ナロースクワットで集中的に鍛えるやり方から注意点

筋トレビッグ3の中に入る、有名な下半身のトレーニングが「スクワット」です。大きな筋肉が集まっている下半身に刺激を簡単に与えられると、男女ともに人気のメニューです。

では、ナロースクワットをご存じでしょうか?ナロースクワットは一般的なスクワットに比べ、足幅を狭くして行う筋トレ種目です。足幅を狭くすることで、通常のスクワットとは違う部位に刺激を送れます。

ここではナロースクワットについて、鍛えられる部位や正しいやり方、トレーニング中の注意点などを紹介していきます。

ナロースクワットで下半身を集中的に鍛え、理想の体に近づけていきましょう。

1. ナロースクワットで鍛えられるのは大腿四頭筋!

筋トレでは、今やっていることでどこの筋肉に刺激を与えているかを本人が知っていることが大切です。意識するかしないかで効果の出方が違うと言われますので、ナロースクワットではどこの部位が鍛えられるのかを知っておきましょう。

足幅を狭くして行うナロースクワットのメインターゲットは、大腿四頭筋です。大腿四頭筋は太ももの前部分にある大きな筋肉で、歩いたり走ったりする動きに大きな影響を与えます。

そしてサブターゲットは、一般的なスクワットと同じくお尻の筋肉である大臀筋、そして太ももの裏側にあるハムストリングです。

スクワットで下半身を鍛えると、「痩せやすい体になる」とか「パフォーマンスが向上する」、「他の筋トレで重量を上げやすくなる」といったさまざまなメリットがあります。習慣的にナロースクワットを行い、しっかり鍛えていきましょう。

2. ナロースクワットの正しいやり方

ナロースクワットは足幅が狭い分、腰への負担が大きくなります。そのため、フォームを正しく行うことが何より重要です。

まずは鏡やスマートフォンを利用したり人についてもらったりして、正しいフォームを覚えましょう。ケガをしないように細心の注意を払ってやってください。

  1. 両足を肩幅よりも狭く開き、まっすぐに立つ
  2. 腕を前に伸ばし、胸を張って背筋を伸ばす
  3. 息を吸いながら膝を曲げ、ゆっくりと上体を下ろしていく
  4. 太ももが床と水平になるまで下ろしたら、息を吐きながらゆっくりと元の体勢に戻す
  5. 3~4を自分の目的に合わせた回数で繰り返す

スクワットでは足幅は狭ければ狭いほど、大腿四頭筋への刺激を強くできます。初心者や腰に不安がある方は少しでも開く方が良いですが、完全に両足を閉じたままで行っても構いません。両足を完全に閉じた場合、バランス感覚も強くすることができます。

力を振り絞るために呼吸を止めてしまう方がいますが、危険ですから呼吸は意識して行ってください。腰を下ろすと同時に吸い、腰を上げると同時に吐き出しましょう。

負荷を高める場合には、インターバルを挟んで筋肉を休ませる必要もあります。あとで目的別の負荷や回数、セット数、インターバルの間隔などを紹介しますので、参考にしてください。

3. ナロースクワットの注意点4つ

では、ナロースクワットを行う上での注意点を4つ紹介していきます。

  • 深く腰を下ろす
  • かかとは地面につける
  • 膝はつま先より前へ出さない
  • 反動をつけて動かない

ケガの予防にもつながることですので、必ず確認してからトレーニングをするようにしてください。

3-1. 深く腰を下ろす

腰は深くおろしましょう。目安としては、太ももが地面と水平になるくらいです。腰を深く下ろすことで、筋肉に確実な刺激を送ることができます。

足幅が狭いためつらく難しいのですが、大腿四頭筋に高負荷を与えるにはできるだけ上体をおろす必要があります。

3-2. かかとは地面につける

ナロースクワットでは足幅を狭くするため、腰を下ろそうとするときにかかとが地面から浮き上がってしまうことがあります。

しかしかかとが地面から離れると、大腿四頭筋から負荷が逃げてしまい、せっかくの効果が減少してしまいます。かかとは地面につけたままでトレーニングしましょう。

どうしても地面からかかとが浮き上がってしまうという場合、かかとと地面の間に板を挟むのも良い方法です。

3-3. 膝はつま先より前へ出さない

スクワットには種類がありますが、いずれも共通する注意点が「膝をつま先より前に出さないこと」です。膝がつま先より前へ出てしまうと、腰を痛める原因になります。

ナロースクワットはただでさえ腰に負担がかかりやすい筋トレ種目ですので、膝がつま先より前に出ていないかは毎回確認しましょう。

また、これもケガ予防のため、膝とつま先の向きはそろえてください。

3-4. 反動をつけて動かない

これは全ての筋トレに共通する注意点ですが、反動を使って動かないようにしましょう。腕を振った勢いで腰を上げたりすれば、正しく筋肉に刺激を送れません。

目指す回数をしてもまだ余裕があるというときは、何らかの反動を使って動いていなかったか考えてみてください。目標が10回繰り返すことならその10回で力を出し切ってしまうくらいが、きちんと効果を得られます。

ちなみに反動をつけてトレーニングをすることを、筋トレでは「チーティング」といいます。

4. ナロースクワットでオススメの負荷・回数・セット数

ナロースクワットをすれば太ももの前面の筋肉をメインとして下半身が鍛えられますが、目的によって適切な回数・セット数・インターバルがあります。

たとえば、筋肉そのものを太く大きくしたい場合や、筋肉のパワーそのものを上げたい場合です。

ここでは以上の2つに加えて痩せやすい体を作りたい女性や初心者におすすめする場合について、それぞれ適切な回数・セット数・インターバルを紹介しましょう。自分の目的に合わせて変えていってください。

4-1. 初心者・痩せやすい体を作る場合

初心者はまず、正しいフォームですることを重視しましょう。そして、ムキムキの筋肉にはなりたくない、痩せやすい体を作りたいだけという女性の方も、フォームを優先し、以下の負荷や回数でナロースクワットをこなしてください。

  • 負荷・・・最大筋力の6割から7割程度
  • 回数・・・15回
  • セット数・・・3セット
  • インターバル・・・30秒

負荷は軽くて構いませんので、正しいフォームで回数を多く繰り返してやることが大切です。股関節が硬い方は腰への負担が強まる恐れがありますので、まずはストレッチをして柔軟度を上げておきましょう。

負荷が軽いため、毎日行っても問題ありません。筋肉痛が酷い場合は休息が必要ですが、さほど酷くなければ日々の習慣にして行ってください。

4-2. 筋肉を太く大きくする場合

男らしい、がっちりとした太い太もも。そんな姿に憧れて筋トレをしている方は、筋肉を大きくするための回数やセット数をこなしていきましょう。

  • 負荷・・・最大筋力の8割程度
  • 回数・・・8回から12回
  • セット数・・・3から6セット
  • インターバル・・・90秒

8回から12回でもうこれ以上は無理、という限界まで追い込みましょう。その後90秒のインターバルを挟み、合計で3から6セット繰り返します。

インターバルは必ず入れて筋肉を休ませ、プロテインなどをトレーニング前後に飲むなどして、栄養補給にも努めてください。

4-3. パワーそのものを上げる場合

筋肉の大きな太い太ももではなく、持久力や馬力を出せるようにしたい場合の回数やセット数です。高負荷にするため、後で紹介するダンベルやバーベルなどを使ってください。

  • 負荷・・・最大筋力の9割から10割
  • 回数・・・1回から5回
  • セット数・・・2から6セット
  • インターバル・・・3分から5分

瞬間的にパワーを爆発させ、その1回が限界というくらいの重量設定で行います。負荷が大きいので回復には時間が必要ですから、3分から5分程度のインターバルを挟みましょう。その後、合計で2から6セットを行います。

4-4. おすすめは2つの組み合わせ

真剣に体の改造をしている方で筋トレの効果をより得たい場合は、「筋力を上げるセット」と「パワーを上げるセット」を交互にやることがおすすめです。

たとえば、1カ月ごとに上記の2つをやっていきましょう。そうすれば筋肉は大きくなりながらパワーも増えていきますので、次のトレーニングではより重い重量を扱えるようになってきます。

5. スクワットにおける足幅ごとの効果部位の違い

スクワットには3つの種類があります。一般的な足を肩幅に開く「ノーマルスクワット」、足を肩幅の1.5倍くらいに開く「ワイドスクワット」、そして今回紹介しているナロースクワットです。

それぞれにメインターゲットや腰への負担が違いますので、確認しておきましょう。

5-1. ノーマルスクワットの場合

一般的なスクワットでは、足幅は肩幅に合わせます。刺激部位は太もも全体とお尻、背中の筋肉です。腰への負担は特に多くはありません。

下半身をバランスよく鍛えたいときに、取り入れたい筋トレメニューです。

5-2. ワイドスクワットの場合

ワイドスクワットは足幅を肩幅の1.5倍に開いてするスクワットで、刺激部位は太ももの内側にある内転筋がメインです。腰への負担は小さく、滅多に痛めることはないでしょう。

ワイドスクワットでは内転筋をすっきりと引き締められますので、美脚効果もあります。

6. 器具を使ったナロースクワットのやり方と注意点

スクワットは通常、自分の体重を使った自重トレーニングですが、器具を使えばより負荷をかけることもできます。

使う器具は、ダンベルとバーベルです。それぞれのやり方と注意点を紹介しましょう。

6-1. ダンベルナロースクワット

ダンベルナロースクワットは、両手にダンベルを持って行います。効果的な筋肉は自重のナロースクワットと同じく、大腿四頭筋・ハムストリング・大臀筋です。

自重でするより負荷が増す分、膝や腰への負担も高まります。ケガを防ぐためにフォームの正しさは意識してください。

  1. 両手にダンベルを持ち、両足をひっつけるか少し開いた状態でまっすぐに立つ
  2. 胸を張って正面を向く
  3. 息を吸いながらダンベルを持った腕を下へおろしたままで、膝をゆっくりと曲げて腰を下ろしていく
  4. 膝が90度、太ももと地面が水平になるまで腰を下げたら、息を吐きながらゆっくりと膝を伸ばして元の体勢に戻る
  5. 3~4を15回繰り返す
  6. インターバルで30秒休憩をとる
  7. 残り2セットを行う

注意点は通常のナロースクワットと同じですが、ダンベルを持っている分負荷が増し、腰への負担は増えています。そのため、必ず背中は伸ばし、丸めないように気を付けましょう。

ダンベルを振った反動で上体を上げないように、腕は動かしません。

6-2. バーベルナロースクワット

バーベルを担いでやるナロースクワットです。筋肉に高負荷をかけられますので、強い刺激を与えたい方はトライしてみましょう。

ただし、腰だけでなく膝関節などにも負担が強くなりますので、最初はトレーナーなどについて貰ってください。

  1. バーベルスタンドの間に立ち、バーベルを首の後ろに背負った状態でまっすぐに立つ
  2. 両足はひっつけるか、少しだけ開く
  3. 胸を張って背筋を伸ばし、正面を向く
  4. バーベルを背負ったままゆっくりと膝を曲げ、息を吸いながら腰を下ろしていく
  5. 限界まで腰を下げたら、息を吐きながら元の体勢に戻る
  6. 4~5を15回繰り返す
  7. インターバルで90秒休憩をとる
  8. 残り2セットを行う

ナロースクワットは元からバランスがとりにくい筋トレ種目です。それにバーベルが加わることで更にバランスを取りにくくなりますので、いざというときすぐにバーベルを預けられるラックやスタンドの近くで行うか、スミスマシンを活用して行ってください。

まとめ 太ももを集中的に鍛えるならナロースクワット!

太くたくましい太ももを手に入れたいなら、迷うことなくナロースクワットです。ダンベルなどで負荷を増やせばさらに刺激を強くできますので、太ももの筋肉を追い込みたいという方は、ナロースクワットで負荷を高めていきましょう。

ただし、ケガをしやすいメニューであることを忘れてはいけません。初心者や負荷を上げる場合には、トレーナーについてもらうなど対策をとってください。

下半身の筋肉を鍛えれば、メリットは多くあります。ナロースクワットで理想の体形に近づけていきましょう。

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