ニーレイズで腸腰筋と腹筋を強化する方法!

腸腰筋・腹筋を効果的に鍛えたい方は必見!ニーレイズのやり方、正しいフォーム、メニューの組み方、効果的な回数、押さえるべきポイント、呼吸法まで徹底解説!基本的な体幹の安定、ウエストのくびれ作り、姿勢改善、体の歪み改善、ヒップアップに効きます!

1. 腸腰筋は体幹の要

1-1. 腸腰筋の働き

まずは腸腰筋について解説します。トレーニングを行うに当たり、鍛える筋肉の情報を頭に入れておくことはモチベーションアップに欠かせません。どこにある筋肉なのか、どんな作用をする筋肉なのか、知識も一緒に学んでおきましょう。

腸腰筋は腰元~骨盤内に位置し、身体の軸になる部分に付いている筋肉です。腸腰筋は「腸骨筋」、「大腰筋」、「小腰筋」という3つの筋肉の総称です。これらが衰えると体幹が崩れ、背骨の歪みまで起きてくる可能性があります。

表面からは見えませんが、背骨を中心として上半身を支え、体幹を安定させる役割を担っています。つまり、背骨を固定するという重要な役割を持っているのです。また、股関節の屈曲の際にも働いています。普段の生活の中では、歩いたり、走ったり、不安定な足場(電車の乗車中など)で踏ん張ったりする時に働いて、体幹の安定性を高めるのに大きく関わっています。

近年ではスポーツにおいて、この「踏ん張り」が重要視され、スポーツ選手の体幹トレーニングに取り入れられるほどです。腸腰筋はアウターマッスルのようにパワーのある力強い筋肉ではありませんが、あらゆる外力に対応できる、柔軟でしなやかな体作りのために鍛える筋肉ということを覚えておきましょう。

1-2. 腸腰筋を鍛えるメリット

では、腸腰筋を鍛えると実際にはどんなメリットがあるのでしょう?ここでは腸腰筋を鍛えることで期待できる効果を7つご紹介します。

①体の歪みの改善

まずは、身体の歪みの改善です。先ほども述べた通り、腸腰筋を鍛えることで体幹の安定性を高めることができます。上半身と下半身を結びつける腸腰筋は、それぞれの体幹部の軸がぶれないようバランスを維持する働きがあります。体幹の軸の強化に繋がるために、身体の歪みの改善が期待できるのです。

②体幹の安定による運動機能の向上

腸腰筋を鍛えることで体幹が安定するため、「歩く」「走る」「バランスをとる」といった動作を中心に、運動機能の向上が見込めます。腸腰筋が強化されると、日常動作では、ウォーキングや階段昇降でも違いを実感できるでしょう。また、その他のスポーツにおいても動きやすくなったり、可動域(体の動ける範囲)が向上し、全体的なパフォーマンスアップを感じられると思います。

③下腹部の引き締めと脂肪燃焼

腸腰筋を鍛えて発達させることで、効果的に体幹を使うことができるようになります。代謝や血流の向上により、下腹部の脂肪燃焼効果が期待できます。また、内臓を支えることができるようになるため、内臓が正しい位置に戻り、安定します。さらに下腹部の脂肪燃焼しやすい状態を作ることができますよ。

④姿勢の改善とヒップアップ

表面からは目に見えない腸腰筋ですが、実は姿勢改善とヒップアップのカギも握っている筋肉でもあります。鍛えると骨盤の位置を正しく矯正することができ、連鎖的に骨盤周りのお尻の筋肉も正しい位置に戻るため、下がりにくいヒップを作ることができます。

さらには、骨盤の位置が安定することで体の軸が安定し、姿勢改善に繋がるのです。トレーニングをしても、筋肉が増大しているかを確認することは難しい腸腰筋ですが、これらのメリットを効果の目安にするのも良いですね。

⑤ウォーキング効率の向上

お年寄りで、腰を曲げたまま歩いている人を見たことはありませんか?背骨自体の変形で腰が曲がっている場合もありますが、筋力低下により背筋を伸ばして歩けない場合、弱っている筋肉は腸腰筋であることが多いのです。このことからも、腸腰筋が「歩く」動作において、特に大きな影響を及ぼす筋肉であることが分かると思います。

腸腰筋を鍛えることで「歩き方」が安定し、身体に負担のない効率的なフォームで歩くことができるようになります。すると長距離を歩いても疲れにくく、怪我をしにくくなります。

また、下半身の筋肉を効率よく使えるようになるため、脂肪燃焼が促進されやすくなる効果もありますよ。効率よく身体を引き締めたい人には、アプローチ必須の筋肉ですね。

⑥足が速くなる

腸腰筋を鍛えることで得られるメリットは、ウォーキング能力のアップだけではありません。なんと、腸腰筋が発達することで、足が速くなる効果もあるのです。腸腰筋が直接的に足を速くするわけではありませんが、その効果は短距離走の世界的な選手も、腸腰筋お鍛えるトレーニングを行っているほどです。

速く走るためには、地面から受ける衝撃を骨盤で受け止め、骨盤の安定を保ちつつ、脚を運ぶ動作を継続的に行うことが必要になります。この骨盤の安定性を支えるのが、腸腰筋です。腸腰筋が弱い状態では、地面の衝撃で骨盤が揺れ、身体の軸がぶれやすくなり、無駄な動きが多くなってしまいます。

「走る」という行為においては、無駄な動きが動作の効率を著しく下げてしまうことになるため、腸腰筋を鍛えることで安定した効率の良い走りが可能となります。その結果として足が速くなるのですね。

⑦ジャンプ力が高まる

ここまでのメリットでもご紹介した通り、腸腰筋を鍛えると下半身の動きのパフォーマンスを底上げすることができることが分かりましたね。「歩く」「走る」だけでなく、実は「ジャンプする」ような能力を強化する効果も期待できます。

特にバレーボールやバスケットボールなど、ジャンプ力が重要となるスポーツでは、トレーニングして腸腰筋を鍛えるメニューが取り入れられています。ジャンプ力を強化するほど鍛えるためには、やはりコツコツと日々トレーニングを積み重ねていくことが必要になります。

ここまで、腸腰筋お鍛える7つのメリットをお伝えしました。下半身を中心に、身体機能の土台を強化できる重要な筋肉であることがお分かりいただけたかと思います。今度は、肝心の腸腰筋のトレーニング、初心者でも取り組みやすいニーレイズについてお伝えしていきます。

2. 初心者向きの腸腰筋トレーニング「ニーレイズ」

2-1.  ニーレイズとレッグレイズの違いとは?

ニーレイズとレッグレイズというトレーニングをご存知ですか?どちらも腸腰筋と腹筋下部に刺激を与えることのできる自重トレーニングです。ニーレイズとレッグレイズは、一見やり方もフォームも似ていますが、実はれっきとした違いがあります。それは、以下の2点のポイントです。

  • ニーレイズはその名の通り、脚(レッグ)ではなく膝(ニー)を意識して行うトレーニング。
  • ニーレイズの方が負荷が少なく、トレーニング初心者でも取り組みやすい。

ニーレイズでは、脚ではなく、膝を引き付けることを意識して取り組むことが大切になります。ニーレイズよりもレッグレイズの方が強い刺激が入るため、上級者向きのトレーニングと言えるでしょう。ただ、ニーレイズも正しいフォームで行えば、しっかりと体幹を鍛え上げることができるトレーニングです。

2-2.  ニーレイズの正しいやり方(フォーム編)

ニーレイズを含む、自重トレーニングを行う上で最も大切なことは、正しいフォームを確認して取り組むことです。フォームが間違っていると、せっかく取り組んでも違う筋肉に効いてしまったり、身体の痛みや歪みに繋がってしまうことも!以下にご紹介する正しいやり方をチェックして、取り組んでみて下さいね。

2-3.  ニーレイズの正しいフォーム

それでは、ニーレイズのフォームに付いて解説します。

  1. トレーニングマットなどの上に仰向けになります。
  2. 頭を軽く上げます。おへそを見るように意識しましょう。
  3. 手は45度に開いて、腰が浮かないように注意します。
  4. セットボジションとして、少しだけ足を浮かせておきます。
  5. そのまま、膝を意識しながら腹筋に近づけていきます。
  6. ぎりぎりまで引き付け、止まります。
  7. 再びゆっくりと脚を水平に伸ばしていきます。

【ニーレイズのフォームで重要なポイント】

  • 目線は常におへそを見る意識で行います。
  • ぎりぎりまで、十分に膝をお腹に引き付けるように行います。

2-4. ニーレイズの正しいやり方(メニュー編)

ニーレイズの正しいフォームやポイントは分かりましたか?次に、実際にニーレイズのトレーニングメニューについて解説します。トレーニングは、やり過ぎると逆効果になってしまうことがあります。決められた回数とセット数を守り、必要に応じて、ご自分の身体とも相談して行いましょう。

2-5.  ニーレイズのトレーニングメニュー

  1. フォーム編で紹介した「セットポジション」をしっかりと取りましょう。
  2. 膝の位置を意識し、腹筋に向かって引き付けます。
  3. ぎりぎりの限界まで引き付けたら、2秒間停止します。
  4. しっかり止まった後、ゆっくりと「セットポジション」に戻ります。
  5. 1~4を15~20回繰り返して行います。
  6. インターバルは1分ほど取ります。
  7. インターバル中は、息を整えましょう。歩き回るのもおすすめです。
  8. 残り2セットも同じように行いましょう。
  9. トレーニングは3セットで終了します。

ニーレイズの1セットの回数は、15~20回を目安に行いましょう。特にトレーニング初心者お場合は、回数やセット数よりも「正しいフォームを体で覚える」ことにコミットすることが大切です。もし、3セットでも余裕がある場合は、膝を引き付けて停止する時間を増やして負荷を調整していきましょう。

3.  ニーレイズの筋トレ効果を高める「コツ」とは?

ここでは、ニーレイズのトレーニング効果をより高める4つのコツをご紹介します。しっかりチェックして、効率的なニーレイズをマスターして最大の効果を狙っていきましょう。

① 腹筋で収縮させるイメージで行う

まずは、腹筋を収縮させるイメージで行うことです。ニーレイズだけではなく、他のトレーニングも同様ですが、刺激するターゲットの筋肉を意識して行いましょう。

意識してその部分を動かすことで、ヒトの身体は何倍もの力を発揮することができます。つまり、効率的に鍛えることができるのです。今回のニーレイズでは、膝を腹筋に引き寄せる際に、腹筋の収縮をしっかりと感じ取り、腸腰筋をイメージしながら行うことが大きなポイントとなるわけです。漫然と取り組むのではなく、目には見えない腸腰筋の収縮を感じてみましょう。

② チーティングを行わない

トレーニング初心者が行いがちなのが「チーティング」です。チーティングとは、反動の力を利用して、重量を持ち上げることです。特にニーレイズのような自重トレーニングにおけるチーティングは、筋肉への刺激が激減してしまため、タブーなのです。しっかりと腹部や腸腰筋に負荷をかけて刺激を入れ、筋肉を鍛えていきましょう。

③ しっかりと呼吸法を学ぶ

どんなトレーニングにおいても重要なポイントは、呼吸を止めないことです。力んでしまうとつい息を止めてしまいがちですが、基本的には筋肉を強く収縮させる時には息を吐き、緩める時には息を吸います。ニーレイズのようなゆっくりとした動作で腹筋を使うトレーニングでは、呼吸法がより重要となります。

膝をお腹に引き寄せて腹筋を収縮させる時に息を吐き、セットポジションに戻すために足を伸ばす時には息を吸うように行ってみてください。正しいフォームとともに身体で覚え、マスターしていきましょう。

④ 足を伸ばす時はゆっくりと

ニーレイズをより効果的に行うポイント、それは膝を腹筋に引き付ける際は素早く、セットポジションに戻す時はゆっくりと行うことです。

筋肉は、筋肉の収縮と伸張(筋肉を伸ばすこと)の刺激を組み合わせて入れることで成長を促すことができます。しかし、ニーレイズは慎重の刺激が弱いトレーニングのため、ゆっくりと脚を伸ばすことで刺激を増やすことが大切になるのです。トレーニングに慣れてきたら、コツとして取り入れてみて下さいね。

4. 体幹の土台、腸腰筋を鍛えてぶれない芯のある身体作りを!

いかがでしたか?今回はじっくりと詳しくニーレイズに付いて解説してきました。

実は超重要な筋肉である腸腰筋は、目には見えませんが体幹を支える要として働いています。体幹・骨盤の安定性を向上させることで、トレーニング効率や基本的な身体機能の底上げが可能となります。積極的に鍛えていきたい筋肉のひとつですね。

トレーニング初心者でも取り組みやすいニーレイズを取り入れて、ぶれない芯のある身体作りを目指していきましょう。

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