1. ハンギングワイパーで鍛えられる筋肉と効果
ハンギングワイパーは、脚を左右に振る動作を行うことで腹部にねじれが生じて、腹筋全体に高い負荷をかけることができます。最も強力に鍛えられるのが「腹斜筋」です。
その他、シックスパックを作るのに欠かせない「腹直筋」や、逆三角形のボディライン作りに必要な「広背筋」も鍛えられます。
1-1. 腹斜筋
腹斜筋は、両方の脇腹部分の、肋骨から骨盤にかけて斜めに走っている筋肉。表層部にある「外腹斜筋」と、外腹斜筋の深部にある「内腹斜筋」があり、それぞれが協力して働いています。体をねじる動作をする時に力を発揮します。
腹部の左右から引き締めるようにして存在しているため、しっかりと鍛えれば、くびれを作ることができます。ウエストを細くしたい場合には欠かせない部位でもあり、脇腹が締まっていると、シックスパックの見栄えもよくなります。
1-2. 腹直筋
腹直筋は、腹部の真ん中部分に縦長に伸びている、シックスパックを形成する筋肉。腰を曲げる、骨盤全体を引き上げる、などの動作をする時に力を発揮します。姿勢を維持する役割や、体のバランスを安定する役割も担っています。
腹筋を構成している筋肉の中でも最も見栄えがする部位で、腹筋を割るためには鍛える必要があります。腹直筋が鍛えられると姿勢も良くなり、スタイルアップにも繋がります。
1-3. 広背筋
広背筋は、背中全体を覆うように存在する、肩関節に関与している筋肉。身体の中でも大きな体積を持っています。開いた腕を閉じる、腕を後ろに挙げたり引っ張る、などの動作をする時に力を発揮します。
大きな筋肉である広背筋を鍛えることで、基礎代謝が向上し、脂肪の燃焼効果も高まります。その結果、引き締まった身体に変わることができるでしょう。逆三角形のボディラインを形成するためには、欠かせない部位でもあります。
2. ハンギングワイパーの効果
ハンギングワイパーで主に鍛えられるのは、腹部の筋肉の「腹斜筋」や「腹直筋」、それに、背中の筋肉の「広背筋」です。それぞれ、次のような効果が得られます。
2-1. シックスパックが作れる
腹直筋を鍛えることができるハンギングワイパーは、腹筋を割ってシックスパックを作ることができます。腹斜筋も鍛えられて脇腹が引き締まるので、メリハリがあるシックスパックが作れるでしょう。
2-2. くびれを作ってウエストが引き締まる
ハンギングワイパーは、脇腹を引き締めるのに欠かせない腹斜筋が鍛えられます。ウエストがキュッと引き締まった、理想的なスタイルを作ることができるでしょう。
2-3. 逆三角形のボディラインが作れる
ハンギングワイパーは、逆三角形のボディラインの形成に欠かせない広背筋が鍛えられます。ボディメイクを目的としている人には、必要不可欠なトレーニングです。
3. ハンギングワイパーまでの3ステップ
ハンギングワイパーは、腹筋全体を強烈に刺激できるトレーニングであり、特に腹斜筋を鍛えるのには効果的です。
ただ、全身の筋肉をある程度鍛えていないと動作が難しい、上級者向けの筋トレです。いきなりハンギングワイパーを実践するのは難しいため、難易度が低いトレーニングから、段階を追って挑戦しましょう。
腹筋の強化に効果的な、ハンギングワイパーまでの3ステップをご紹介します。
3-1. ステップ1:ライイング・ウインドシールドワイパー
脚を左右に振る時に使用する、腹斜筋が鍛えられるトレーニング。腹斜筋を使って下半身を左右に振る感覚が掴めます。
- 仰向けの体勢で、両手を横に開いて床につける
- 両ヒザが離れないようにタオルなどを挟み、太ももが床と垂直になるように上げる
- お腹を支点にして、90度を目標に右側にゆっくりとひねる
- ゆっくりと元の体勢に戻し、90度を目標に左側にゆっくりとひねる
この動作を左右繰り返し10〜15回で1セットとして、3セットを目安に行います。体をひねる時に、肩を床から離さないことがポイントです。肩が床から離れてしまうと、ひねりが小さくなるため、腹斜筋を十分に鍛えられません。
慣れてきたら、太ももと床の角度を45度にしましょう。腹斜筋への刺激が高まり、さらに効果的に鍛えられます。負荷を高めるためにも、ゆっくりとした動作で行ってください。
3-2. ステップ2:ハンギング・レッグレイズ
鉄棒などのバーを使う、腹直筋や広背筋が鍛えられるトレーニング。腹直筋を使って脚を持ち上げる感覚が掴めます。
- 鉄棒やバーにぶら下がる(持ち手は順手でも逆手でも良い)
- 左右の脚を揃えた体勢で、腹筋だけを使って腰を90度曲げる
- ゆっくりと脚を下ろす
この動作を繰り返し10〜15回で1セットとして、3セットを目安に行います。下腹部を丸めて脚を上げるイメージで、反動をつけずに行うのがポイントです。反動をつけてしまうと、腹筋が集中的に刺激されません。
脚を伸ばすことで負荷が高まり、脚をゆっくりと下ろすことで継続して筋肉に負荷をかけられます。脚を伸ばしての動作が難しい場合は、膝を曲げた動作から徐々に鍛えていきましょう。
3-3. ステップ3:ハンギングワイパー
ステップ1とステップ2で必要な筋肉を鍛えることができたら、ハンギングワイパー を実践してみましょう。
- 鉄棒やバーにぶら下がる(持ち手は順手でも逆手でも良い)
- 左右の脚を揃えた体勢で、つま先が真上に向くように体を曲げる
- そのままの状態で、90度を目標に右側にゆっくりとひねる
- ゆっくりと元の体勢に戻し、90度を目標に左側にゆっくりとひねる
この動作を左右繰り返し10〜15回で1セットとして、3セットを目安に行います。上半身を固定することを意識して行うのがポイントです。上半身がブレてしまうと、腹斜筋が効果的に鍛えられません。
筋肉に継続して刺激を与えるために、ゆっくりとした動作で行いましょう。筋肉への刺激が逃げないので、少ない回数でも効果が期待できます。
回数をこなすことを意識してしまうと、反動を使ってしまいがちです。反動を使うと、筋肉への負荷が弱くなってしまいます。それに、腰椎などを痛めてしまう可能性があります。反動をつけないことを意識して行いましょう。
さらに負荷を高めたいという場合は、アンクルウエイトを装着するのがおすすめです。軽いウエイトでも、十分な負荷がかかります。
4. ハンギングワイパーは回数よりもフォームが重要
ハンギングワイパーは、腹筋を強烈に刺激することができる、腹筋を鍛えるのには効果的なトレーニングです。ただ、正しいフォームで行わなければ、いくら回数をこなしても効果は期待できません。
他のトレーニングも同じことですが、回数よりもフォームを重視して行うことが大切です。
ハンギングワイパーは、ある程度の筋肉が備わっていないと動作が難しいため、正しいフォームを維持するだけでも大変です。最初は少ない回数で構わないので、正しいフォームを維持することを目標にしましょう。
5. まとめ
ハンギングワイパーは、腹筋にかかる負荷が大きく、難易度が高いトレーニングです。筋肉を鍛えていないと実践することが難しいため、まずは難易度が低いトレーニングから、ステップを踏んだ上で実践しましょう。
ハンギングワイパーを行う時には、反動を使わずにゆっくりとした動作で行うのがポイントです。上半身がブレないように、できるだけ固定することも意識しましょう。
トレーニングは、正しいフォームで行わなければ、効果が期待できません。回数を増やすのではなく、正しいフォームで行うことが大切です。
筋肉が強化されて引き締まったカッコいいスタイルを目指して、じっくりと取り組んでいきましょう。
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