内転筋の効果的な鍛え方。内太ももを鍛えるストレッチ&筋トレ

太ももがどうにもぶよぶよとだらしない!しっかりと鍛えて格好よい脚を手に入れたい!という方は、内転筋のトレーニングをしましょう。

他の筋肉に比べると内転筋は決して認知度が高い筋肉ではありませんが、ここを鍛えれば日常生活でのパフォーマンスが向上し、健康に関するメリットも多々あります。

ここでは内転筋について、おすすめのストレッチやトレーニング集などを紹介していきます。ジムだけでなく自宅や日常生活を送るうえでできるトレーニングメニューもありますので、参考にしてトライしてください。

1. 内転筋の場所やその役割

内転筋は内太ももの辺りにある筋肉です。恥骨筋・大内転筋・長内転筋・短内転筋・薄筋などのような太ももにある小さな筋肉の総称で、日常生活においての使用頻度は非常に高いです。

下半身のバランス調節に欠かすことができない筋肉で、骨盤の安定、姿勢の維持、歩行の安定などの重要な役割があります。

内転筋が弱れば骨盤周辺に影響が出ますので、姿勢が悪くなって体形が変わったり、内臓環境が悪化したりします。

内転筋を鍛えるには、膝を内側へ向ける動きや足を体よりも後方へ下げる動きなどが必要です。

2. 内転筋群を鍛えるメリット3つ

認知度が低い割に重要な筋肉である内転筋ですが、ここを鍛えるメリットは大きなもので3つあります。

  • 太ももを引き締める
  • 骨盤が安定する
  • O脚の改善

順番に紹介していきます。トレーニングの最中につらくなったら、得られるメリットを思い出してモチベーションを保ってください。

2-1. 太ももを引き締める

内転筋を鍛えると太ももが引き締まり、脚の形が良くなってシルエットが細くなります。

女性で全体的に細い方でも、太ももに脂肪がついてたるんでいれば下半身がむっちりと太って見えてしまいます。内転筋を鍛え、スキニーパンツが似合う脚を手に入れてください。

2-2. 骨盤が安定する

骨盤が不安定であれば、トレーニング中にケガのリスクを増やしてしまいます。さらに猫背や腰痛の原因にもなりますので、骨盤をしっかりと安定させることは非常に大切です。

内転筋を鍛えれば骨盤周辺の筋肉に刺激を送れますので、骨盤が正しい位置で安定します。さまざまな健康的メリットは骨盤の安定が条件であることも多いので、内転筋を鍛えて骨盤周辺の筋肉を引き締めていきましょう。

下腹部がぽっこりと出てしまっている中年の方は、骨盤の傾斜が原因であることも多いです。トレーニングをして骨盤を正しい位置に戻してください。

2-3. O脚の改善

真っすぐに立ったときに格好悪く見えてしまう原因の1つに、O脚があります。O脚は太ももに隙間ができて外側に膨らんだように両足が曲がって見える状態ですが、内転筋を鍛えればO脚の改善が可能です。

O脚を何とかしたいと願う方は、内転筋トレーニングをしましょう。

3. 内転筋のおすすめストレッチ

筋トレ前と後には、トレーニング中のケガのリスクを減らすために必ずストレッチをしてください。筋トレのメインの筋肉を中心に、その周辺もしっかりと伸ばしていきましょう。

内転筋のストレッチでおすすめなのは、以下の2つです。

  • 片膝倒しストレッチ
  • 足の裏合わせストレッチ

3-1. 片膝倒しストレッチ

  1. 床の上に仰向けで寝ころぶ
  2. 両膝を立てる
  3. 右脚だけを外側へと倒し、そのまま20秒キープ
  4. 右脚を元に戻す
  5. 左脚だけを外側へと倒し、そのまま20秒キープ
  6. 左脚を元に戻す
  7. 3~6を10回繰り返す

片方の脚を外側へ倒しているとき、反対側の膝を立てたままの脚はなるべく動かさないようにしてください。ストレッチの最中は、呼吸を忘れないようにしっかりと繰り返しましょう。

3-2. 足の裏合わせストレッチ

  1. あぐらをかくように床に座り、両足の裏を合わせる
  2. 両足首を両手でつかみ、そのまま上体を前へ倒していく
  3. 背中をのばし、肘をつかって内ももが床に向かうようにする
  4. この状態のままで20秒ほどキープする

体を前へ倒すとき、ゆっくりと息を吐き出しながら行います。腹式呼吸をしながらストレッチを行うと、より効果的です。

4. 【筋トレ】内転筋に効果的!おすすめトレーニングメニュー9選

ストレッチで筋肉を伸ばしたら、トレーニングの開始です。ここでは以下9つの内転筋トレーニングを紹介していきます。

  • ワイドスタンススクワット
  • アダクション
  • サイドランジ
  • ツイストランジ
  • レッグスクイーズ
  • チューブヒップアダクション
  • サイドレッドリフト
  • レッグプレス
  • マシンレッグアダクション

4-1. ワイドスタンススクワット

一般的なスクワットに比べて脚幅を大きく広げてやるのが、ワイドスタンススクワットです。いつでもどこでもトレーニングが可能ですので、正しいやり方を覚えて日々の習慣にしてください。

  1. 足幅を肩幅よりも開いて立つ
  2. つま先はやや外側へ向け、背筋を伸ばして胸を張る
  3. 両手を前へまっすぐに伸ばす
  4. 息を吐きながら腰をゆっくりと下ろしていく
  5. 太ももが床と平行になるまで下げたら、3秒キープ
  6. 息を吸いながら素早く腰を上げる
  7. 4~6を20回繰り返す
  8. インターバルで30秒休憩する
  9. 残り2セットを行う

目線は常に前を向き、体をもちあげるときにはかかとに力を入れるようにしてください。膝を傷めないように膝とつま先の向きは同じにし、膝がつま先よりも前方へ出ないようにします。

スクワットは下半身の筋トレの王様ともいえる種目です。鏡を見ながらフォームの確認をして、ケガがないように続けましょう。

さらに負荷を強くしたい方は、両手にダンベルを持つようにしてください。ダンベルを持った両手は前に出さず、下へおろしたままで腰を下げます。膝や腰を痛めないように、くれぐれもフォームには気を付けましょう。

4-2. アダクション

寝ころんだ状態で行うアダクションは、気軽に内転筋を鍛えられるトレーニングとして人気があります。自宅でも夜に眠る前や朝早く起きたときなど、思い立ったときにできるメニューです。

なお、横向きに寝転ぶため体が痛くなる方もいます。クッションやヨガマットなどをご使用ください。

  1. 体を横に向けて寝ころぶ
  2. 上側の脚を下側の脚の前に出して床に足の裏をつける
  3. 下側の肘をついて上体を持ち上げ、上側の手は体の前で地面に手のひらをついて体を支える
  4. そのままの体勢で、下側の脚を伸ばしたまま上へと上げる
  5. 出来るだけ上げたら、脚を下ろして元に戻す
  6. 4~5を15回繰り返す
  7. 左右を交代し、同じように15回する
  8. 左右それぞれ15回×3セットを行う

太ももが熱く、まるでやけどをしたかのように感じられるまで筋肉を追い込みましょう。脚を持ち上げるときは反動を使わず、持ち上げられる限界まで上げていきます。

4-3. サイドランジ

サイドランジはスクワットより深くしゃがみ込むため、脚の筋肉全体に刺激を送れます。

内転筋だけでなくお尻やふくらはぎの筋肉にも効果がありますので、下半身を鍛えたい方、ヒップアップも希望する方にはおすすめのトレーニングです。

  1. 足幅を肩幅と同じくらいに開いて立つ
  2. 両手を腰にあてて背筋を伸ばし、姿勢を正しくする
  3. 片脚をできるだけ大きく横へ踏み出す
  4. 踏み出した足に体重をのせるイメージで腰を落とす
  5. 踏み出した足を元へと戻してまっすぐに立つ
  6. 3~5を20回繰り返す
  7. 反対側も同様にする
  8. 左右それぞれ20回×3セットを行う

トレーニング中、背筋と踏み出さない方の足(軸足)はまっすぐに保ちます。軸足の太ももが刺激を受け、伸びていることを感じましょう。元の位置へと戻るときにはかかとに力を入れてください。

4-4. ツイストランジ

プロのアスリートたちも練習に取り入れている内転筋のトレーニングが、ツイストランジです。内転筋だけでなく、大臀筋やハムストリングス、大腿四頭筋など下半身全般を強化できますので、ぜひ取り組んでいきましょう。

  1. 真っすぐに立って手を胸の前に出し、肘を組む
  2. 足は肩幅に開き、そのまま右足を前へと踏み出す
  3. 腰を下ろしながら上半身を右側へひねる
  4. 足は踏み出した位置のままで、上半身を上げて前を向く
  5. 3~4を10回繰り返す
  6. 左側も同様に、左足を前へ踏み出し、体は左側へとひねる
  7. 左右20回ずつ×3セット行う

呼吸は、体をひねりながら腰を落とすときに息を吐き、体を上げて正面に戻すときに息を吸ってください。呼吸と同時に下腹に力をいれると、インナーマッスルや体幹も鍛えられます。

スピードではなく、1回の動作をきっちりとすることに重点を置きましょう。

4-5. レッグスクイーズ

バランスボールを使ってする内転筋のトレーニングです。効率よく内転筋を鍛えられますので、自宅でのトレーニングに最適です。

バランスボールは他のストレッチや体幹トレーニングなどにも使えて便利なものですので、持っていない方は購入を検討してください。

  1. 仰向けに寝転んで、バランスボールを両足ではさむ
  2. バランスボールを挟んだままで両足を少し浮かせる
  3. バランスボールを足に力を入れて強くはさむ
  4. ボールが落ちない程度に、両足から力を抜く
  5. 4~5を30回繰り返す
  6. インターバルで30秒休憩する
  7. 残り2セットを行う

両足はトレーニング中はずっと浮かせたままです。また、膝を少し内側へ向けてください。軽めのトレーニングではありますが、必ずインターバルは実施してください。じっくりと筋肉が温まるのを感じましょう。

床に寝転ぶことで腰周辺が痛い方は、マットを敷いたりベッドの上でやったりしてください。

4-6. チューブヒップアダクション

通常のアダクションよりもっと負荷を強くしたい、という方には、チューブヒップアダクションがおすすめです。チューブを持っていれば自宅でもトレーニングが可能な、お尻と太ももを鍛えるメニューです。

  1. チューブの片端を壁やドアにつけて固定する
  2. 片方の足首にアンクルストラップを装着する
  3. ストラップがついていない方の足で立つ
  4. 腰に両手をおいて背筋を伸ばし、ストラップがついた足は負荷を感じない程度に開く
  5. ストラップがついた方の脚をゆっくりと内側へ引っ張る
  6. 限界まで引っ張ったらゆっくりと足を戻す
  7. 5~6を15回繰り返す
  8. インターバルで30秒休憩する
  9. 残り2セットを行う
  10. 反対側も同様に行う

片足立ちでバランスが不安な方は、椅子などを用意して捕まりながらトレーニングを行いましょう。チューブは最初、男女関係なく5kgほどの軽めのものを使ってください。慣れたら徐々に負荷を上げていき、20kg程度まで負荷を増やします。

4-7. サイドレッグリフト

こちらも寝ころんだままでできる内転筋トレーニングです。自分の体重を負荷に使う自重トレーニングの1つで、負荷をあげずともちゃんと効果が出ると人気です。

帰宅後、テレビを見ながらラジオを聴きながらでも手軽に実行できますので、ぜひ習慣にしてください。

  1. 横向きに寝ころぶ
  2. 下側の手は伸ばして頭の下に敷き、枕の代わりにする
  3. 上側の手は体の前につけ、体を支える
  4. 上側の足はまっすぐに伸ばし、ゆっくりと上へあげる
  5. 限界まで足を上げたら、ゆっくりと戻す
  6. 4~5を20回繰り返す
  7. 左右を反対にして同様に行う

横向きでやるため、バランスを崩さないように注意しましょう。上側の手と下側の足を使い、バランスを保ちます。

テレビなどを見ているとただ反復作業になってしまうことがありますが、どこに刺激が向かっているかを意識するようにしてください。

4-8. レッグプレス

レッグプレスは、ジムにあるプレスマシンを使って内転筋を鍛えるトレーニングです。ジムには定期的に通っているという方は、トライしてみましょう。

マシンに座ってプレートを両足で押し上げるトレーニングですが、プレートを押す脚幅によって鍛えられる位置を変更できます。内太ももを鍛えたいときには、脚幅を肩幅よりも広くしてください。

  1. マシンのシートに深く腰掛ける
  2. 脚幅を肩幅よりも広くし、つま先は外へ向けて両足をプレートに置く
  3. 息を吐きながら、ゆっくりと両足でプレートを押し上げ膝を伸ばしていく
  4. 息を吸いながら、ゆっくりと膝を曲げて元の位置へ戻る
  5. 3~4を15回繰り返す
  6. インターバルで30秒休憩する
  7. 残り1セットを行う

レッグプレスを行うときには、スクワットと同じく膝の向きとつま先の向きが同じになっている必要があります。呼吸を忘れないようにし、力を入れるときにも息を止めないように注意しましょう。

4-9. マシンレッグアダクション

こちらもジムにある専用のマシンを使います。重量設定も幅広くできるうえ、マシンを使うのでフォームが崩れにくくて初心者でもやりやすいでしょう。

  1. マシンのシートに深く腰掛け、背中をもたれさせる
  2. 両膝の内側をパッドにあてる
  3. ゆっくりと脚を閉じていく
  4. 限界まで脚を閉じたら、反動を使わずに筋肉の力で元へと戻る
  5. 3~4を10回繰り返す
  6. インターバルで30秒休憩する
  7. 残り2セットを行う

内ももをパッドにつける位置の違いで、骨盤への刺激が変わります。骨盤を引き気味でトレーニングをすると内転筋の股関節よりの部位が、骨盤を前に出してトレーニングを行うと内転筋の膝よりの部位に刺激を送れます。

少しずつずらして、まんべんなく内転筋を鍛えましょう。最初にフォームなどで心配がある方は、トレーナーなどについてもらって確認してください。

5. 日常生活でできる内転筋トレーニング

きっちり時間を取り、ウエアも着替えていろいろ準備し、さあトレーニングをしよう!と気張ることが面倒くさい日もあります。

そんなときに活躍するのが、日常生活を送るうちにできる内転筋のトレーニングです。会社や出先でもふと気が向いたときにすぐできる、以下の3つのメニューを紹介します。

  • 膝をそろえて座る
  • 膝に何かはさんで座る
  • つま先立ち歩き

5-1. 膝をそろえて座る

「膝をそろえて座る」は、電車やバスの中、自宅での食事中などに実践できる内転筋トレーニングです。

座るときに無意識に足を組んだり、両足を開けたりしていませんか?特に足を組んでしまう方は、骨盤が傾斜したりずれたりしがちです。膝をぴたっとつけて座るだけでも、内転筋には刺激を送れます。

内転筋が衰えているかどうかがわかる目安としては、膝を閉じた状態を5分間維持ができない方です。椅子に座るときには膝をぴたりとつけて座り、5分以上その姿勢をキープしてください。

座るときには膝をひっつける、と繰り返していけば、普通に座っているだけでもトレーニングになっていきます。

5-2. 膝に何かはさんで座る

膝を閉じて座れるようになったら、次のステップは「膝に何か挟んで座る」です。薄めの本などを膝ではさんで座ります。

はさんだものを落とさないようにするだけで、内転筋に強く刺激がいきます。このトレーニングでは自然に腹筋も鍛えられますので、下腹が出てきたと気にしている方はぜひ取り組んでください。

会社での就業中など、他の人にバレることなくトレーニングが可能です。

5-3. つま先立ち歩き

つま先立ち歩きは、歩きながらできるトレーニングです。ハイヒールや革靴を履きながらは難しいかもしれませんので、自宅で裸足になったときなどにトライしてください。

簡単にできる上、美脚効果があります。

つま先立ちになって歩くときには、まっすぐな線の上を歩くイメージを持ち、体の真ん中に足がくるようにしましょう。

30秒ほど歩いたら10秒程度のインターバルを取り、また歩きます。

つま先立ち歩きが終わったら、太ももやふくらはぎをなでるようにしてさすってください。お風呂に入る前などにすれば、お湯で温められてほぐれやすくなります。

6. 内太ももが痛みを持ったら?

筋トレをしていると、当然ですが筋肉痛に見舞われることが多くなります。筋肉を肥大させるには一度筋肉の束が切れて修復するというプロセスが大切なので、これは仕方ないことです。

しかし、内転筋の場合はただの筋肉痛ではないケースもあります。「股関節内転筋群炎症」です。その名の通りに内転筋群に炎症が起こるという病気で、これが起これば太ももの使用をなるべく控えなければなりません。

筋肉痛であってもやはり痛みがあるときにはその部位は使用しない方がいいですし、筋肉を大きくするためには休息も大切です。そのため、太ももが痛いなと感じたら、絶対に無理はしないようにしましょう。

負荷をかけることはすぐにやめ、アイシングをしたり休息をとったりしてください。

痛みがひどく続くようであれば、早めに病院を診察しましょう。内転筋は日常生活でよく使う筋肉ですので、病気になれば不都合なことが増えます。

まとめ 太ももを動かして内転筋に強い刺激を送ろう!

太ももをすっきりと引き締めるためには、内転筋という筋肉群に刺激を送る必要があります。ここを刺激するときゅっと筋肉が引き締まり、美脚になるばかりか骨盤の位置と角度が正しく安定しますので、健康面でのメリットも多数あります。

しっかりした下半身、スタイリッシュな下半身を作るためにも内転筋を鍛えましょう。

ジムでのメニューや自宅でのメニュー、日常生活を送る中で気軽にできるメニューを紹介しましたので、ぜひできるものからトライしてください。

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