太ももの筋肉を鍛えて下半身を効果的に引き締める方法

下半身に脂肪がたっぷりとついていると全体が太って見えるうえに、まっすぐに立っていられず疲れやすくなります。

太ももの筋肉を鍛えると、体形が引き締まってキレイに見えるだけでなく、他にも数々のメリットがあります。

ここでは太ももを作る筋肉の種類、おすすめの筋トレメニューや筋トレグッズなどを紹介していきます。

効率よく太ももを鍛えて、自分史上最高の体になりましょう。

1. 太ももの筋肉と役割とは?

人の体の中で、下半身には大きな筋肉が集まっています。中でも特に大きな筋肉があるのが太ももです。人間にとってここの筋肉は、非常に大切です。

一般的に太ももと呼ばれる場所には、大腿四頭筋・ハムストリング・内転筋群という筋肉群があります。では、それぞれの役割を紹介していきましょう。

1-1. 大腿四頭筋

大腿四頭筋(だいたいしとうきん)は太ももの前にある筋肉で、人の体の中で最も大きい複合筋です。

大腿四頭筋を作るのは4つの筋肉、大腿直筋・外側広筋・内側広筋・中間広筋です。どの筋肉も膝関節を伸ばす役割があり、歩いたり膝を伸ばして立ち上がったりする動作に使っています。

ここを鍛えると体の代謝量が大幅にアップしますので、痩せやすい体質になれます。また、女性で膝上の肉のたるみが気になる方は、大腿四頭筋に刺激を与えると余分な脂肪をなくし、すっきりと美しい膝になります。

1-2. ハムストリング

ハムストリングスは太ももの裏側にあり、大腿二頭筋・半腱様筋・半膜様筋の3つの筋肉で構成されています。筋肉の役割は、膝の関節を曲げることです。

ハムストリングスは脂肪がつきやすいという特徴がありますので、日頃からストレッチや筋トレをして鍛えましょう。ここを引き締めると、脚全体がほっそりと見え美しい形になります。

1-3. 内転筋群

内転筋群は太ももの内側の筋肉群で、5つの筋肉から構成されています。大内転筋・恥骨筋・長内転筋・短内転筋・薄筋です。

基本的に内転動作で大きな力を発揮する筋肉ですが、大腿四頭筋やハムストリングスに比べ、普段の生活では強い刺激を受けることがあまりありません。

そのため、意識的に刺激を送らないと上手に鍛えることができない筋肉群でもあります。ここを鍛えれば、O脚の改善や骨盤の安定など、多くの方に健康に関するメリットを得られます。

2. 太ももの筋肉”赤筋”と”白筋”の違いは?

人体の筋肉の図解を見たことがある方は、イラストの中で筋肉が「赤色」と「白色」に塗り分けられていることに気付くでしょう。

その通り、すべての筋肉は赤筋と白筋の2つに大別されています。では、その意味や違いをご存じでしょうか?

白筋・・・別名「速筋」。負荷がかかるトレーニングや素早い動きが必要な際に使われる筋肉

赤筋・・・別名「遅筋」。負荷の少ない運動、有酸素運動などをするときに使われる筋肉で、体脂肪を燃焼させやすい

つまりたるんだ足、ぶよぶよの足をなんとかしたいということであれば、脂肪燃焼をしやすい赤筋を鍛えるとよいということです。太ももでは、大腿二頭筋や大内転筋が赤筋の大きな筋肉ですので、集中的に鍛えていきましょう。

3. 太ももを鍛えるメリット3つ

太ももを鍛えれば、どんなメリットがあるでしょうか?ご褒美があれば、筋トレにも明るい気持ちで励めます。まずはメリットを3つ確認してください。

  • 大幅に代謝が向上する
  • 若々しくなれる
  • 筋トレの質が向上する

3-1. 大幅に代謝が向上する

人間は普通に生活するだけである程度の筋肉を使っていますが、筋肉1kgあたり約20kcalを消費します。つまり大きな筋肉を鍛えれば、上昇する代謝の伸びしろが大きいということになります。

太ももは、人間の体の中で大きい筋肉がいくつも集まった場所です。太もも全体を鍛えるだけで、簡単に体全体の代謝を上げることができるのです。

スクワットを10回すると、腹筋では100回分の筋トレ効果があると言われます。痩せやすい効率の良い体を作るためには、太ももを鍛えて大きな筋肉に刺激を与えましょう。

3-2. 若々しくなれる

下半身には大きな筋肉が集まっており、歩行など人間にとって必要な役割を持っています。下半身の筋肉をしっかりと鍛えておくと土台が安定し、体が軽く感じて日常生活のパフォーマンスも向上します。

また、筋トレをすると成長ホルモンが分泌されますが、成長ホルモンは加齢によって年々分泌量が減少します。太ももは筋肉が大きいため筋トレの効果も大きく、成長ホルモンの分泌も促せます。

成長ホルモンが出れば体を若々しく保てますので、外見も老けて見えません。フットワークを軽くし、見た目も若々しくしてくれるのです。太ももの筋トレは、アンチエイジングに最適です。

3-3. 筋トレの質が向上する

上半身の筋トレをする場合でも、下半身が大きく影響していることがよくあります。立ったままでダンベルやバーベルなどを使用したトレーニングは、下半身も十分に鍛えられていなければ安定したトレーニングを行えません。

筋トレで下半身をしっかりと鍛えることで、他の部位の筋トレの質を向上させられます。

4. 自宅でできるおすすめの太ももトレーニングメニュー7選

では、自宅でもできるおすすめの太ももトレーニングメニューを7つ紹介しましょう。

  • 空気椅子
  • ヒップリフト
  • ノーマルスクワット
  • シシースクワット
  • レッグカール
  • レッグランジ
  • アダクション

忙しくてジムに行く時間が取れないという方でも、隙間時間に自宅で取り組んでください。

4-1. 空気椅子

筋トレ初心者でも1度は見た・聞いたことがあるのが、この「空気椅子」でしょう。必要なのは壁だけなので、どこでも思いついたときに実施できるトレーニングです。

一般的な筋トレとは違い筋肉を緊張させた状態のままで保つ筋トレですが、行う前にはストレッチをして足や股関節は伸ばしておいてください。

  1. 足を肩幅よりも広くあけ、背中を壁に向けて立つ
  2. 両腕は胸の前で組むか前へまっすぐに伸ばす
  3. 背中を壁に預け、ゆっくりと腰を落としていく
  4. 太ももが床と平行になるまで腰を下げたら、1分キープする
  5. 1分を1セットとして1日に数回行う

膝の角度が90度、太ももが床と平行になるのが正しい体勢です。壁がなくてもトレーニング可能ですので、仕事中に椅子からお尻を浮かせてキープするなどをして、日頃から取り入れてください。

4-2. ヒップリフト

床に寝ころんだままでできる筋トレです。就寝前や起きたときなど、ベッドの上でやっても構いません。習慣にしやすいトレーニングですので、継続していきましょう。

  1. 床に仰向けになり、両膝を立てる
  2. 両手は胸の前で交差させる
  3. その体勢のまま、お尻をゆっくりと真上へ持ち上げる
  4. 膝から首までを一直線にし、お尻とおなかに力を入れて30秒キープ
  5. お尻を下げて元の体勢に戻る
  6. インターバルで30秒の休憩を取る
  7. 残り2セットを行う

トレーニング中はお尻とおなかに力を入れること、太ももを意識することを忘れないでください。

これなら楽にできるという方は、片足をまっすぐに伸ばしてみましょう。さらに効果を高められます。

4-3. ノーマルスクワット

スクワットは下半身の筋トレの王様として有名です。ここで鍛えられるのは、下半身の筋肉のほぼすべてですので、1度で同時に多くの筋肉に刺激を送れます。

  1. 肩幅に足を広げて立ち、足先はやや外側へ向ける
  2. 背筋を伸ばして両手は前へ出す
  3. 目線は前を向き、息を吸いながら腰を下ろしていく
  4. 太ももが床と平行になるまで下げ、3秒キープ
  5. ゆっくりと腰を上げて元の姿勢に戻る
  6. 3~5を30回繰り返す
  7. インターバルで30秒休憩を取る
  8. 残り2セットを行う

初心者は、最初の頃は1セット10回でも構いません。フォームに気を付け、ゆっくりと繰り返してください。慣れてきたらセット数を増やすのではなく、回数を増やして対処しましょう。

顔は下を向かず、前を見ます。つま先と膝の方向を同じにし、膝や腰を痛めないようにしてください。

4-4. シシースクワット

一般的なスクワットからさらに強度を高めたものが、シシースクワットです。体を後ろへ傾けてから起き上がるという筋トレで、太ももの前の部分を集中的に追い込めます。

  1. どっしりとした椅子など、つかんで体を支えることができるものを準備する
  2. 片手で1を握り、もう片方の手は腰にそえる
  3. 両膝を曲げつつ腰を下ろし、上体を後ろへと傾ける
  4. つま先に力をいれ、ゆっくりと膝を伸ばして元の体勢へ戻る
  5. 3~4を10回繰り返す
  6. インターバルで30秒休憩を取る
  7. 残り2セットを行う

上体を後ろへ傾けるとき、プレートなどを胸に抱えるとさらに負荷をかけられます。体幹を意識し、体をふらつかせないようにしてください。

4-5. レッグカール

寝ころんだままでできるトレーニングです。レッグカールは膝を曲げ伸ばしする動作で、主に太ももの裏側、ハムストリングスを効率的に鍛えられます。

  1. タオルやマットを床に敷き、その上にうつぶせで寝ころぶ
  2. 両手は顔の前で組む
  3. かかとをお尻に当てるイメージで膝を曲げていく
  4. ゆっくりと膝を伸ばして元に戻す
  5. 3~4を20回繰り返す
  6. インターバルで30秒休憩を取る
  7. 残り2セットを行う

上半身には力を入れず、つま先はまっすぐに伸ばしてトレーニングをしましょう。慣れてきたら、ペットボトルに水を入れて両足で挟みます。チューブを両足首に結んだり、ダンベルを挟んだりして負荷を強めてください。

4-6. レッグランジ

レッグランジは自重トレーニングの1種で、足の筋肉をバランスよく鍛えられます。負荷を強めたい方は、ダンベルを両手に持ってトレーニングをしましょう。

  1. 両足は肩幅よりも狭くして開く
  2. 両手は腰に当てるか、後ろで組む
  3. 右足を大きく1歩踏み出して、体を真下へとおろす
  4. 太ももと床が平行になるまで体を下げたら、前に出した足に力をいれて元の体勢に戻る
  5. 3~4を20回繰り返す
  6. インターバルで30秒休憩を取る
  7. 残り2セットを行う
  8. 左足も同様に行う

上体は、おなかに力を入れて背筋をまっすぐに伸ばしたままで行いましょう。前に出す足はのばしすぎず、バランスを保ちます。自分の体重だけでフォームが正しく行えるようになってから、ダンベルで負荷を強化しましょう。

4-7. アダクション

刺激を送りにくい内ももを鍛えるなら、アダクションがおすすめです。こちらも寝ながらできるトレーニングですので、自宅やジムなど場所をえらばずにトライできます。

  1. 床の上に横向きになって寝転がる
  2. 上側の足を曲げ、体の前へと出して足裏を床にぴったりとつける
  3. 下側の手は伸ばして頭の枕にするか、肘を曲げて手のひらで頭を支える
  4. 上側の手はおなかの前に出して床を押し、体が倒れないように支える
  5. 下側の足をまっすぐに伸ばしたままで、上へあげる
  6. ゆっくりとした動きで上げきったら、3秒キープ
  7. ゆっくりと足を下ろし、元の体勢へ戻る
  8. 5~7を15回繰り返す
  9. インターバルで30秒休憩を取る
  10. 反対側も同様にし、左右で1セットとする
  11. インターバルを挟みながら左右15回×3セットをする

トレーニング前には必ずストレッチをしてください。メニューに慣れてきたら、回数を増やします。もし足がつりかけたときには、すぐにトレーニングをやめて筋肉を休ませましょう。

5. ジムや外でできるおすすめの太ももトレーニングメニュー3選

外や設備が整ったジムで行う、太もものおすすめトレーニングメニューです。

  • ウォーキングやランニング
  • レッグエクステンション
  • レッグプレス

ジムにあるマシンを使えば、フォームが崩れにくくなるのでリスクも減り、おすすめです。

5-1. ウォーキングやランニング

歩く・走るは全身の筋肉を心地よく刺激する、子どもから年配の方まで出来る筋トレです。有酸素運動なので脂肪を燃焼させ、赤筋を刺激するため代謝も上がります。

ウォーキングやランニングをする際には、脂肪が燃焼を始める20分以上を目標にしてください。トレーニング前には必ず屈伸や足首回しなどをして、ケガの予防につとめましょう。

基本姿勢は背筋をしっかりと伸ばし、胸を張ることです。耳と肩、腰が一直線になるようにし、視線はまっすぐに前を向きましょう。背中を意識するあまり腰が反らないように注意してください。

肘は90度くらいに曲げ、腕を大き目に振ります。肘を後ろへ引くようなイメージです。着地はかかとから行って、着地した足の上に上半身をのせてください。

5-2. レッグエクステンション

レッグエクステンションでは、大腿四頭筋を強く刺激できます。人気かつベーシックなトレーニングですから、ジムへいけば大抵マシンがあるはずです。毎回取り組んでいきましょう。

  1. マシンのシートに深く腰掛ける
  2. パッドを調節して膝の角度が90度になる位置まで下げ、グリップを軽くつかむ
  3. パッドに両足を引っかける
  4. 太ももへの刺激を意識しながら、両足を持ち上げる
  5. 限界まで上げたら、ゆっくりと両足を下げる
  6. 4~5を10回繰り返す
  7. インターバルで1分休憩を取る
  8. 残り2セットを行う

マシンを使うとフォームが崩れにくく簡単になりますが、負荷は強いのでインターバルは長めに取ります。両足をパッドにひっかけ、息を吐きながら持ち上げ息を吸いながら下ろしてください。

また、グリップを強く握ると腕に力が入ってしまい、足に力がいきにくくなります。グリップは軽く握る程度にしましょう。

5-3. レッグプレス

レッグプレスもマシンを使います。脚の力でマシンを押し上げるトレーニングで、下半身全般を鍛えられます。

  1. マシンのシートの位置や高さを調節する
  2. シートに腰かけて背中を預け、両足の裏をボードにつける
  3. 膝がおなかにつくギリギリまで近づける
  4. 膝を伸ばしながら、足に力を入れてボードを押し上げる
  5. 3~4を10回繰り返す
  6. 残り2セットを行う

足の裏全体をボードにつけ、太ももとお尻の筋肉を使って持ち上げましょう。力をいれようとするあまり、呼吸を忘れないようにしてください。

6. 普段からできる太ももの筋肉を鍛えるコツ

下半身は大きな筋肉が集まる、大切な場所です。トレーニングのために時間が取れない方でも、普段の生活を行いながら筋肉に刺激を送ることができます。

では、毎日できる太ももを鍛えるコツを紹介していきましょう。

実践して頂きたいのは、以下の3つです。

  • なるべく階段を使う
  • 毎日1万歩を目標に歩く
  • 足のストレッチを習慣化する

6-1. なるべく階段を使う

通勤・通学ではエレベーターやエスカレーターを使ってしまうという方は、できるだけ階段を使うようにしましょう。階段を使った昇降運動は、太ももへ刺激を送るには最適です。

毎日階段を使うことで、代謝も上がって痩せやすい体質へと変わっていくでしょう。

6-2. 毎日1万歩を目標に歩く

現代人はあまり歩かず、そのために体が弱くなっていると言われています。

出勤のために駅にむかうとき車や自転車を使わずに歩く、電車に乗る場所を変え1駅分は歩く、休日は公園などに散歩にいくなどをし、毎日1万歩を目標に歩いてみましょう。

歩けば有酸素運動になります。女性の方はヒールだとバランスが悪く、腰などを痛めてしまう可能性もあります。ヒールは会社に置いてスニーカーで通勤するなど、いろんな方法を考えてみてください。

そして歩くときには、ダラダラと歩かないことが大切です。胸を張って前を見、腕は軽く振って早足で歩きましょう。続ける内に、自然と太ももが引き締まっていくはずです。

6-3. 足のストレッチを習慣化する

筋トレ前後にはストレッチを欠かさずにしなくてはいけませんが、普段から気が付いたときに足のストレッチをしていきましょう。

朝起きたとき、夜眠る前にストレッチをすれば、血行も良くなって体の凝りがほぐれます。老廃物の排出を促すことにもなり、健康面でも大きなメリットがあります。

お風呂上りなど、筋肉が温められたときに行うストレッチやマッサージがおすすめです。

7. 太ももを鍛える筋トレグッズとは?

太ももは体積が大きく、パワーが強い筋肉です。そのため効率よく鍛えるには、負荷を高めていかなければなりません。

太ももを鍛える筋トレグッズでおすすめなのは、ダンベルとチューブです。

7-1. トレーニングチューブ

トレーニングチューブは徐々に負荷を高めていくことができ、収納場所にも困らないため人気のグッズです。ダンベルやバーベルとは違い、筋肉へ負荷をかけるときに滑らかに強めることができます。

価格も2000円ほどのものが多く、1本持っていれば筋トレメニューの幅を広げられます。お気に入りのチューブを購入し、自宅での筋トレに活用してください。

7-2. ダンベル

100円ショップでも手に入れることができ、手軽に筋トレで負荷を強められるグッズがダンベルです。

カラフルで小型の可愛いものから大きくてプロが使うものまで、種類や価格もいろいろと違います。ベーシックなものを1セットは持っておいてください。

なお、ダンベルには固定式と可動式がありますが、便利なのはおもりが自由に調節できる可動式のものです。

まとめ:太ももをすっきりと引き締める!筋トレで強い下半身に

人間の筋肉で大きなものは、下半身に集まっています。下半身を鍛えることで、健康面でもメリットは多々あるのです。

太ももをすっきりとさせたい、他の筋トレの質を向上させたいと願うのであれば、太ももの筋肉に刺激を与えましょう。

自宅、外、ジムでできる筋トレメニューや、普段からできる太ももへ刺激を送るコツを紹介しました。できるものから取り組んでみてください。

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