくなりますので、注意してください。
また、トレーニングをしている間は下腹部に力が入っていることを意識しながら行いましょう。そうすれば効果を得やすいですし、腰痛の予防にもなります。
4-2. 反動をつけない
リバースクランチは強い運動ですので、疲れから反動をつけやすくなります。人によって足を振り回したり、腰を浮かせたりといろいろありますが、反動をつけてしまうと効果は得られません。
反動をつけたな、と思ったら休息をとるなどして、フォームの崩れに気を付けてください。
4-3. 両足は離さない
両足を床からあげるときには、膝をしっかりと閉じるように意識しましょう。
両膝が離れてしまうと脚を上げたり下げたりする際に、重心が定まらずに負荷が減ってしまいます。
4-4. 上半身はリラックスする
リバースクランチを行うときには、上半身はリラックスして力を入れないようにしましょう。
上半身や手は、体を床に固定するために使います。
しかし、どうやっても力が入ってしまうという方は、トレーニング前に深呼吸をしたり上半身の筋肉を軽くほぐしたりしてから、リバースクランチをするようにしてください。
4-5. 常に足は浮かせたまま
リバースクランチは、スタートポジションからトレーニングの終了まで、床に足をつけることはありません。
足を床におろさないことで休憩時間を最小限に抑えることができ、下腹部へしっかりと刺激を送れます。
足が床につくと刺激を送っていた筋肉が休んでしまい、フォームが崩れる原因になってしまいます。
4-6. ウエイトをプラスする
リバースクランチのフォームも覚えて、慣れてきたという方が負荷を重くするには、ウエイトをプラスするという方法があります。
足首にバンドをまき、負荷を大きくしてさらなる効果を得ましょう。ウエイトバンドは太ももにまくこともできます。
5. リバースクランチよりさらに高負荷の筋トレは?
膝を曲げるタイプ・膝を伸ばすタイプの両方のリバースクランチに慣れ、楽々行えるようになる方もいるでしょう。さらにウエイトバンドで負荷を強くするトレーニングもできた、という方に「インクライン・リバースクランチ」を紹介します。
インクライン・リバースクランチは、インクラインベンチと呼ばれる傾斜のついたベンチに寝そべり、リバースクランチをするメニューです。
通常のリバースクランチに比べてかなりの負荷をかけることができます。
- 両膝を立てたままでインクラインベンチに仰向けに寝る
- 両膝は曲げた上体のままで脚を上げる
- 膝関節と股関節が90度程度になっていることを確認し、膝を胸へ近づける
- ゆっくりと足をおろし、元の姿勢に戻る
- 以上を繰り返す
注意点としては、脚の上げ下げのときに腰を反りすぎないようにすることです。そして頭が浮かないようにも気を付けてください。
6. こんな方はリバースクランチでのトレーニングはNG
下腹部に高い負荷を与え、ぽっこりした下腹をすっきりと引き締められるトレーニングであるリバークランチですが、やってはいけない人がいます。
それは、「妊娠中の女性」と「腰や股関節を痛めている方」です。
妊娠中の女性がリバースクランチをすると、下腹部へ強い刺激を与えてしまい、非常に危険です。下腹部だけでなく骨盤などにも強い刺激がいきますので、もし妊娠中かどうかがわからないという方は、検査をしてからにしましょう。
また、妊娠中ではあるけれどトレーニングをやりたいという方は、担当の医師と必ず相談してトレーニングメニューを厳選してください。
腰や股関節に痛みがある方にも、リバースクランチはおすすめしません。
股関節や腰の部分を曲げて行うトレーニングなので、痛みがあるところに強い刺激を与えると、痛みが悪化する可能性が高いです。
無理なトレーニングをすると現在の症状が悪化するかもしれませんので、行う前に医療機関やトレーナーに相談してください。
・まとめ:下腹部をすっきり凹ませる!リバークランチがおすすめ
リバークランチは下腹部全体や股関節に刺激を与える筋トレです。
なかなか無駄な脂肪がなくなりにくいお腹周辺ですが、強度の高いリバースクランチをして徐々に引き締めていきましょう。
初心者でも取り組みやすいのが、膝を曲げるタイプのリバースクランチです。さほどひどい筋肉痛でなければ毎日行っても問題はありませんので、しっかりと継続していきましょう。
【合わせて読みたい筋トレ方法】
・お腹周りの脂肪を落として引き締める方法を解説
・ウエストの筋トレ!くびれ作りに役立つトレーニングを10種紹介
・ダンベルを使った効果的な腹筋トレーニングを解説
・腹筋をキレイに割る鍛え方。自宅で手軽にシックスパックを目指す!
・腸腰筋(深腹筋)の効果的な筋トレ&ストレッチ
・ニーレイズで腸腰筋と腹筋を強化する方法!
・プランクでお腹周りを引き締めよう|やり方やコツを紹介
・ロールアウトを正しい手順で行って腹筋を効果的に筋トレ!
・トーソローテーションマシンを使ってトレーニングするときのポイントを解説
・ドラゴンフラッグで腹筋をバキバキに強化する方法!
・マウンテンクライマーを正しい手順でおこなう|効果・種類を解説
・ハンギングワイパーで腹筋を強烈に刺激する3ステップ
・シットアップで腹筋を割る効果的な方法と腰を痛めないポイントを解説
・腹斜筋に効くダンベルサイドベントでくびれを作る方法を解説