背中の筋肉のこりは、首や肩などさまざまな箇所に悪影響を引き起こす原因の一つ。身体の不調を改善するためにも、ストレッチでこりをほぐす必要があります。ここでは、背中ストレッチの効果やメリットと合わせて、おすすめのストレッチをご紹介します。
1. 背中ストレッチの効果とメリット
ストレッチは、無理のない動きの誰にでもできる体操。背中ストレッチを習慣にしてこりをほぐすためにも、効果やメリットをしっかりと理解しておきましょう。
1-1. 猫背の改善
背中を丸めた姿勢を長時間続けるのを防いで、猫背の予防や改善ができます。
猫背の一番の原因は、デスクワークやスマホいじりなど、背中を丸めた姿勢を長時間続けていること。骨盤が後方に退いてしまい、自然と腰の部分が曲がってしまうのです。猫背は見栄えが悪いだけでなく、ぽっこりお腹の原因にもなります。
休憩中など、ちょっとした時間に背中ストレッチを行って、姿勢を正しましょう。
1-2. 肩こり・腰痛の改善や予防
背中全体の血行が良くなり、肩こり・腰痛の改善や予防ができます。
肩こりは、血液の循環が悪いために疲労が蓄積されてしまうのも原因の一つ。また、座っている時の姿勢が悪いと腰に負担がかかり、筋肉が緊張状態のままになるため腰痛を引き起こします。
血流を良くして疲労の蓄積を防ぐためにも、継続して背中ストレッチを行うことが大切です。
1-3. 老化防止
背中の張りやこりをほぐすと筋肉が鍛えられるため、老化防止ができます。
背中の筋肉は、身体のさまざまな筋肉と連動しているため、背中の筋肉の衰えは身体全体の衰えに繋がってしまいます。きつい筋トレでなくても、ストレッチで十分に筋肉は鍛えられます。デスクワークなど身体を動かさない仕事をしている人は特に、背中ストレッチを習慣にしましょう。
1-4. 疲れにくい身体作り
こりがほぐれて血流が良くなり、疲れにくい身体が作れます。
筋肉のこりや血流が悪いのは、身体が疲れてしまう原因。背中ストレッチを続けていれば、こりや血流が改善されて、疲れをほとんど感じなくなるでしょう。身体のコンディションも整えられるため、日常生活での動きも良くなります。
2. 椅子に座ったままできるおすすめ背中ストレッチ5選
背中ストレッチは、誰でもすぐに取り組めるシンプルなメニュー。椅子に座った体勢でできる背中ストレッチは、仕事の合間など、ちょっとした時間に行えます。そこで、おすすめの背中ストレッチ5選をご紹介します。
2-1. 僧帽筋上部に効かせる背中ストレッチ
首から肩や背中まで広がっている「僧帽筋」の上部を刺激できるストレッチ。休憩時間などに気軽に取り組みましょう。
- 背中をまっすぐに伸ばして、椅子に浅く座る
- 右手を腰の後ろに回し、左側の椅子の端を掴む
- 左手を右側の耳の後ろにかける
- ゆっくりと呼吸をしながら、頭を左前方に倒していく
- 20秒維持したらゆっくりと元に戻していく
この動きを、左右それぞれ2回ずつ行います。僧帽筋上部の筋肉にしっかりと刺激を与えるために、背中をまっすぐに伸ばしたまま、頭だけを倒すのがポイントです。痛みが出るまで頭を倒さずに、呼吸を止めずに安定させて取り組みましょう。
2-2. 僧帽筋中部に効かせる背中ストレッチ
首から肩や背中まで広がっている「僧帽筋」の中部を刺激できる、棒などを利用するストレッチ。背中の筋肉を伸ばしたい時におすすめです。
- 安定する垂直になった棒などの前に、腰を椅子の背もたれにつけた体勢で座る
- 右手を内側にひねって棒を掴む
- 棒を掴んだまま、背中を丸めて身体をゆっくりと下げていく
- 限界まで下げたら20秒維持する
- ゆっくりと元に戻していく
この動きを、左右それぞれ2回ずつ行います。身体を下げていく時には、腰を椅子の背もたれから離さないのがポイントです。腰が離れてしまうと腰を痛める可能性があります。棒を掴む時には、肩が上がらないように注意しましょう。
2-3. 脊柱起立筋に効かせる背中ストレッチ その1
僧帽筋だけでなく、背骨の両側にある長い筋群の「脊柱起立筋」まで刺激できるストレッチ。背中の幅広い筋肉を伸ばせます。
- 足を大きく開いて、背中を伸ばして椅子に座る
- 両手をまっすぐ前に伸ばし、手の平を合わせる
- 両手を合わせたまま、右側に手を半周回す
- 頭を足の間に入れるように身体を前に倒し、20秒維持する
- ゆっくりと元に戻していく
この動きを、手を右に半周回したフォームと左に半周回したフォームのそれぞれ2回ずつ行います。
身体を前に倒していく時には、両手の先で放物線を描くように下げていくのがポイントです。まっすぐに足に向かって下げていくのでは、背中の筋肉を十分に伸ばせません。肩から背中へ刺激を感じることを意識しながら、ゆっくりと行いましょう。
2-4. 脊柱起立筋に効かせる背中ストレッチ その2
背骨の両側にある長い筋群の「脊柱起立筋」まで刺激できる、クッションを利用するストレッチ。腰回りの筋肉までしっかりと伸ばせます。
- 足を肩幅程度に開いて、背中をまっすぐに伸ばして椅子に浅く座る
- 両手でクッションを抱えながら、身体をゆっくりと前に倒していく
- 限界まで倒したら20秒維持する
- ゆっくりと元に戻していく
この動きを、2回行います。頭を足の間に入れる感じで身体を前に倒していくのがポイントです。背中に力を入れずに筋肉を緩めながら、ゆっくりと曲げていきましょう。
2-5. 僧帽筋と脊柱起立筋に効かせる背中ストレッチ
僧帽筋から脊柱起立筋まで刺激できるストレッチ。首から背中にかけての筋肉がバランス良くほぐせます。
- 背中をまっすぐに伸ばして、椅子に浅く座る
- 両手を真横に広げてからゆっくりと前に出し、背中を軽く丸める
- 両手を前に伸ばした体勢で10秒維持する
- 両手を後ろに回し、肩を後ろに下げて両手を繋いで10秒維持する
- ゆっくりと元に戻していく
この動きを、前後それぞれ2回ずつ行います。手を前に出す時には肩甲骨を開き、手を後ろに下げる時には肩甲骨を閉じるのを意識するのがポイントです。肩甲骨の動きを感じながら行うと、周辺の筋肉が効率よくほぐれます。筋肉をしっかりと伸ばすのを意識しながら行いましょう。
3. 背中の筋肉が伸びるヨガのポーズ
ストレッチ効果もあるヨガのポーズは、筋肉の疲労を和らげてくれます。背中の筋肉が伸びるヨガのポーズも取り入れて、背中のこりを効果的にほぐしましょう。
3-1. 肩甲骨をほぐすポーズ
- ヒザを曲げて左右の足をクロスするようにして重ねる
- 右腕が耳につくくらいの感じで手を上げる
- 右腕を頭の後ろの方向にヒジから先を曲げ、左腕を腰の後ろに回す
- 右手で左手の指先を掴む
- 腕が伸びているのを感じながら、呼吸をゆっくりと繰り返す
足をクロスして重ねた時には、それぞれの足のかかとをできるだけお尻に近づけるようにしましょう。
3-2. 肩の筋肉を伸ばすポーズ
- ヒザを腰幅に開いて、四つん這いの体勢になる
- 左手の手の平を上側に向けて、右腕の脇の下に通す
- 右手の手の平を下側に向けて、まっすぐ前に滑らせながら、状態を前に倒す
- 顔の左側を床につけ、ゆっくりと身体を右側にひねっていく
- 肩が伸びているのを感じながら、体勢を維持する
このポーズを、反対側の腕に入れ替えて、同じように行いましょう
4. 背中が張ってしまうNGな習慣
背中の張りは、生活習慣と大きな関係があります。
長時間のデスクワークは、筋肉を動かすことが少なく前かがみの姿勢になるため、背中が張りやすくなります。ストレスが溜まっている状態も、自律神経のバランスが乱れて血流が悪くなり、背中への負担が高まってしまいます。
また、歯をくいしばる癖がある人は、頭の側部の筋肉が緊張し、肩の筋肉にも広がる可能性があるでしょう。その結果、背中の筋肉の張りを強めてしまいます。
背中が張ってしまう人は、枕の高さにも問題があるかもしれません。仰向けになって寝ている時の首から背中にかけての姿勢は、立った時の姿勢と同じ状態なのが理想的です。枕の高さが合っていないと、姿勢が崩れてしまうのです。
背中のこりをほぐすためには、背中の筋肉を伸ばす効果があるストレッチやヨガを行うのが効果的です。毎日の生活に取り入れて、疲れにくい若々しい身体作りを目指しましょう。
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