レッグカールで効果的にハムストリングを鍛える

ヒザの曲げ伸ばしを行うレッグカールは、太ももの裏の筋肉の「ハムストリング」が鍛えられるトレーニング。肉離れしやすい部位だけに、トレーニングを行う際には注意が必要です。ここでは、効果的かつ安全に行うために、レッグカールの種類とやり方をご紹介します。

1. レッグカールで鍛えられる部位と効果

レッグカールで鍛えられるのは、太ももの裏側にある筋肉の「ハムストリング」。お尻の下からヒザの下まで伸びている「大腿二頭筋」「半腱様筋」「半膜様筋」の3つの筋肉で構成される筋群です。

ハムストリングは、股関節とヒザ関節の2つにまたがっているため、股関節とヒザ関節の両方の動きに関与しています。主な動作は、ヒザ関節を曲げたり、股関節を伸ばしたりすること。立ち上がったりしゃがんだり、足を外に広げるなど、日常生活に必要な動作に関わっています。

鍛えれば下半身の動きが安定し、スポーツの能力が上がるでしょう。大きな筋肉のため基礎代謝が向上し、痩せやすい体質改善にも繋がります。ハムストリングは太ももの裏にあるため鍛えても目立ちにくく、鍛えることで太ももが太くなるという心配がありません。太ももを引き締めるためには、鍛えるべき筋肉です。

3つの筋群のそれぞれの役割と鍛える効果を見ていきましょう。

1-1. 大腿二頭筋の役割と鍛える効果

大腿二頭筋は、ヒザ関節や股関節の曲げ伸ばしに使用される筋肉。走ったりジャンプしたりする動作に多く使われます。股関節とヒザ関節を開いたり閉じたりする動きにも関与しているため、半腱様筋や半膜様筋をサポートする役割も担っています。

身体の中でも大きな筋肉の大腿二頭筋を鍛えると、脂肪が燃焼しやすい身体作りが期待できるでしょう。下半身全体が安定し、蹴り出す力やジャンプ力、瞬発力が向上します。

1-2. 半腱様筋の役割と鍛える効果

半腱様筋は、ヒザ関節を曲げる、股関節を伸ばす動きに使用される筋肉。ランニングやジャンプなど、瞬発力を使う動作をする時に強く刺激されます。太ももの裏に力を入れた時に内側に見える、目で確認できる筋肉です。

鍛えれば、ヒザ関節と股関節が効果的に使えるようになり、足の速さや足腰の強い身体作りが期待できるでしょう。内腿が引き締まり、太もも痩せにも繋がります。

1-3. 半膜様筋の役割と鍛える効果

半膜様筋は、半腱様筋と同様に、ヒザ関節を曲げたり股関節を伸ばしたりする動きに使用される筋肉。太ももに力を入れた時に、内側で緊張しているのが見えるため、効いているかどうかがすぐにわかります。

鍛えれば、階段の上り下りやジャンプなどの動作が軽くなり、足の速さや足腰の強い身体作りが期待できるでしょう。日常生活でのさまざまな動きも楽になります。

2. 『自宅編』レッグカールの種類とやり方

レッグカールは、器具やマシンを使用しなくても行えます。まずは、難易度が低い自宅で行えるトレーニングからマスターしましょう。

ここでは、初心者でもすぐに取り組める、基本的なレッグカールを2つご紹介します。

2-1. レッグカール

うつ伏せに寝た体勢で行う、自重を使うトレーニング。ハムストリングへの刺激のかかり方を知ることができます。

  1. マットなどの上にうつ伏せになって寝る
  2. 両手を顔の前につき、上半身を浮かせる
  3. かかとをお尻につけるようなイメージで、ヒザを曲げていく
  4. ゆっくりと元に戻す

この動作を、20回を1セットとして、3セットを目安に行います。反動をつけずに、常に動作をゆっくりと行うのがポイントです。反動をつけると、ハムストリングに十分な負荷がかかりません。

他の部位の力を使わないように、太ももの力だけで脚を動かすことも意識してください。

2-2. スタンディングレッグカール

壁に手をついて立った体勢で、ヒザを曲げて伸ばす動作を繰り返すトレーニング。ハムストリングに効かせられる、基本的な動きです。

  1. 壁の前に横向きに立ち、手を壁に軽く添える
  2. 片脚を上げて、かかとをお尻につけるようなイメージで、ヒザを曲げていく
  3. 脚が床につく直前まで、足を下ろしていく

この動作を、左右それぞれ10〜15回を1セットとして、3セットを目安に行います。脚を下ろした時には床につけず、浮かせた状態を保つのがポイントです。脚を床につけてしまうと、筋肉の緊張が解けて継続的な刺激がかかりません。鍛える方の脚は、床につけないように気をつけてください。

ヒザの位置は、まっすぐに立った時の位置に常に固定することも大切です。ヒザの位置がブレたり、体のバランスを崩れてしまうと、ハムストリングから負荷が逃げてしまいます。

3. 『ジム編』レッグカールの種類

ジムのマシンを使うレッグカールは、正しいフォームを維持しやすいというメリットがあります。自宅で行うトレーニングは、ヒザの位置がブレたりするなどフォームが崩れがちです。マシンを使えばヒザの位置が固定されるので、正しいフォームを維持できて、効果的なトレーニングが行えるでしょう。

さらに、マシンを使ったトレーニングは負荷の調節ができるため、筋肉に効率よく刺激がかけられる、というメリットもあります。ただ、ウエイトの重量を重くしすぎないことに注意しなくてはいけません。

重すぎるウエイトは、肉離れや腰痛などのケガにつながる危険性があります。ハムストリングは、肉離れしやすくつりやすいため、特に注意が必要です。トレーナーのアドバイスを受けながら、最適なウエイトの重量でトレーニングを行いましょう。

ここでは、マシンを使う基本的なレッグカールを2つご紹介します。

3-1. シーテッドレッグカール

マシンの座席に座った体勢でヒザを曲げるトレーニング。しっかりと固定して行えば、初心者でもすぐに取り組めます。

  1. マシンに座って、椅子と背もたれの位置を調節する
  2. 足元にあるパッドの上に、両足首を乗せる
  3. 両サイドにあるハンドルを握り、マシンを動かしてヒザを曲げていく
  4. 脚をゆっくりと伸ばしならが、元の位置に戻す

この動作を、10回を1セットとして、3セットを目安に行います。ハムストリングが伸びるのを感じながら、ゆっくりとした動作で行うのがポイントです。早く動かしすぎると、反動でヒザや腰などを痛めてしまう可能性があります。それに、ヒザをゆっくりと曲げるほうが、ハムストリングにより刺激が与えられます。

上半身がブレたりしてしまうと負荷が逃げてしまうため、動作をしている時にはしっかりと固定することも大切です。

3-2. ライイングレッグカール

マシンにうつ伏せになった体勢でヒザを曲げるトレーニング。ハムストリングにより負荷がかかりやすく、しっかりと鍛えられます。

  1. マシンの足パットの位置を、ふくらはぎから足首にかけて当たるように調節する
  2. マシンにうつ伏せになってレバーを握る
  3. 脚を伸ばした体勢から、ゆっくりとヒザを曲げる
  4. しっかりとヒザを曲げたら、ヒザを伸ばしてゆっくりと元の位置に戻す

この動作を、10回を1セットとして、3セットを目安に行います。シーテッドレッグカールと同様に、ゆっくりとした動作で行うのがポイントです。早く動かしすぎると、しっかりと刺激が与えられないだけでなく、ヒザや腰を痛める可能性があります。

かかとをお尻につけるイメージで、十分にヒザを曲げることも大切です。ライイングレッグカールは、脚を引き上げることでハムストリングに刺激が与えられます。ウエイトの重量は、十分にヒザを曲げられる重さに調節して行いましょう。

うつ伏せで行うトレーニングは、腕や腰に力が入ってしまう場合があり、下半身への刺激が少なくなってしまう可能性があります。上半身はしっかりと固定させ、脚だけを動かすことを意識しましょう。

4. まとめ

レッグカールは、ハムストリングが効果的に鍛えられるトレーニング。ハムストリングが伸びているのを意識しながら、ゆっくりとした動作で行うのがポイントです。

マシンを使うレッグカールは、安全に行うためにも、ウエイトの重量に注意しましょう。トレーナーに相談しながら、適切な設定で行うことが大切です。

ハムストリングは太ももの裏側にあるため、鍛えても目立ちにくく、太くなる心配はありません。引き締まった太ももを目指して、効率よく鍛えましょう。

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