背中を鍛えるダンベルトレーニング10選

広くたくましい背中は人からの信頼を得やすく、良い印象を抱く人も多いです。そのため、男女ともに背中を鍛えようと考える方が増えています。

では、背中の筋トレメニューにはどんなものがあるでしょうか?

ここでは、可動域が広い筋トレアイテム「ダンベル」を使った背中の筋トレメニューを、部位別に紹介します。周囲の人から憧れのまなざしで見られる背中を作っていきましょう。

1. 背筋の鍛えるべき筋肉とは?

普段、背中の筋肉は「背筋」という1つの言葉で表されますが、実際には背中は10以上の筋肉が複雑に折り重なって出来ています。

その中でもここだけは絶対鍛えておくべき、と言われているのが、以下の3つの大きな筋肉です。

  • 僧帽筋
  • 広背筋
  • 脊柱起立筋

1-1. 僧帽筋

僧帽筋は首の後ろから肩甲骨にいたるまでを覆っている十字型をした筋肉で、頭部と腕の重さを支えています。別名は肩凝り筋。寝ている間以外は常に働く筋肉のため、疲労が蓄積しやすく血流が滞ると酷い肩凝りを起こす場所です。

ここを鍛えると首が太くなり、肩にかけてのラインもボリュームアップしてたくましくなります。男性はスーツが似合うスタイルになるでしょう。

また、分厚い背中を希望する方も、僧帽筋をしっかりと鍛える必要があります。

1-2. 広背筋

広背筋は背中の左右両側から広がる大きな筋肉。腕を使って何かを引っ張る動きに使います。ワキの下から腰に向かって扇のように広がっているので、ここを鍛えると逆三角形の上半身になれます。

広背筋を鍛えて大きくすると、相対的にウエストが細く見えます。そのため、女性にも人気の筋トレ部位です。くびれをしっかりと作りたい女性は、広背筋の筋トレにトライしてください。

1-3. 脊柱起立筋

骨盤から背骨に沿って首までのびている筋肉で、人体が持つ筋肉の中で最長です。脊柱起立筋とは3つの筋肉の総称で、背骨を起こし立てるためにあります。

こちらも僧帽筋と同様に寝ているとき以外は常に動いています。衰えることは少ないですが、運動不足であったりデスクワークなど同じ姿勢を続けたりすることによって、筋肉が凝り固まってしまいます。その結果引き起こされるのが、腰痛です。

現在腰痛を持っている方、よく腰痛になってしまうという方は、積極的に鍛えていきたい筋肉です。

2. ダンベルを使って背筋を鍛えるメリットとは?

背中の筋トレでダンベルを使ったメニューを紹介しますが、では、ダンベルを使うことのメリットはなんでしょうか。

背中を鍛えるためにダンベルを使うメリットは、大きいもので以下の3つがあります。

  • 負荷の調整が簡単
  • 背筋全体の筋肉のバランスが取りやすい
  • 可動域が広く細かい筋肉まで鍛えられる

2-1. 負荷の調整が簡単

自重トレーニングであれば自分の体重以上の負荷はかけられませんし、バーベルであれば最初から重い負荷となってしまいます。その点、ダンベルなら負荷の調整が簡単に可能です。

ダンベルの種類にもよりますが、基本的には重さの調節や変更が可能です。そのため、初心者から筋肉を限界まで追い込みたい上級者まで便利に使えます。

また、さほど収納場所を取らないうえに値段も手ごろなものが多いので、購入して自宅に置いておけるのもメリットの1つです。

2-2. 背筋全体の筋肉のバランスが取りやすい

ダンベルでトレーニングをすると、マシンとは違い軌道が固定されていません。そのため左右の筋肉量の差でフォームが崩れやすくもありますが、徐々に改善すれば左右の筋肉量のバランスはよくなっていきます。

軌道が決まっていないからこそ、自分で筋肉量のバランスを調節できる。それは大きなメリットでしょう。

ただし、フォームが乱れていると左右の筋肉量の差が開いてしまいます。正しいフォームを覚えるまでは鏡で見てトレーニングを行うなどの工夫が必要です。

2-3. 可動域が広く細かい筋肉まで鍛えられる

ダンベルを使うと可動域が広くなります。その分、使える筋肉も多くなり、普段は動かさない細かい筋肉まで鍛えることが可能です。

ダンベルを使えば筋肉の隅々までが使いやすいため、バランスよく筋肉をつけるにはもってこいです。ただし、前述したように左右のバランスには気を付け、フォームをきっちり意識して正しましょう。

3. 僧帽筋のダンベルトレーニングメニュー

ではここからは、筋肉部位別にダンベルのトレーニングメニューを紹介していきます。

まずは僧帽筋。酷い肩凝りを持つ方、上半身を格好良くボリュームアップしたい方は、取り組んでください。紹介するのは、以下の2つのメニューです。

  • ダンベルシュラッグ
  • ダンベルアップライトローイング

3-1. ダンベルシュラッグ

シュラッグは「肩すくめ」を指します。肩をすくめる動きにダンベルでウエイトをつけ、筋肉を鍛えていきましょう。僧帽筋と肩の筋肉である三角筋に刺激を送れます。

  1. 両足を肩幅に開いて立ち、両手にダンベルを持って自然にぶら下げる
  2. 背中をまっすぐに伸ばして胸を開く
  3. 息を吐きながら、肩をすくめてダンベルを持った腕ごと上へあげる
  4. 限界まで肩をすくめたら、ゆっくりと腕ごと下ろす
  5. 3~4までを10回繰り返す
  6. インターバルで60秒休憩を取る
  7. 残り2セットを行う

ダンベルを持ち上げるとき、つい腕を使ってしまいがちです。しかしそれでは僧帽筋ではなく腕の筋肉に負荷が逃げますので、あくまでも肩をすくめるという動きに集中しましょう。ダンベルは強く握りこまず、自然と持つ程度です。

3-2. ダンベルアップライトローイング

シュラッグと似た動きではありますが、こちらは肘を曲げてダンベルを持ちあげます。僧帽筋より三角筋がメインターゲットのメニューですので、肩も一緒に鍛えたい方におすすめです。

  1. 両足は肩幅程度に開いて立つ
  2. 肩幅よりも少し狭い手幅で、体の前で左右それぞれにダンベルを持つ
  3. 肩は下ろしたままで、肘を外側へと曲げてダンベルを引き上げていく
  4. ダンベルが鎖骨付近まできたら、そのまま2秒キープ
  5. ゆっくりと肘を伸ばして2)の状態に戻る
  6. 3~5までを10回繰り返す
  7. インターバルで60秒休憩を取る
  8. 残り2セットを行う

肩周辺から首にかけての筋肉に刺激がいっているのを感じながら行ってください。背中は伸ばし、ダンベルを引き上げるときのみ肩に力をいれましょう。

4. 広背筋のダンベルトレーニングメニュー

続いて、広背筋のダンベルトレーニングメニューを3つ紹介します。

  • ワンハンドローイング
  • ダンベルベントオーバーローイング
  • ダンベルプルオーバー

4-1. ワンハンドローイング

ワンハンドローイングは広背筋を鍛えるメジャーなトレーニングメニューです。シンプルなメニューですが、正しいフォーム、軽めのダンベルでトレーニングしていきましょう。

  1. ベンチを用意し、右手と右膝を乗せて前傾する
  2. 頭から腰までを一直線に保つ
  3. 左手でダンベルを握り、左腕が地面と平行になる位置まで上げる
  4. 左肩から左肘までは固定し、肘から下を後方へと伸ばしてダンベルを持ちあげる
  5. 肘を伸ばし切るまでダンベルを上げたら、ゆっくりと下ろして3の状態に戻す
  6. 4~5までを10回繰り返す
  7. インターバルで60秒休憩を取る
  8. 残り2セットを行う
  9. 左右を交代し、同様に行う

ダンベルは強く握り過ぎないようにしましょう。呼吸は安定させ、顔は斜め前を向いておきます。背中をまっすぐにして胸を軽くはるようにし、行ってください。

4-2. ダンベルベントオーバーローイング

ワンハンドローイングを両手にして行うメニューです。両方同時に後方へとダンベルを引き上げるので、左右どちらの筋肉が不足しているのかがよくわかるはずです。弱い方は筋トレを強化して、バランスよく筋肉をつけていきましょう。

  1. 両足は肩幅程度に開いて立つ
  2. ダンベルを両手で持ち、膝を少し曲げてお尻を後ろへと突き出し、上体を前へ倒す
  3. 背中はまっすぐに伸ばして顔は正面を向く
  4. 息を吐きながら、肘を曲げてダンベルをお腹へ向かって引き上げる
  5. 肘が90度になるまで曲げて引き上げたら、そのまま2秒キープ
  6. 息を吸いながらゆっくりとダンベルを下げて元に戻る
  7. 4~6までを10回繰り返す
  8. インターバルで60秒休憩を取る
  9. 残り2セットを行う

上半身は動かしません。しっかりと固定し、肘を曲げてダンベルを持ちあげていきましょう。引き上げるときは息を吐きます。力を入れようとして呼吸を止めないようにしてください。

4-3. ダンベルプルオーバー

寝ころんでダンベルの端を持ち、頭の後を上から上げ下げするメニューです。簡単なうえ、自宅でも手軽に取り組めますのでやってみてください。

  1. ベンチや長い椅子の上に仰向けで寝ころぶ
  2. ダンベルを立てて上の端を両手で持ち、両腕を伸ばして顔の真上にセットする
  3. 息を吸いながら、ダンベルを頭の上に移動させる
  4. 素早く顔の真上に戻す
  5. 3~4までを10回繰り返す
  6. インターバルで60秒休憩を取る
  7. 残り2セットを行う

大胸筋や上腕三頭筋にも刺激を送れるメニューです。ダンベルは両手で無理なく支えられる程度の重さにしましょう。顔はまっすぐに天井をむいておきます。万が一、肩に痛みを感じるようなら、すぐにトレーニングを中止してください。

5. 脊柱起立筋のダンベルトレーニングメニュー

最後に脊柱起立筋のダンベルトレーニングメニューです。これも3つありますので、ケガに気を付けて取り組んでいきましょう。

  • ダンベルデッドリフト
  • グッドモーニング
  • バックエクステンション

5-1. ダンベルデッドリフト

筋トレBIG3と呼ばれるデッドリフトのダンベルバージョンです。

  1. 両足は肩幅程度か少し狭目にし、まっすぐに立つ
  2. ダンベルを両手に握り、太ももに触れないようにして太ももの前で構える
  3. そのまま上半身を前傾させていき、ダンベルが足の関節近くにくるまで下げる
  4. お尻を突き出して背中をまっすぐにする
  5. そこから膝をのばして上半身を上げて立つ
  6. また上半身を倒してダンベルを足の関節近くまで下げる
  7. 5~6までを10回繰り返す
  8. インターバルで90秒休憩を取る
  9. 残り2セットを行う

手はダンベルを持ったままで、腕の力ではなく背筋と股関節、足の力を使ってあげていきましょう。膝関節よりも下は動かさず、固定します。

5-2. グッドモーニング

脊柱起立筋や広背筋がターゲットの筋トレです。

  1. ダンベルを両手に持ち、両足を肩幅程度に開いて立つ
  2. 顔は正面を向いたまま、背筋を伸ばして腰から上をゆっくりと倒していく
  3. 上半身が床と平行になるまで体を折ったら、そのまま2秒キープ
  4. ゆっくりと体を起こしていく
  5. 2~4までを10回繰り返す
  6. インターバルで60秒休憩を取る
  7. 残り2セットを行う

ダンベルは自然に腕から下げたまま、行います。バーベルのように肩に担ぐのもOKですが、いずれも肩に力が入らないようにしましょう。

5-3. バックエクステンション

バックエクステンションは自重トレーニングのメニューですが、ダンベルを使って負荷を増やすことができます。

  1. マットなどの上にうつ伏せで寝ころぶ
  2. ダンベルを首の上に置き、手を頭の後へまわしてそれをしっかりと支える
  3. ゆっくりと上半身を浮かせていき、限界の位置で2秒キープ
  4. ゆっくりと上半身を下げ、元に戻す
  5. 3~4までを15回繰り返す
  6. 残り2セットを行う

反動は使わず、呼吸を安定させて行いましょう。このメニューはその日1日のトレーニングの最後、仕上げとして行ってください。

6. ダンベルの重さはどうすべき?

自重トレーニングに比べて筋トレ効率が高いダンベルを使ったトレーニングですが、重さを誤るとケガを誘発します。

ダンベルの重さは、初心者の男性なら片手が5kgから10kg程度にしましょう。一体型でなく、できれば可動式ダンベルを用意してください。女性は、片手で3kgから7kgを目安に用意します。

1つのトレーニングメニューを10回繰り返すときついなあと感じる、その程度の重さが適切です。

まとめ:ダンベルを使って背中をトレーニング!たくましさを手に入れよう

ダンベルは収納場所もさほど取りませんし、価格も手ごろなものが多いため、自宅でも気軽に筋トレが可能なアイテムです。

ダンベルを使った部位別の背中の筋トレメニューを紹介しました。バランスよく鍛えるためには、さまざまな筋トレメニューを組み合わせてトレーニングすることです。

休息日もとりながらトレーニングを継続し、たくましい背中を手に入れてください。

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