サイドランジで内転筋を効率的に鍛える

下半身を鍛えるのに有効なトレーニングのサイドランジ。ヒップアップや太ももの引き締めに効果的な、自宅でも簡単に取り組めるトレーニングです。ここでは、サイドランジで鍛えられる筋肉ややり方、注意点などを、わかりやすくご説明します。

1. サイドランジで鍛えられる筋肉と効果

サイドランジで主に鍛えられる筋肉は「内転筋」「大臀筋」「ハムストリング」の3種類。筋肉を意識しながらしっかりと鍛えることで、ヒップアップや太ももの引き締め、美脚など、女性に嬉しい効果が期待できます。

1-1. 内転筋

内転筋は、太ももの内側に位置する、「恥骨筋」「大内転筋」「長内転筋」「短内転筋」「薄筋」の5つの筋肉が集まった筋肉群。ヒザを内側に向ける動きや、脚を後ろに伸ばす動きなどの、股関節の動きに強く関与しています。

骨盤の安定や歩行、姿勢の維持など、普段の生活における動作で多く使われている、人体には欠かせない重要な筋肉です。

内転筋を鍛えれば太ももが引き締まり、太ももの間に隙間ができます。内もものたるみが引き上がり、スッキリした太ももが手に入るでしょう。下半身が安定するため身体のバランスが良くなり、運動のパフォーマンスの向上にも繋がります。

1-2. 大臀筋

大臀筋は、お尻に位置する、身体の中で最も大きな筋肉。お尻の膨らみを作っているため、大臀筋の発達具合によってお尻の見栄えが左右されます。走る、ジャンプする、立ち上がるなど、主に脚を後ろに振る役割を担っています。

日常生活での使用頻度が高い筋肉のため、衰えてしまうとつまずきやすくなるなど、普段の生活に影響が出てしまいます。

大臀筋を鍛えれば筋肉が引き締まってヒップの位置が上がり、脚長効果も期待できるでしょう。大きな筋肉の大臀筋が鍛えられると、代謝がアップして脂肪が燃えやすくなり、太りにくい身体作りにも繋がります。

1-3. ハムストリング

ハムストリングは、太ももの裏に位置する、「大腿二頭筋」「半膜様筋」「半腱様筋」の3つの筋肉を集めた総称。ヒザ関節と股関節の両方にまたがっているため、ヒザ関節と股関節のどちらの動きにも関与しています。

ヒザの動きや下半身の安定、歩く、階段を登るなど、日常生活での多くの動作に使われます。

大きな筋肉のハムストリングは、鍛えるほどに効率良く基礎代謝が向上していきます。下半身の安定も強化でき、歩いている時など、日常生活でも変化が感じられるはずです。お尻の筋肉をサポートする役割もあるため、大臀筋に刺激を与えてヒップアップ効果も期待できるでしょう。

2. 【自重編】サイドランジのやり方と鍛えられる筋肉

サイドランジは、器具を使用しなくても自重のみで行えます。まずは、基本的なサイドランジのフォームやポイントをマスターしましょう。

2-1. サイドランジ

脚を大きく開いて左右に体重を移動する、自重トレーニング。内転筋、大臀筋、ハムストリングが鍛えられます。

  1. 脚を肩幅程度に広げて、背筋を伸ばして立つ
  2. 片脚を、肩幅の2倍ほど横に踏み出す
  3. 踏み出した脚に向かって体重を移動させながら、内腿が伸びるのを目安に、ゆっくりと腰を落としていく
  4. かかとに力を入れるようにして、上体を元の位置に戻していく

この動作を、左右それぞれ10〜15回を1セットとして、3セットを目安に行います。同じ脚を連続して行っても、交互に行っても、どちらでも構いません。

内転筋に力が入っているのを確認しながら、腰をしっかりと落とすのがポイントです。腰を十分に落とさないと、大臀筋に負荷がかかりません。

股関節をしっかりと曲げることも大切です。ヒザではなく股関節を曲げることを意識しましょう。股関節を曲げた結果ヒザが曲がったという感覚で行ってください。

3. 【加重編】サイドランジのやり方と鍛えられる筋肉

ダンベルやバーベルを使ったサイドランジは、ウエイトがプラスされるため負荷が高められます。

3-1. ダンベルサイドランジ

ダンベルを両手に持って行うトレーニング。内転筋、大臀筋、ハムストリングが鍛えられます。

  1. 脚を肩幅程度に広げて背筋を伸ばし、両手にダンベルを持って立つ
  2. 片脚を、肩幅の2倍ほど横に踏み出す
  3. 踏み出した脚に向かって体重を移動させながら、内腿が伸びるのを目安に、ゆっくりと腰を落としていく
  4. かかとに力を入れるようにして、上体を元の位置に戻していく

この動作を、左右それぞれ10〜15回を1セットとして、3セットを目安に行います。同じ脚を連続して行っても、交互に行っても、どちらでも構いません。

ダンベルサイドランジのポイントは、自重のサイドランジと同じです。内転筋に力が入っているのを確認しながら、腰をしっかりと落としましょう。腰を十分に落とさないと、大臀筋に負荷がかかりません。

ヒザではなく股関節を曲げることを意識して、股関節を曲げた結果ヒザが曲がったという感覚で行ってください。ダンベルを持った腕は力を入れずに伸ばし、床と垂直になるように真っ直ぐにして取り組みましょう。

3-2. バーベルサイドランジ

バーベルを担いで行う、ダンベルよりも高い負荷がかけられるトレーニング。内転筋、大臀筋、ハムストリングが鍛えられます。

  1. 脚を肩幅程度に広げて背筋を伸ばし、バーベルを担いで立つ
  2. 片脚を、肩幅の2倍ほど横に踏み出す
  3. 踏み出した脚に向かって体重を移動させながら、内腿が伸びるのを目安に、ゆっくりと腰を落としていく
  4. かかとに力を入れるようにして、上体を元の位置に戻していく

この動作を、左右それぞれ10〜15回を1セットとして、3セットを目安に行います。同じ脚を連続して行っても、交互に行っても、どちらでも構いません。

最初は、軽いバーベルから行うのがポイントです。重いバーベルを使ってしまうと、身体を横に移動した時にバランスを崩しやすく、危険が伴います。自分でバランスが保てる重量のバーベルを使いましょう。

バーベルサイドランジは難易度が高いトレーニングのため、基本的なサイドランジでフォームをマスターしてから行ってください。トレーナーのアドバイスを受けながら、適切な重量を設定しましょう。

4. サイドランジで腸腰筋・中臀筋を鍛えられる?

サイドランジは、内転筋や大臀筋、ハムストリングのように、股関節の動きに関与する筋肉を鍛えるのに効果的です。そのため、 同じように股関節の動きに関与している「腸腰筋」や「中臀筋」 を鍛えるのにも効果的だと感じるかもしれません。

確かに、サイドランジは、腸腰筋や中臀筋にも効果がありますが、メインに鍛えられる筋肉ではありません。効果的に鍛えるためには、それぞれ適切なトレーニングを行う必要があります。

4-1. 腸腰筋が鍛えられる「ニーレイズ」

腸腰筋は、骨盤のあたりに位置する、インナーマッスルの一種。ヒザを上げる、仰向けの状態で脚を天井に向かって上げるなどの動作に力を発揮します。

床にお尻をつけた体勢で脚を浮かせてヒザの曲げ伸ばしをする、ニーレイズがおすすめです。

4-2. 中臀筋が鍛えられる「ヒップアブダクション」

中臀筋は、お尻の上部に位置する筋肉。脚を横に動かす、歩くときにバランスを取るなどの動作に力を発揮します。

横向きに寝た体勢で脚をゆっくりと上げ下げする、ヒップアブダクションがおすすめです。

5. サイドランジの注意点

サイドランジで筋肉を効果的に鍛えるために、注意点を覚えておきましょう。

5-1. 重心を常に体の中心にキープする

重心を体の中心にしないと重心がブレ、片方の脚だけに負荷がかかってしまうため、正しいサイドランジができません。

トレーニングを行う時には、上半身の中心に1本の棒があることをイメージしましょう。左右の脚に均等に体重を移動させるように意識すると、重心が安定しやすくなります。

5-2. ヒザとつま先の向きを揃える

ヒザとつま先の向きが揃っていないと、ヒザを痛める可能性があります。

サイドランジは、つま先を軽く外に向けた状態で行います。ヒザも同じように、身体に対して軽く外側に曲げるようにして行いましょう。

6. まとめ

サイドランジは、内転筋や大臀筋、ハムストリングを効果的に鍛えられるトレーニング。しっかりと腰を落として、股関節を動かすことを意識してください。

自宅でも簡単に取り組めるサイドランジで、引き締まった内腿やヒップアップを目指しましょう。

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