ワンハンドローイングで効果的に背中を鍛えよう

ワンハンドローイングは背中を鍛える筋トレメニュー。ダンベルを使って、片手で背中に刺激を与えていきます。シンプルな動作ではありますが、なかなかフォームが決まりにくく難しいメニューとしても知られています。

せっかく行うのですからしっかりと効果を実感したいはずです。ここでは、ワンハンドローイングの正しいフォームや注意点、コツなどを紹介していきます。格好良い背中を作ろう!と決めている方は、参考にしてください。

1. ワンハンドローイングで刺激を与える筋肉部位は?

まずはワンハンドローイングを行うことで鍛えられる、筋肉部位を確認していきましょう。筋トレにおいては、自分がトレーニングで刺激を送ろうと考えている筋肉をしっかりと意識することが大切です。

ワンハンドローイングで鍛えられるのは、以下の5部位です。

  • 広背筋
  • 僧帽筋
  • 三角筋
  • 菱形筋
  • 大円筋

1-1. 広背筋(背中)

広背筋は背中の上部にある筋肉で、脇の下から腰まで、左右それぞれに背中の側面を覆っています。ここを鍛えればアスリートのような逆三角形の体形を手に入れられます。ウエストにもメリハリがつくため、男女共に人気の筋トレターゲット部位です。

広背筋の特徴は、トレーニングの最中に意識しにくいということ。普段は見えないうえに意識して使用することが少ない筋肉だからでしょう。

そのため、広背筋を鍛える前には自分で広背筋の存在を感じて場所を確認しておくことも大切です。片腕をまっすぐに前にのばし、反対の手で脇と腰の間に手をあててみましょう。そのままの状態で肩を上下させると、手をあてた場所が動くことがはっきりとわかります。ここが、広背筋です。

1-2. 僧帽筋(背中)

僧帽筋は首周辺の筋肉では最大の面積をもっています。首から肩、肩甲骨にかけて十字型に伸びていて、肩をすくめたり肩甲骨を寄せたりするのに使用します。

上部・中部・下部の3つの部位に分かれていて、それぞれが重要な役割を担っています。僧帽筋を鍛えるときには、この3つの部位をそれぞれにしっかりと鍛えることが大切。僧帽筋を鍛える筋トレメニューは多々ありますので、メインターゲットが僧帽筋のどのパートなのかを確認して、バランスよく鍛えてください。

僧帽筋は別名「肩凝り筋」とも呼ばれています。普段から肩こりに悩まされている方は、ここを鍛えて血流を良くし、つらい症状を緩和していきましょう。

1-3. 三角筋(肩)

三角筋は肩の関節を覆っている筋肉です。ここを鍛えれば、丸く盛り上がった肩と広い肩幅、厚い背中が手に入ります。

三角筋も単一の筋肉ではなく、前部・中部・後部にわかれます。いずれも腕を動かすときに使用しますが、肩の筋肉はケガをしやすい部位でもありますのでトレーニングは慎重に行ってください。

がっちりした頼りがいがある上半身を作りたければ、三角筋は筋トレ必須の部位です。

1-4. 菱形筋(背中)

菱形筋も背中の筋肉。読み方は「りょうけいきん」です。肩甲骨を動かすためのインナーマッスルで、肩甲骨を背骨側へと引き寄せる動きに使います。

インナーマッスルなので普段はほぼ意識をしませんが、肩甲骨周辺がガチガチに凝っている方は、ここが硬くなっているといます。肩こりに悩む方は、意識すべき筋肉部位です。

1-5. 大円筋(脇下)

大円筋は肩周辺のインナーマッスルです。背中や肩の筋肉として分類され、肩関節の動作に影響しています。

ここは、知らない間に傷つけやすい筋肉。それがくせになると日常生活にも支障がでることもあります。トレーニングで刺激を送るときには、正しいフォームで取り組むことが必須です。

2. ワンハンドローイングの正しいやり方

ワンハンドローイングは正しいフォームで行うことが必須の、ケガを起こしやすい筋トレメニューです。ここで必ずフォームを確認しておきましょう。

  1. ベンチを用意し、右手と右膝をベンチの上にのせ、前傾姿勢となる
  2. 首から腰までをまっすぐに伸ばし、力を入れて保つ
  3. 軽く胸を張って肩は下げる
  4. 左手にダンベルを握り、横腹に向かって左肘が90度になるまでダンベルを引き上げる
  5. ゆっくりとダンベルを下ろす
  6. 4~5までを10回繰り返す
  7. インターバルで60秒休憩を取る
  8. 残り2セットを行う
  9. 左右を交代して同様に行う

トレーニング中、顔は下や正面ではなく、斜め前を向いておきます。また片手はベンチの上で横向きにしてベンチの淵をつかむようにし、しっかり上体を支えましょう。ダンベルは下腹部に向かって引き上げるイメージを持つと、うまく軌道がわかるようになります。

体の疲れ具合に応じ、1日ごとや2日ごとに行ってください。3カ月ほど継続すれば、見た目にはっきりとわかる程度に効果がでてくるはずです。

3. ワンハンドローイングで効果を高めるコツ4つ

せっかく行うのですから、できるだけ効果を高めたいと考えるのは自然です。ここでは、ワンハンドローイングの筋トレ効果を高めるコツを4つ紹介していきます。

  • ダンベルは軽く握る
  • 慣れたら停止を取り入れる
  • 呼吸のリズムをつかむ
  • 腕ではなく広背筋を使う

3-1. ダンベルは軽く握る

特に初心者に多いミスが、ワンハンドローイングを行うときにダンベルを強く握ってしまうことです。ダンベルは、落とさない程度の軽い力で握りましょう。強く握り過ぎてしまうと、肩や腰に余計な力が入ってしまいます。その結果、バランスやフォームが崩れやすくなってしまうのです。

3-2. 慣れたら停止を取り入れる

ワンハンドローイングのフォームを正しく行えるようになってきたら、「停止」を取り入れてみましょう。ダンベルをしっかりと横腹まで引き上げたとき、その状態で2秒間キープします。そのあと、ゆっくりとダンベルを下ろすようにすると、さらに広背筋に刺激を送ることができます。

停止中につらいからといって、停止を終えたあとに急にダンベルを下げてはいけません。あくまでも動作は「ゆっくり」が基本です。

3-3. 呼吸のリズムをつかむ

ほぼすべての筋トレでは呼吸を忘れないことが大切です。特にウエイトを使うワンハンドローイングは、急激に血圧が上がらないようにするため、呼吸はしっかり行ってください。

ワンハンドローイングでは、ダンベルを上げるときに息をゆっくりと吐き、ダンベルを下げるときに息をゆっくりと吸います。呼吸にあわせ、リズムよくダンベルを上下させていきましょう。

3-4. 腕ではなく広背筋を使う

ダンベルは腕の力で持ち上げてはいけません。広背筋や僧帽筋を意識し、背中の筋肉を収縮させてもちあげていきましょう。

ダンベルを握る方の肩の力はぬき、腕はリラックスさせて動作を繰り返すようにしてください。広背筋の力を使うには、肘を斜め後方へしっかりと引くことです。

また、脇があいた状態では大胸筋が使われてしまいます。ダンベルを上げ下げするときには、脇を閉じるようにしましょう。

4. ベンチがなくても可能!壁や膝を使って行うやり方

ベンチがなくとも、ワンハンドローイングを行うことはできます。普段はベンチを使うけれど、自宅でベンチや丁度良い椅子がないといった場合には、壁や膝を使ってワンハンドローイングを行ってください。

ここでは、壁を使って行うウォールワンハンドローイングのやり方を紹介します。

  1. 壁の前に右足を前、左足を後ろに開いて立つ
  2. 右手を伸ばし、壁に手のひらをつける
  3. 胸をしっかりと張って背中をまっすぐに伸ばす
  4. 左手にダンベルを軽く握る
  5. ゆっくりと横腹に向けてダンベルを引き上げる
  6. 肘が90度程度になるまで引き上げたら、ゆっくりとダンベルを下ろしていく
  7. 5から6までを10回繰り返す
  8. インターバルで60秒休憩を取る
  9. 残り2セットを行う
  10. 左右を交代して同様に行う

背中は丸めず、トレーニング中はまっすぐに伸ばすことを意識してください。ベンチを使う通常のワンハンドローイングに比べて、壁を使うバージョンは腰に負担がかかりやすくなります。背中をまっすぐにすることで腰への影響を減らしていますので、フォームは鏡などを観ながら意識して正しましょう。

台やベンチに手と膝をつかない場合、体勢が崩れやすくなります。腹筋に力をこめ、体勢を維持しましょう。また、壁に体重をかけすぎて壊す方も稀にいます。壁に全体重をかけるようにもたれかかるようにしないようにしてください。

呼吸のタイミングは通常バージョンと同じです。ダンベルを引き上げるときに吐き、戻すときに吸ってください。

5. ベントオーバーローイングとの違いは?

背中を鍛える筋トレメニューでワンハンドローイングと同じような動作をするものに、ベントオーバーローイングがあります。違いは何?と考える方もいらっしゃるので、ここで違いを説明しておきましょう。

大きな違いは、片腕で行うか両手で行うかです。

ワンハンドローイングは片手でトレーニングを行ううえにダンベルを使うことで可動域が広くなり、より広範囲の筋肉に刺激を送れます。

対してベントオーバーローイングはバーベルを使うことが多く、そのためダンベルに比べてより重いウエイトを扱えること、より強い刺激を背中に送れます。

どちらであっても背中全体の筋肉を効果的に鍛えられます。体調や組み合わせるトレーニングメニューによって使い分け、理想的な背中を作っていってください。

6. ワンハンドローイングで必要なアイテムは?

ワンハンドローイングを行うために、用意するアイテムを紹介します。必須のアイテムと、あった方が良いというアイテム、以下の4点です。

  • ダンベル
  • ベンチ
  • パワーグリップ
  • リストストラップ(エイトストラップ型)

6-1. ワンハンドローイングに必須のアイテム

必須なのは、ダンベルです。ダンベルには大きくわけて「一体型」と「可変式」の2つの種類があります。一体型は握る部分とおもりの部分が一緒になっているタイプ。1㎏や2kgのものから販売されていて、100円ショップなどでも購入可能です。

可変式は、おもりが分離するタイプでこちらの方がおすすめです。筋トレ初心者は筋肥大のスピードは速く、しっかりと筋トレを行えばどんどん体は変化していきます。前までは動かすことが大変だった重さのダンベルも、次の週になれば軽く感じるということも起こるでしょう。そんなとき、可変式ダンベルであればおもりを替えるだけで必要な重さが用意できます。

ダンベルの重さは、トレーニングで8回から10回持ち上げると限界を迎える程度が最適。女性は3kg程度、男性は5kg程度からトレーニングを開始し、徐々に重くしていきましょう。

収納場所もさほど必要ではないうえ、ダンベルがあれば自宅で行えるトレーニングメニューも多くなります。2個セットで購入しておけば、便利に使えるアイテムです。

6-2. ワンハンドローイングであると便利なアイテム

あると便利なのは、ベンチ・パワーグリップ・リストストラップです。

  • ベンチ

フラットベンチは、1万円以内でも購入可能ですので、使用頻度が高い方は購入もおすすめです。安定感抜群のフラットベンチを選べば、他の筋トレでも使えて便利です。

また、ベンチの代わりに椅子などを並べて使うときには、事故やケガを予防するため、足元はしっかりと固定して使ってください。

  • パワーグリップ

パワーグリップはトレーニング中に疲れから握力がなくなってしまったときなどに、しっかりとサポートしてくれるアイテムです。ターゲットである筋肉を最大限まで追い込むために、ローイングなど引く系の筋トレメニューでは活躍するでしょう。

手のひらを保護する役割もありますので、筋トレ初心者にマメができて痛いときなどにも使ってみてください。

  • リストストラップ(エイトストラップ型)

パワーグリップよりもさらに強くサポートをしてくれるのが、リストストラップです。

その中でも特に最新アイテムであるエイトストラップ型は、従来のものよりも迅速・強力なサポートが得られると好評。八の字型をしていることからつけられた名前ですが、ワンハンドローイングでも便利に使えます。

まとめ:ワンハンドローイングで素敵な背中を手に入れよう!

ワンハンドローイングは背中全体を鍛えられるダンベル筋トレメニューです。片手ずつ可動域の広いダンベルでトレーニングするため、普段は鍛えにくいインナーマッスルにも刺激を送れます。

ここでは正しいフォームや注意点を紹介しました。しっかりと背中にきかせるためにはフォームが大切なメニューですので、やり方を確認して行うようにしてください。

初心者の方は、トレーナーについてもらってアドバイスを受け、フォームを直してもらうことがおすすめです。ケガをしないように、慎重に行いましょう。

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