内腿に位置する筋肉の「内転筋」が鍛えられるヒップアダクション。O脚や内股を改善して、美脚を目指すのにおすすめトレーニングです。ここでは、ヒップアダクションの効果、さらにトレーニングの種類ややり方について、詳しくご紹介します。
1. ヒップアダクションとヒップアブダクションの違い
「ヒップアダクション」と似た名前のトレーニングに、「ヒップアブダクション」があります。区別がつきにくいかもしれませんが、主に鍛えられる筋肉やトレーニングの動作に明確な違いがあります。
狙った筋肉を効果的に鍛えるためにも、それぞれの違いを理解しておきましょう。
1-1. ヒップアダクション
ヒップアダクションは、身体の内側に向かって脚を閉じていく動作を行い、主に、内腿に位置する筋肉の内転筋が鍛えられます。
1-2. ヒップアブダクション
ヒップアブダクションは、身体の外側に向かって脚を開いていく動作を行い、主に、お尻の筋肉の中臀筋や小臀筋が鍛えられます。
2. ヒップアダクションで鍛えられる筋肉とその効果
ヒップアダクションは、太ももの内側に位置する「内転筋」が鍛えられるトレーニング。内転筋は、複数の筋肉が集まっている筋肉群で、「恥骨筋」「大内転筋」「長内転筋」「短内転筋」「薄筋」の5つの筋肉で構成されています。
内転筋を鍛えると内ももの間に隙間ができやすくなり、引き締まった太ももが目指せます。さらに、つま先が内側を向いてしまう「内股」や、ヒザの間に隙間ができてしまう「O脚」の改善も期待できます。
5つの内転筋群の、それぞれの役割や鍛える効果を見ていきましょう。
2-1. 恥骨筋の役割と鍛える効果
脚を内側に寄せる動きをサポートしている、太ももを動かすためには欠かせない重要な筋肉。鍛えれば、スムーズに足を動かせるようになり、ウエイトを使ったトレーニングも無理なくこなせるようになるでしょう。
2-2. 大内転筋の役割と鍛える効果
太ももを内側に寄せる動きをサポートしている、内転筋群の中で最も強い筋肉。鍛えれば、スポーツはもちろん、歩くなどの日常動作もスムーズになり、太ももの引き締め効果も期待できるでしょう。
2-3. 長内転筋の役割と鍛える効果
脚を内側に寄せる動きをサポートしている筋肉。下半身の動作に大きく関与しています。鍛えれば、ボールを蹴る、走るなどの動作がスムーズになり、太もものケガの防止にも繋がるでしょう。
2-4. 短内転筋の役割と鍛える効果
股関節を曲げる、脚を内側に寄せる動きをサポートしている筋肉。内転筋の動作に最も深く関与しています。鍛えれば、下半身がスムーズに動かせるようになり、運動のパフォーマンスも向上します。引き締まった、スッキリとした太ももに変われるでしょう。
2-5. 薄筋の役割と鍛える効果
ふくらはぎを曲げる、太ももを内側に寄せる、ヒザを内側に向けるなどの動きをサポートしている筋肉。ふくらはぎと太ももの、両方の動きに関与しています。鍛えれば、質の高いトレーニングが発揮できるようになるでしょう。
3.『自重編』ヒップアダクションの種類とやり方
ヒップアダクションは、器具を使用しなくても行えます。まずは、難易度が低い自重編をご紹介します。
3-1. ライイングヒップアダクション
寝そべった体勢で脚を上げ下げするトレーニング。自宅にいながら、内転筋が効果的に鍛えられます。
- 横向きになって床に寝そべり、ヒジで上半身を支える
- 上側の脚のヒザを立てて、下側の脚の前に出す
- 下側の脚のヒザを伸ばしたまま、ゆっくりと上に持ち上げる
- 上げた脚をゆっくりと下げて、元の状態に戻す
この動作を、左右それぞれ10回を1セットとして、3セットを目安に行います。脚の上げ下げは、ゆっくりとした動作で行うのがポイントです。勢いよく脚を動かしてしまうと、内転筋以外の筋肉も使われるため、内転筋を集中して鍛えることができません。
内転筋が強く使われる足を上げる動きの時は特に、太ももの内側を意識して、効いているかどうか確認しながらトレーニングを行ってください。
4. 『器具編』ヒップアダクションの種類とやり方(マシンの使い方)
チューブやケーブル、専用のマシンを使ったトレーニングは、高い負荷がかかるため、内転筋がさらに効果的に鍛えられます。
4-1. チューブヒップアダクション
チューブの引っ張る力を負荷にしたトレーニング。自重トレーニングよりも強い刺激がかけられます。
- 柱などにチューブを巻きつけ、横に立つ
- 柱側の足首にチューブを巻きつける
- チューブを巻きつけた側の脚を、身体の内側に向かって振る
- 十分に振り切ったら、元の位置にゆっくりと戻す
この動作を、左右それぞれ10回を1セットとして、3セットを目安に行います。自重のライイングヒップアダクションと同じように、ゆっくりとした動作で行うのがポイントです。勢いをつけて早く動作すると、内転筋以外の筋肉も刺激してしまうため、十分に鍛えられません。
内転筋の筋力を最大限に引き出すために、ゆっくりと動作することを意識しましょう。
上半身は動かさず、常にまっすぐに保つことも大切です。上半身が振れる、腰が反る、前のめりなど、上半身が安定していないと、内転筋以外の筋肉に刺激がかかってしまいます。
4-2. ケーブルヒップアダクション
ケーブルマシンを使ったトレーニング。チューブを使ったヒップアダクションよりも難易度が高めです。
- マシンに対して横向きに立つ
- マシン側の脚に、ケーブルのアタッチメントを付ける
- マシンの柱に触れてバランスを取る
- ケーブルをつけた側の脚を、身体の内側に向かって振る
- ある程度振り切ったら、元の位置にゆっくりと戻す
この動作を、左右それぞれ10回を1セットとして、3セットを目安に行います。他のヒップアダクションと同じように、常にゆっくりとした動作で行うのがポイントです。反動をつけて素早く動かしてしまうと、他の筋肉が使われるため、内転筋にしっかりと効かせることができません。
上半身は動かさず、常に真っ直ぐに保った状態で動作をしましょう。上半身が左右前後に振れると、反動がつきやすくなってしまいます。
バランスを保つのが難しい場合は、ケーブルマシンの柱や壁に、軽く手を添えて行うことをおすすめします。ただ、手に力を入れてしまうと余計な筋肉が使われてしまうため、添える程度に留めましょう。
4-3. マシンヒップアダクション
専用のマシンを使ったトレーニング。器具を使用するトレーニングの中でも最も難易度が高く、内転筋が効果的に鍛えられます。
- マシンに座り、両太ももの内側でパッドを挟む
- 太ももをパッドに触れさせたまま、脚を開く
- ゆっくりと脚を閉じる
- 脚を閉じきったら、ゆっくりと脚を開いて元の位置に戻す
この動作を、10回を1セットとして、3セットを目安に行います。内転筋の力を最大限に引き出すために、常にゆっくりとした動作で行うのがポイントです。
マシンを使って行うトレーニングは、他の種類に比べると反動がつきにくく、フォームが維持しやすいというメリットがあります。内転筋以外の筋肉の関与も抑えられるため、内転筋に集中して負荷がかけられるでしょう。
内転筋に負荷がかかっていることを確認しながら、ゆっくりとした動作で行うことを常に意識してください。
5. まとめ
ヒップアダクションは、内ももの筋肉の「内転筋」が鍛えられるトレーニング。太腿の間に隙間を作って引き締めを目指すためには、鍛えるべき筋肉です。
ポイントは、反動をつけずに常にゆっくりとした動作で行うこと。自重でもトレーニングができますが、マシンを使ったトレーニングを行えば、さらに効果的に鍛えられるでしょう。
内腿を引き締めるためには、普段の生活での心がけも大切です。立っている時には親指側に力を入れて、内腿に刺激がかかっていることを意識しましょう。座っている時にはヒザとつま先をしっかりと付けると、内腿に負荷がかかります。
内腿を引き締める生活習慣を心がけながら、トレーニングを取り入れて、効果的な太ももの引き締めを目指しましょう。
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